アメの世話の途中でこの記事に出合った。

それまではまさに松本さんと同じことをしていた。

それからは、

アメの好きな場所に行かせるようにした。

 

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松本さんが風太と粉雪から教わったのは

「 命の終い方 」 だと言います。

猫って全部わかってますよね。

自分の命があとどれくらいで尽きるのかわかっていて、

そこに向けての準備も淡々とするんです。
風ちゃんはまだ肌寒い春先に亡くなったんですけど、

寒い所、寒い所に体を横たえるんです。

窓のすき間や居間の敷居など冷気が吹き込む場所に。

 

『 そんな寒い所にいたら、体温も下がるしダメだよ 』

って温かい場所に移動させたり、腹巻にカイロを

入れたりして温めようとすると、最後の力を振り絞る

ようにして抵抗しました

今思えば、少しでも楽に逝けるように、

自ら体を冷やすことで、体の機能を少しずつ

低下させていたのかも。

自分の意思で何度も振り払いました。

 

死に抵抗しようとするのは、

私たち人間だけかもしれません。
命の終い方に、正解も不正解もありません。

ただ、

動物の命の終い方に、学ぶことが多いのは事実です。

 

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あんなに抱っこが大好きでおひざ猫だったのに、

抱っこを嫌がり、暗く冷たい場所に行きたがった。

あまり近寄らなくなったのに、時々じっとわたしを

見つめていた。

耳が聞こえなくなっていたので手を動かしたが

ただじっとわたしを見ていた。

アメは何が言いたかったんだろうか。

 

アメが一番猫らしかったのかもしれない。

外に出たことのない、完全室内飼いだったが、

死に際に姿を消すという猫らしい猫だったのだ。

 

歩くのもままならない弱った足で暗いベッド下や

収納棚の奥によろつきながら行きたがった。

炬燵の部屋とベッドの部屋2カ所の押し入れも、

両端20センチくらい開けて、ストックルームも

開けっ放しにして出入り自由にしていたので、

死に場所を探しすように、あちこち出ては入った。

 

始めは、骨と皮の体で痛いのではないかと

柔らかい場所に移していたが、記事を読んで

アメが行きたい場所に行かせようと腹をくくった。

右に左によろつきながらも自分の意志で歩く姿に

思わず手を合わせて何度も泣いた。

 

アメが最期の日にいたのは、一番探しにくい

ベッドでふさがれた押し入れの隅だった。

 

 

 


 

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