前線の影響で西日本や東海の各地で断続的に激しい雨が降っています。記録的な大雨となり一時、特別警報が出された九州北部など各地で川の氾濫や土砂災害の危険性が高い状態が続いています。油断することなく自治体が発表している避難勧告などに従って引き続き厳重な警戒を続けてください。

気象庁によりますと、活発な前線の影響で西日本と東日本の広い範囲で大気の状態が不安定になり、この時間は九州や東海で雨雲が発達しています。

午後3時までの1時間には
▽熊本県が天草市に設置した雨量計で37ミリ、
▽国土交通省が鹿児島県霧島市に設置した雨量計で31ミリの激しい雨を観測したほか、
東海でも、
▽岐阜県中津川市付知で31ミリの激しい雨が降りました。

48時間の雨量 各地で観測史上最多に

午後3時までの48時間の雨量は
▽大分県日田市の椿ヶ鼻で656.5ミリ、
▽福岡県大牟田市で519ミリ、
▽長崎空港で434ミリ、
▽岐阜県高山市久々野で345ミリといずれも観測史上最も多くなっています。

福岡県と佐賀県、長崎県に出されていた大雨の特別警報は昼前に警報に切り替えられましたが、これまでの記録的な大雨によって筑後川では上流の大分県内で氾濫が発生したほか、各地で川の氾濫や土砂災害の危険性が高い状態が続いています。

今後も非常に激しい雨が予想されるため引き続き、厳重な警戒を続けてください。

油断することなく自治体が発表している避難勧告などに従って身の安全を確保してください。

「土砂災害警戒情報」11県で発表

これまでの雨で土砂災害の危険性が非常に高まり福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、広島県、愛媛県、奈良県、岐阜県、静岡県、長野県では「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

また、福岡県、佐賀県、熊本県山口県、岐阜県では、「氾濫危険水位」を超えている川があります。

今後の見通し

前線は今後も停滞し活発な状態が続く見込みで、8日にかけて西日本から東北の広い範囲で、局地的に、雷を伴って非常に激しい雨が降るおそれがあります。

8日昼までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽九州北部と四国で250ミリ、
▽東海と関東甲信で200ミリ、
▽九州南部と中国地方、近畿で150ミリ、
▽北陸で130ミリ、
▽東北で100ミリと予想されています。

また、9日昼までの48時間の雨量は、
▽東海で300ミリから450ミリ、
▽四国で300ミリから400ミリ、
▽九州北部と関東甲信で250ミリから350ミリ、
▽九州南部と近畿で200ミリから300ミリ、
▽中国地方と北陸で150ミリから200ミリ、
▽東北で100ミリから200ミリと予想されています。

今月4日、豪雨に襲われた熊本県の被災地や、記録的な大雨となった九州南部などでも再び大雨となるおそれがあります。

地盤が緩み、川の堤防が傷んだ場所では災害の危険性が非常に高くなっていて、気象庁は土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重に警戒するよう呼びかけています。