腸が健康のカギを握る

今回も前回に引き続きまして、「最高の体調」 鈴木 祐著 クロスメディア・パブリッシング についての考察になります。

まず、健康に生きるためのポイントは、腸が握っているということです。

しかし、現代人の腸は危機に瀕している状態です。私たちの腸には、腸内細菌が住んでいます。ヨーグルトなどでもおなじみの、ビフィズス菌や乳酸菌などが有名ですが、1000種類、100兆個以上といわれ、これは人体のすべての細胞の数をはるかに超えているのです。

腸内細菌は ビタミンB2・B6・B12 、パントテン酸、ビオチン、ビタミンK等のビタミンを合成 したり、腸壁を守る働きもあります。

リーキーガット症候群
リーキーガット症候群

皆さんリーキーガットという言葉をご存知ですか? リーキーとは英語で「漏れる」という意味です。

英語でガット(Gut)は腸のことです。すなわちリーキーガットは腸の粘膜に穴が空き、異物(ウイルス・細菌・タンパク質など)が血中に漏れだす状態にある腸の状態を指します。日本語では「腸管壁浸漏(ちょうかんへきしんろう)」といいます。 リーキーガット症候群( leaky gut syndrome :LGS)と呼ばれることもあります。

いったんリーキーガットが起こると、腸の穴から未消化の食べ物や細菌などの有害なものが血管に侵入します。こうなってしまうと体内のあらゆるところに慢性的な炎症を発生させていきます。

リーキーガットはアレルギーや認知機能の低下など様々な症状を起こしますが、なかでも重要なのが「疲れやすさ」との関係でしょう。

2016年、コーネル大学の研究チームが「慢性疲労症候群」に悩む患者の腸内細菌を調べる研究を行いました。慢性疲労症候群の患者は健康な人に比べて腸内細菌の種類が少なかったうえ、疲れやすい人ほど体内の炎症レベルが高く、リーキーガットの割合も多かったという結果が出ました。

腰痛や関節炎などの患者さんも、慢性炎症が原因となっていることがありますので、リーキーガット症候群は侮れません。

リーキーガットを防ぐには、よく噛むことと、食物繊維(腸内細菌の餌)の多いもの(野菜、豆類、海藻、など)をよく食べる、発酵食品をよく食べる、などが大切です。

ただし発酵食品は、腸内環境が悪い場合はかえって悪玉菌を増やすこともありますので、様子を見ながら摂ってください。

また、砂糖、果物、小麦は控えた方が良いでしょう。食品添加物や農薬、水道水の塩素にも注意が必要です。

逆にココナッツオイルは積極的に摂った方が良いオイルです。また、香味野菜やハーブ類(生姜、ニンニク、シソ、パクチー、こしょう、唐辛子、クローブ、シナモン、バジル、コリアンダー、クミン、オレガノ、ターメリックなど)は抗菌殺菌作用がありますのでおすすめです!

次に衛生的な環境が免疫システムを狂わせることがあります。私たちと腸内細菌は、「持ちつ持たれつ」の関係ですが、衛生の発達によってこの関係が崩れてきています。

抗生物質の乱用で腸内細菌のバランスが崩れたり、衛生設備の充実の結果、有用な菌との接触が妨げられているのです。

東西ドイツが統一された後で観察された事例では、清潔な環境で生活していた西ドイツの方が、東ドイツより花粉症の患者数が4倍も多かったというのです。

腸内細菌の環境が良いと、腸管内の免疫もよい状態になります。

回腸(小腸の下部)内腔の絨毛(じゅうもう=ひだ)の間に点在するパイエル板はリンパ組織で、断面がM字に似ているので、M細胞と言われます。ウイルスや細菌、異物などがM細胞に取り込まれると、マクロファージ(免疫細胞)がその情報をリンパ球に伝えます。

3~4歳以後から、あまり清潔でない環境で育つと、パイエル板から多くの外敵や異物が入り、リンパ球は訓練され、大量のIgA抗体を作りだしているため、アレルギーなどが少ない子供に育ちます。

子供が抗菌グッズに囲まれた清潔な環境下で生活すると、リンパ球が訓練される機会が減り、IgA抗体があまり産生されないため、様々な問題に対して免疫が対処できない場合もあるのです。

プロバイオティクス(ビフィズス菌や乳酸菌など)がリーキーガットやアレルギー症状の改善に役立つこともあります。整腸剤やサプリメントでこれらのものを摂取するのも有効です。ただし、菌には相性の個人差がありますので、飲んでみてあまり効果を感じなければ、別の種類に変えてみるといいです。乳酸菌サプリは沢山ありますが、酪酸菌の整腸剤としてミヤリサンもおすすめです。

次に自然と健康についてお伝えいたします。自然との触れ合いが確実に人体の副交感神経を活性化するそうです。これは人類の「感情システム」に影響を与えるからです。

自然とのふれあいとは実際にどのようなものかといいますと、野山や海辺などに実際に行ってみるのもよし、公園を散歩するのも効果的です。

また、デジタルの自然も効果的で、作業中は川のせせらぎや鳥のさえずりを聴いたり、ネットで大自然の動画に触れることも有効です。

観葉植物をオフィスやリビングに置くだけでリラックス効果が有意に高くなります。

太陽光線にあたることも必要で、最低でも1日6~20分陽光を浴びることも必要です。

アウトドアのレジャーとして、キャンプや山登り魚釣りなどで自然の中に身を置くことも大変効果的です。

また、温泉などもよいと思います!

以上のような自然との触れ合いはどれも副交感神経を活性化して、都会生活の心身の疲れを癒してくれます。

最後に、遊びの大切さを著者は述べています。ドイツの哲学者カール・グロースは、1901年の著書「人間の遊戯」のなかで、ほかの哺乳類の幼児期に比べて人間の子供の方が良く遊ぶという事実に触れ、「人類は他の種よりも複雑な生存スキルが欠かせないため、大人になっても遊びを通して認知機能を発達させ続けねばならないのではないか?」と推測しました。

狩猟採集民の多くが老人になっても遊び心を保ちながら生きているのが事実です。

現代の文明社会では、大人も子供も仕事や勉強に追われ、自然の中で遊ぶといった時間が圧倒的に少なくなっていると思います。

同級生の子供(小学生)が、セミやクワガタやカマキリを怖がって触れないといっていました。今の子供はゲームばかりで虫と戯れることが無いのです。私の時代では虫採りが遊びだったので、虫に触れないなど考えられないことです。

人間も自然の生き物の一部なので、やはり自然と共に生きることが健康の原点ではないでしょうか。

子供の時に野山を駆け回って遊んだ子は、遊びの中から基本的な体力が養われ、背骨を支える筋力がしっかりしています。腹筋や背筋が弱くなると、正常な脊椎のS字湾曲が保てなくなり、猫背やストレートネックなどになります。その結果、腰痛肩こりなどの不快な症状に悩まされるようになるのです。

西洋医学の特徴として、以下に示します。

  • 還元主義に基づく分析医学の傾向が強く、病気の原因を追究しようとする。
  • 病気だけを見て、患者を診ていない。病名が付かなければ治療が出来ない。
  • EBM(Evidence Based Medicine)を重視する。
  • 科学万能主義に陥りやすい。
  • 個別の患者に合わせた治療がむずかしい。
  • 自然治癒力を認めない。

私も臨床家なので、この様な考えの大切さもわかりますが、自然とのバランスを失ったら真の健康は得られないと思いますので、注意したいと思います!

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