ちよっと良い話かな | 呑気じじいのひとり言

呑気じじいのひとり言

不思議な時代になっちゃった!

先日、

東京で雪の降った日の事。


特別養護老人ホ─ムから総合病院へと移され、

もう一月以上になる入院してる認知症末期の妻を毎日見舞いに行っているのだが。

 


まずバスに乗り最寄りの駅へ。

そこから2駅だが、電車に乗り、

その駅で降りてまた別のバスに乗り換え、病院へ。
 

 

いつものルーティンワークなのだが、

その日は急に冷え込み、

突然降り出した雪のため行くのを止めにした。



夕方になって、
次男がやって来た。


雪で母さんの見舞いに行ってないだろうから、
連れて行くと。



彼は古い車に乗っていて、

ふと車のボディ後方に目をやると

ぶっつけたのか、ぶっつけられたのか、凹みがある。


それからは彼の話。


 
朝、

駐車してる車の処へ行くと、
フロントガラスに、紙がはられていた。

取って読むと・・・

午前○時○分頃、事故がありました。戻りましたら⭕⭕警察署まで連絡ください、
番号が○○─○○○○─○110
” とある。


何か俺やったのかな、

車が凹んでるから疑われたのかと、内心穏やかでいられない。


すぐ警察に電話すると、

朝、女性から110番があり、自転車をあなたの車にぶつけて傷つけてしまったと。



パトカーが確認に来たらしい。
 

 

車の持ち主が解らなかったので、

あなた(次男)の名前や住所、電話番号を先方に(彼女)教えてもいいかとのこと。


そんなことかと車をよく見ると、

確かに新しい傷があった。

 


そのあと、しばらくして、

先方から電話があったが、気がつかなかった、留守電に入っていたから。



『これから電話してみるよ、前からの凹んでいる所も直してもらえるかな?相当掛かるよ』

と別の部屋へ電話をかけに。


10分位して出て来た。
「どうだったの?」と聞くと、



「いやそれが、ものすごく暗い声で、

”申し訳ない直させてください”と言うから、


『自転車の保険に入っているのか』

と聞いたら入っていないと。

 

そこで考えたんだけど、
雪の中、そのまま逃げたって解らないのに、わざわざ110番に届けた行為に胸打たれるものがあり、
 

『良いですよ、前からも傷があったし』、と言うと、

彼女の沈んだ声が、いきなり数オクターブあがり、
”本当ですか!!”と。

 

『それより貴女はどうもなかったの?』と聞くと、

 

”前歯が2本折れました”

 

・・・だってさ」



相当ひどく滑ったのかな、と。



そんな次男からの報告を聞きながら、
今時、良い話じゃないかと思った。

 

 

 



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