三十三間堂向かいの法住寺は紐解けば、
平安時代中期に藤原為光によって創設され、
その後、後白河上皇の御陵を守る寺として江戸時代末期まで存続、
明治時代に御陵と寺が分離され現在に至っている。
紹介される時は正門を差し置いて、
南門の竜宮門が起用される事が多い、小生もそうである(笑)。
竜宮門というのは二階建ての上部に屋根をもつ楼門の一種で、
1階部分が漆喰塗籠めの袴腰になっている、
中国・明朝の建築様式、一見して中国風と分かる。
京都市内には数々の宗派、建築様式の寺院が存在しているが、
中国風様式を採用しているのは伏見の長建寺位しか
浮かばない程珍しいので、どうしても前面に出してしまう。
更に、遮るように伸びた松の枝が印象的で、
この時期は紅梅が色を添えてくれる。
少し早い気もしたが、
創建当初から安置されている「身代不動明王像」は、
平安期の作風とされ、慈覚大師が造立したと伝わる。
又、後白河上皇の信仰も篤かったので、
木曾義仲によって焼き討ちされた際に、
その不動明王像は上皇の身代わりとなったと伝わる。
又、漫画「サザエさん」の作者・長谷川町子の菩提寺でもある。
法住寺の竜宮門の紅梅は特に紅く、
まさしく真紅!
確か境内と側壁に白梅が数本あったが、
この時点では蕾を膨らみだしたばかりだった。
こちらは側壁の若木のピンクの梅!
今日の京都は3月中旬の気温となって、
一気に春めきそうな気配。
後一週間もすれば竜宮門の真紅が、
三十三間堂を際立たせている朱色をも凌駕するはず!