コッツウォルズの亜麻畑

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2018年8月3日金曜日

チャールズ皇太子が訴える英国の木々の危機


イギリスの木々が病害虫の脅威にさらされていることについてチャールズ皇太子殿下がインタビューに答えられ、イギリスのそれぞれのガーデナーが協力できることを話されています。
インタビューしているのはチェルシーフラワーショーで何回も金賞を受賞しているガーデンデザイナーのアダム・フロスト氏です。

雑誌ガーデナーズワールドにそのインタビューの記事が載っています。
その要旨は、

 1980年に初めてハイグローブに来たとき、すでに150本の大きな楡の木が枯れて失われていました。それ以来もともとの風景を取り戻すためにできるだけ植林をしてきました。
 そして数年前にコンウォールで大きな木々のサドンオークデス病菌の問題が発生していることに気づき、病気が発生する前にそれらの木を取り除くつらい決意をしました。そして今や、私の庭園のあるハイグローブでも同じことが特に古いカラマツで発生しています。そしてカラマツだけでなくオークもまた大きな危険にさらされています。
 オークの木のない風景は考えられません。トネリコの木もまた然りです。トネリコもまた枯れる病気にかかっているのです。イギリスはガーデナーの国ですが、人々はこの問題をまだ認識していません。ナーセリーがいち早く検疫に取り組む必要があることがまた問題です。私は適切に検疫しているナーセリーから樹木は購入していますが、そうしているのはまだ少数です。でも緊急に対応するべき問題なのです。
 オーストラリアは私が初めて訪問した1966年にはすでに厳しい規制を実施しており、空港で係員がやってきて我々に薬を噴霧したのです。イギリスは今、森林のすべてが壊滅してしまう恐ろしい可能性に直面しています。イギリスも島国ですから、同じように厳しい規制をすることも可能でしょう。
 アオナガタマムシなどのイモムシやオークの木が突然かれるなど次々に問題が起こっていますから無駄にしている時間はないのです。ヒースロー空港に最近行きましたが、沢山の植物が荷物として持ち込まれています。人々はその危険性に気づいていないようです。
 イギリスのガーデナーに助言したいことは、植物の仕入れ先をナーセリーと話をし、どこから輸入したのかを尋ね、適切にチェックしているのか、生物セキュリティーの方針はどうなっているのかを聞いて欲しいということです。
 鉱山のカナリアは私たちの木々の危機を感知して長い間さえずっていたのに、誰も注意を払いませんでした。全世界からの植物の流入に加え、気候変動も一つの要因だと思います。私たちは自然への複数の脅威に直面しています。私が30年以上にわたり訴えてきたことで、今こそ取り組むべき課題となっています。
 この問題に取り組んでいくにはお金も必要です。ガーデナーの皆さんにもできることがあり、それを知ってほしいのです。将来取り組みが効果をあげて私たちの孫の世代がイギリスの景観を共有できるように望んでいます。







このインタビューの動画がイギリスBBC放送のホームページ(ここをクリック)で見られます。

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