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古いお墓からのメッセージ

古いお墓からのメッセージ②

 

 

 

 

 

 

777のサインを見て

呼ばれていることは分かったけど

それ以上は分からないまま

 

 

 

墓地に着き

 

 

車を降りて

お墓に向かいながら

 

 


他人のお墓に僕が立ち入ってもいいのか?

と少し戸惑いを感じながら

 

 

 

お墓の前に着いた瞬間に

 

『あぁ~』

 

と声にならない息が出た。

 

 

 

 

 

そこには、

イメージで見えたお墓のように

 

 

歴史を感じさせる

風格のある墓石が

2つ並んでいた。

 

 

 

やっぱりかぁ~ と

 

 

見えていたことが

確かだったことは分かり

 

 

 

凛とした冬の空気の中に

しばらく佇んでいた。

 

 

 

 

 

そうしてるうちに

お墓の手入れを初めてる姉さんに気付き

 

僕も落ち葉を集めだした。

 

 

 

 

他人の僕が立ち入っても良いのか?

と戸惑いがあったので

 

心の中で

名乗って

ご挨拶してみるも

 

 

とくに何か聞こえることはなく

 

 

ただ

とても大きなものに包まれてるような

安堵感を感じ

 

黙々と落ち葉を集めだした。

 

 

 

 

次第に

左側の墓石に近づき

 

 

手を動かしながら

改めてご挨拶をしてみるも

特に何も反応はなく

 

 

 


落ち葉を集めていると

 

 

 

 

 

 

『それ抜いて』

 

と言われ見てみると

 

 

少し長く伸びた雑草があって

言われた通りに抜ていると

 

 

 

 

『それも抜いて』

 

と言われて

 

 

「はい、抜きますね」

と別の雑草も抜いていった。

 

 

 

 

 

『そっちも』

 

と言われ

 

 

「それですね!?」

とまた別の草を抜いていった。

 

 

 

 

 

 

一見雑草に見える

小さな白い花が咲いてる草を

 

「これも抜きますね?」

 

と聞くと

 

『それは、いい(置いといて)』

 

 

と言われて

 

 

 

 

 

 

その瞬間

気が付いた

 

 

 

 

 

 

俺、

 

誰と話してる?

 

 

 

 

 

 

姉さんは、離れたとこで

黙々と掃除してはる

 

 

 

 

周りには、

誰もおらんけど・・・。

 

 

 

 

 

と顔を上げると

目の前には、

 

 

あの

左側の墓石がある。

 

 

 

 

 

 

左側のお墓に入っておられるのは・・・

 

 

 

 

おばあちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

はぁ~。

そぅかぁ。

 

 

 

 

 

これまでも

見えない存在と会話する事はあるから

驚くことはないけど

 

 

 

 

 

あまりにも自然で

 

あまりにも気軽で

 

あまりにも心地好かったので

 

 

会話の相手が誰なのか

全く意識してなかった。

 

 

 

 

まさか、

こんな事が自分に起こるなんて

思いもよらず

 

 

 

 

さすがに

手を止めて

改めて、ご挨拶をした。

 

 

 

いつも姉さんにお世話になってること

今日は、他人なのに呼んでいただいたこと

掃除までさせていただいてることに

お礼を伝えて

 

 

 

 

一つ聞いてみた。

 

 

 

「どうして、呼ばれたんですか?」

「もしかして、掃除のためですか(笑)?」

 

 

すると

 

『違うょ。掃除のためじゃないょ』

 

の言葉と同時に

 

大きな

大きな

優しさが伝わってきた。

 

 

 

 

それは、

姉さんへの愛情だと直ぐに分かった。

 

 

 

他人の僕が、こんな大きな愛情を

感じさせていただけたことに

幸せを感じた。

 

 

 

 

 

 

さらに

もう一つ聞いてみた

 

 

 

「姉さんの右腕、大丈夫ですか?」

「呼ばれたことと関係あるんですか?」

 

 

 

 

すると

 

 

 

『大丈夫だから』

とニッコリ笑っておられるのが分かった。

 

 

 

 

それでもぅ

僕のお役目は、終わったのが分かって

 

心地好く掃除をしながら

 

 

 

 

 

姉さんに

おばあちゃんが

どの草を抜いて欲しいかを伝えてこられて

気が付いたら会話してたことを伝えると

 

 

 

 

おばあちゃんが生きておられた頃

 

誰にでも

頼みごとが上手で

自然体で

周りからとても好かれていた方だったと

聞かせてくれて

 

 

なるほどなぁ~と

心がほっこりした。

 

 

 

 

 

花が供えられ

線香の香りが心地好く

綺麗に整ったお墓を

眺めながら

 

最後に

左側の墓石に手を合わさせていただき

感謝を伝えて

 

 

 

墓地をあとにした。

 

 

 

 

 

その後

寒空の下の作業に

冷えた体を温めるために

お茶をしながら

 

姉さんに

そう言えば、右腕の痛みはどうかを聞いてみた。

 

 

 

すると

 

 

 

墓石を綺麗にしてるうちに

気が付くと

痛みが楽になってたとのこと。

 

 

 

 

おばあちゃんの

『大丈夫だから』って

 

そう言うことだった(^^)

 

 

 

 

 

肉体があっても無くても

愛情って届くことを

改めて感じさせていただき

 

 

その場に居させていただき

 

 

おばあちゃん

姉さん

ありがとうございました。