原則1割となっている介護保険サービスの自己負担について厚生労働省は、2割負担や3割負担となる人を拡大するかどうか検討を進めてきましたが、利用控えにつながるおそれがあるなどという指摘を受けて、拡大を見送る方向で調整を進めることになりました。
急速な高齢化で介護費用が増え続けるなか、厚生労働省は3年に1度行う介護保険制度の改革で利用者の負担を増やすかどうか議論してきました。
このうち、原則1割となっている介護サービスの自己負担について、2割または3割となる人の対象を収入に応じて拡大するか検討してきましたが、介護サービスの利用控えにつながるおそれがあるなどという指摘が利用者や専門家から相次ぎました。
このため厚生労働省は「引き続き検討が必要だ」として拡大を見送る方向で調整を進めることになりました。
また、在宅で介護サービスを受ける際に、利用計画などを作る「ケアマネジメント」の有料化や要介護1と2の人が受ける生活援助サービスを国から市町村の事業に移行することも見送る方向で検討を進めることにしています。
一方で、自己負担の上限額については現在の原則月4万4400円から、年収に応じて引き上げていく方向で検討します。
厚生労働省は来週開かれる専門家部会にこうした方針を示し、委員の意見を聞きながら年内にも結論を取りまとめることにしています。