テント(この子は本文内容とは関係ありません)

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ペットと暮らす

「アレルギーで手放します」で初めて泣いた【うさぎの譲渡に立会い】丸投げして見てただけの話

2018年11月20日

今日はアイキャッチ画像通り「うさぎ」さんのお話しです。

私は一応、小動物看護士及び介護士の有資格者なので、「うさぎ」という生体に関しても一般知識+α程度にはサラっとでも知っていなきゃいけないはずなのですが、恥ずかしながら「モフっとした可愛い生き物」くらいの認識しか無いです。

そんな所に「うさぎの里親さんを探している」という話が舞い込んできました。

「舞い込んできた」なんて言っちゃいましたけど、それは、超身近な人からの、「これ以上もうどうしてあげたら良いのか分からない」という悩み事の相談でした。

その人がウサギを飼っていたのは知っていました。

超絶可愛がっていたのを知っていました。

我が家にえるちゃんが来てくれた時期とちょうど同じくらいにお迎えした「夏ちゃん」。

うちの可愛いえるちゃんの可愛さ自慢にことごとく被せ気味に夏ちゃんの可愛さ自慢をしてきやがるから、本当によく知っていました。

ある時期からその飼い主さん本人について「あいつが大変そうだ」「あいつが大変な事になってる」という話を聞くようになりました。

私の所へ直接その話が来た時にはもう、頑張ってどうにかなる問題じゃない理由で手放さなきゃいけないって、「その覚悟を決めた」状態に至っていました。

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「アレルギーになったから手放します」で初めて泣いた話

保護活動なんてものをしていると、「アレルギーになっちゃったんで手放します」は、挨拶レベルで耳にします。

「お迎え前に家族全員がアレルギー検査をする」のはペットを飼う事に決めた人のもはや義務みたいなものだと思っていますが、それをしていても、アレルギーというのは突然なってしまうものだから、この理由が減る事は今後も無いと分かっています。

分かっているというか…

アレルギーで手放すと言いながら生体をキャリーにもいれずブラブラ直で抱えて持ち込んできたり、まだその後の報告をしている期間内(いた家でお預かりしている一か月位の間)に新しいペットをお迎えしたという投稿をSNSで見てしまったり等の「なんだかなぁ」が立て続けにあると

「アレルギーで手放す」という言葉にちょっと不信感を持ってしまったり…私はしてしまいます。

仕方ない…
舌をだして眠るフェレット
フェレット入手経路【いた家の内緒話】アレルギー検査やその後のこと全部を整えるのが「お迎えの準備」でも、アレルギーには突然なっちゃうから仕方ない!!

いたちのおうちに、このようなメールが届きました。 そこはペットの下取り(買い取りとか)とかしてますか? A. してません 失礼ですが、そちらにはどこからどんなフェレットがくるんですか?(略)条件が合え ...

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だから、「あいつが大変そうだ」の理由が「アレルギーになっちゃったらしい」って聞いた時、ほんの一瞬、ほんの一瞬だけですが少しモヤっとしたのは事実です。

でも、今回の立会いで、そんな自分をすごく恥ずかしく思ったし、今回の事があったから、これからはまたそんな風に思うことはもう無いかもなって思います。

今回の経験は保護活動者として原点に帰る良い機会になったんじゃないかな…なんて思ったりなんかもしています。

何も出来ないくせに中途半端に関わろうとするのは邪魔になるって事を知ってる…私は保護活動者だから

詳細は省きますが、私へきた話ではもう

「夏ちゃんを里子に出します。でも里親さん探しがなかなか…」って状態でした。

友人知人に声を掛け、いわゆるそういうサイトなども使って里親さん探しを続けていたようですが、ご縁が繋がらないままきてしまっていると…

その時点で私がした提案は「生体は私が責任を持って預かる(先を見付ける)から里親探しは自分で続けて下さい」です。

これは、いたちのおうちのやり方です。

「アレルギーで」というご相談の時には一番最初にこの提案をします。

これまで9割が「いえ、里親探しもそちらでお願いします」という形になっているだけで、本当はこれがいたちのおうちの基本なのです。

だから何も考えずに、ついいつもと同じ提案を先にしたまでは良いけれど、私にはうさぎさんの飼育経験がありません。

もちろん、いざとなった時には、私が必死で頑張る覚悟はその場でしましたが、出来たら、うさぎの飼育に慣れてる人にお願いしたいと思いました。

夏ちゃんだってその方が良いに決まっています。

だから、うさぎの飼育経験がある友人知人に連絡をしました。

友達
友達
里親さんが必ず見付けられるなら良いけどあんまり長くは…

大体、皆こんな感じでした。

至極まっとうな返事です。

それまでの間、見つけられずにきているのに、そこから簡単にご縁が見つけられるとは思えませんからね。

何件かそんなやり取りをしている途中から、「これは私(のやり方)じゃ無理だな」って分かりました。

だから、本職さんを頼る事にしました。

うさぎの保護活動者「テント」さん(中の人は「うさぎ作家」)

詳細は文末で

テントさんはペットホテルも経営しています。

だから、経緯を話し、里親さんが見つかるまでそちらで(ペットホテルのお客として)お世話をお願いする事はできませんか?というご相談をさせて頂きました。

「そういう事情なら、ホテルのご利用では無く(他の方にお声がけされたように)実費のみの負担でお預かりします。」って言ってくれて有り難かったです。

「テントさん」だなんて堅苦しい呼び方しちゃってますけど、中の人とは同業者(動物取扱責任者)仲間という事もあり、親しくお付き合いをさせて頂いています。

ニョロリストでもあるしね♪スン
える
える

そしてそこから、里親探しの難しさというか「うさぎ界にはうさぎ界のそれがある」みたいな事を教えてもらい、フェレットとうさぎのそれでは違うという事より、これはもう、お互いが保護活動者として「個人レベルでそのやり方が違う」って事が分かりました。

なので、その場でテントさんに生体のお世話も里親さん探しも全部頼らせてもらう事にしました。

任せられる!お願いする!と決めたら素直に従う(主従関係をハッキリさせる)=「丸投げする」のが生体のためです。

ゴチャゴチャ言うなら自分でやる。

出来ないなら口を出さない。

これは保護活動の基本です。

じゃあ、いついつにどうしましょうという話をしている段階で「里親候補者さんが見つかりました。」という連絡がきたのには驚きましたが、「流石だな。頼って良かった」って心から思いました。

「譲渡の日まで自分でお世話がしたい」と言いだした

これもまた保護活動あるあるなのですが、活動者というのは「話が二転三転する」のを最も嫌います。

もちろん、自分たちが振り回されるからというのも少なからずはありますが、そんな事より何よりも、そうなった時に生体が宙ぶらりんの状態になるのが怖いんです。

だから今回、

「その日(里親候補者さんとのお見合いの日)まで、夏ちゃんのお世話を続けたい」と本人が言っているとテントさんに伝えたら、活動者なら誰でもが一番に返すであろう言葉が返ってきました。

「本当に里子に出す気はあるの?」

これには、

本当に手放さなきゃいけない状態なのか?(アレルギーなのは本当なのか?)っていう意味ももちろん入っていたと思います。

私も何度か経験がありますが、直前になって「やっぱり里子に出すのを止める」と言いだす人はたまにいます。

アレルギーが理由だったはずでも、引越し先に連れて行けないのが理由だったとしても、そういう人は「やっぱり飼えるようになったから」って言います。

そういう時の応対はそれぞれの保護活動者によって違いますが、私は、飼い続けられるようになった(飼い主さんと離れずに済む)という事は『その子にとって』一番良い事だと思うので、「良かったですね。ずっと一緒にいてあげて下さいね」って言うに留めますが、本音は…まぁ(略

もちろん、「そういう人はまたちょっと何かあったら同じことをする。」として「どんな手を使ってでも、どんなに時間がかかっても、一度そういう話がきた以上、必ず説得してこちらに渡してもらう」という活動者さんもおられます。

もうこれは、何が正解だとかそんな話ではなく、これが保護活動者「それぞれの考え方・やり方(やってる事)」ってだけのお話しです。

対応はどうであれ、そういう事を少なからず経験してきているのが私たち保護活動者ですから、夏ちゃんの飼い主さんが「そういう事を言いだすのではないか?(アレルギーっていうのは嘘なんじゃないか)」みたいに思われるのは仕方が無い事です。

ただ私はリアルな知人である彼が「そういう人」では無いことを知っています。

ここまで散々、保護活動者としてだなんてあーだこーだと偉そうに能書きを書いてきた通り、その時に私がとるべき行動は分かっていました。

でも、その時の私は結局、「友達として」「友達に」という完全なる公私混同で「そうさせてあげたい」とテントさんに言いました。

「分かりました。ではそうしましょう。ただ、アレルギーは本当につらいから!知ってるとは思うけど死ぬ事もあるからね。きつかったらいつでも連れてきて良いって伝えておいて下さいね」って言ってくれたのは本当に有り難かったです。

「それまでの時間」が見えて初めて出来ること

とはいえ、やっぱり心のどこかで「自分でお世話できるなら…」って気持ちはありました。

疑ってるとかじゃなくて、どうにかしたら「ずっと一緒にいられる方法があるんじゃないか」って気持ちです。

ですが、「それは無理だと思う。あいつ自身は見てるだけできつそうだから。ただ、お子さんに最後の時間を過ごさせてあげたいって気持ちだと思うよ。お子さんはアレルギーじゃないしお別れを理解してもらうにはまだ丁寧に時間をかけてあげなきゃいけない年齢だし」って周りから聞いて納得しました。

そうか…

いつまでって時間が決まってるから出来る…期限があるからこそ出来る、一緒にいる時間の過ごし方ってあるもんな…

アレルギーで手放すのは「自分がキツイから」じゃなかった…

譲渡の立会い人はテントさんに任せているので、私は単なる付き添いですが、当日は私も一緒に行きました。

お子さんも一緒に来てました。

その車の中で、この話がきてから初めてゆっくり顔をあわせて話しをしました。

夏ちゃんをどれだけ大切にしてきたかも

夏ちゃんが本当に大切だってことも

直接そんな風には言わないけど痛いほど分かりました。

アレルギーになって、触れなくなっちゃって、それまでしてあげられた事、毎日当たり前にしてきた「大好きだよ」が出来なくなってしまった事…

それは誰にだって、私にだって、起きうる事だから…

そんな風に思いながら話を聞いていたから、彼の

「こんな風にしか触れ合えなくなっちゃって、ごめんなって思いながら、お世話をしている事がもう、夏ちゃんにとって楽しい環境のはずがないよねって嫁さんと話し合った」って言葉が胸に刺さりました。

「夏ちゃんに申し訳なくて…」

これまで散々経験してきていつの間にか「アレルギーで手放す」という行為を(致し方無い事だとは分かったうえで)『こちら』側の都合としか捉えられなくなっていた私には太過ぎる大きな大きな棘として刺さりました。

経験則からくるそのおごった自分のそれが恥ずかしかったです。

「そうか…。でも、じゃあ、これからはまたいっぱい触れ合ってくれる素敵な飼い主さんのお家で楽しく幸せに暮らせるね」って、それしか言えませんでした。

夏ちゃんが繋いでくれたずっと続くご縁

駐車場に停めた車から夏ちゃんのキャリーはお子さんが、その他の荷物は彼がお店まで運んだのですが、その時点で彼の目は真っ赤でした。

それがアレルギーでなのか、もうすぐお別れだからなのかは分かりませんでしたが、看板うさちゃんが奥にたくさんいるテントさんの店内に入った途端、彼の角膜がみるみるうちにブヨブヨになっていく(アレルギーの症状の1つです)のを目の当たりにしました。

「ちょ…ひどくないですか?そこまでって本当ヤバいって、お話しは外でしましょう」というテントさんに彼は「大丈夫です。ここでこのまま続けさせて下さい」って言っていました。

私はお子さんと遊んでいたのでその内容は分かりませんが、そこへ現れた里親さんは、想像していたよりずっと若くとっても可愛らしいチャーミングな今時のお嬢さんでした。

大き目のペットカートを持参されてはいましたが、「電車でここまで来ました」と。

そこだけちょっと確認不足だったのですが、彼は夏ちゃんに持たせてあげるためにあれもこれもとお嫁入り道具を結構な量で持参していまして…

カートから既にはみ出ているのにニコニコしながら「これくらいなら前にも運んだことあるから大丈夫です」ってまだ詰め込もうとするその可愛らしい里親さんに「頼もしいな、この方なら任せられる」とは思いましたが、

私:「雨降りそうだし無理だって…ここから宅急便で送る手続きをしてもらいましょう。テントさん、それってお願いできますよね?」

テント:「よし、じゃあ今日はもう店閉めよう!うちが車だした方が早いし!」

アタチはなこ
アタチはなこ
(会話になってねぇ…)

そう言えば、テントさんったら、以前、遺棄されたと思われるウサギの目撃情報を見て「保護に向かうため」を理由に何日もお店を閉めたりしてたっけなぁ…

さすけ
さすけ
いたちのおうちがフェレット最優先なのと同じように
テントさんもウサギが最優先なんですぞ
わさび
わさび

もちろんそこは「自分が送らせてもらいます」って事で、元親さんが里親さんをお家までお送りする車に私も便乗していたわけですが、その道中で

「あまり考えたくない事ですが、必ずそういう時はくるから…この先、夏ちゃんが体調を崩したとかもしもの時には連絡頂いたりする事って出来ますか?」って、さっき見たアレルギーとは違う感じに、でもまた赤くなってる目をした元親さんが絞り出すように言葉を発したら

「あぁ!!もちろんっ!もちろん!そうじゃなくても、たまに会いに来てもらうのとか全然良いですし♪」って…

「里子の譲渡」は素敵なこと!

もう長くなってきたからあれですけど、知り合いだからって事を抜きにしても元親さんはすごく「普通の感覚」を持った常識ある人でした。

里親さんはすっごく可愛くて性格も底抜けに明るくてとてもとても良い子でした。

テントさんは相変わらずウサギバカ(親バカ的な意味で)でした。

そんな中で行われた「里子の譲渡」に立ち会って、最近ちょっと色々ありすぎたからって、自分が一般的な感覚(本来そうあるべき当たり前の思考)から少しずつ外れはじめている事にも気付いていなかったんだなって分かりました。

世間一般で思われがちな「保護活動とかしてる人って~」の典型、いわゆる『偏った保護活動者』になりかけてたなって反省しました。

保護活動者だからって名目で少し過敏になってた、アレルギーになったからという理由に対して持つそれを「ダメだよ」って教えてくれたのは他でもない夏ちゃんです。

夏ちゃん、ありがとう。

最近では「アレルギーになっちゃったから」というお話しを聞くと少し「嘘じゃないかな…」って思っちゃったりした事も多くなってきてたけど、これからはもう、そんな風に思うのは止めるね!心からちゃんと心配できる人になりたいし、

いたちのおうちはもっともっと安心して任せてもらえる場所であり続けられるように頑張るね!

最後に…

今回、大変お世話になったテントさんのご紹介

ありがとうございました。

夏ちゃんの幸せがこれからもずっとずっと続きますように☆彡

 

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