土曜日の朝です。
5時に起床し,適当に身支度を調え,洗濯機を回したまま外出。
向かったのは,このところとても気に入っている場所。
朝7時から開店する,本屋と併設されたカフェ。
一番乗りでした。
午前中をここで過ごします。
鞄に詰め込んできたのは,「学科試験科目および範囲別厳選問題解説集」と「理論と実践」の2冊。
いずれもいかめしい本のタイトルに,腰が引けてしまいます。
試験前,本当にやるべきコトを先延ばしするクセは,いまだに直らず。
場所をかえて,気持ちを整えて見るも,スマホを触ったり,こうしてキーボードをたたいているわけです。
でも,意外にもこういう時こそ,いろいろなことに好奇心が湧いてきたり,没頭して何かに取り組んだり。
目的地に一直線に進まずに,寄り道,遠回りするからこそ,出会えることがあるのです。
19歳の頃の浪人生だったぼくは,予備校のあった十三というやや寂れた繁華街にあるパチンコ屋に入り浸っていました。
授業を終えてから向かうこともあれば,授業に向かわず直行直帰したことも。
パチンコ屋には必ず誰かしら予備校仲間がいて,勝てばおごり,負ければおごられ。
講習代やテキスト代として親からもらったお金がパチンコ台に吸われ,空っぽの財布をみては,破壊欲求が満たされている感覚を味わいました。
”破壊衝動とは,人間に様々な事柄が原因となって主に発作的に沸き起こる衝動であり、そこから物事を破壊したり暴れるといった行為を起こすという欲求に駆り立てられるという状態になる。
誰もがこのような衝動に駆られることはあるものの通常はそれを抑えられているがゆえに社会は平穏を維持できている訳であり、稀にこれが抑えられなくなって欲望の赴くままに行動してしまうことがある。
フロイト派のフランスの哲学者ジャック・ラカンの図式に従えば、人間は生まれた後に、超自我=規範をインストールされる。人間に固有の規定不能なエネルギー=エスが超自我によって型にはめられるように規範が形成されるのだ。もともと不定形なエネルギー=エスが定形化するということは必ず反作用を生む。この反作用が規範に対する破壊衝動として現出。ラカンはそうした反作用を享楽と捉えた。"(出典:Wikipedia)
そう,まさに自堕落的な享楽にふけったのでした。
大学受験を失敗し,通い始めた地方の私立大学にもなじめず,それでも受検という抑圧された状態から解放されると,わざわざ,途中下車して同じパチンコ屋を訪れても,あの時ほどの緊張感や連帯感,そして,享楽を味わうこともできず,喧噪と煙草の煙の中には,むなしさしだけが漂い…
以来,パチンコや競馬といったギャンブルに手を出すことはなくなりました。
人生がもし,A地点からB地点まで早くたどり着くことが目的だとしたら,生まれて死まで,最短距離を生き急ぐことになる。
さて,そろそろ,つぎは…
と,新刊本を手に取るわけです。
こうして,なかなか試験勉強は進まない。
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