あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第十四章

2020-01-18 22:20:45 | 随筆(小説)
対岸の美しい球体の、雪でできた岩石、エホバ。
あなたの聖名が永遠に賛美され、あなたのエデンが永遠に、つづきますように。
アイスハグ兄弟は、何かを知っているのでしょうか。イエスでさえ、”その”ときをだれも知らないのだと言いました。
でもアイスハグ兄弟は今日の講演で、”その”日は、本当にすぐそこまで来ている。と、いつにない深刻な表情で言いました。
そして偽りの宗教はすべて、つまりエホバの証人以外の宗教のすべてが、滅ぼされるのだと言われました。
何が本当で、何が偽りであるのか、アイスハグ兄弟はわかっておられるのです。
わたしは彼らのすべてが不完全であるのを知っていますが、彼らのほとんどは、わたしの不完全さがどうやら気に入らないようです。
聖書レッスンを中断された日から、段々とわたしに挨拶すら掛けない人が増えてきています。
彼らはわたしを目には見えない透明な存在として、自分の視界から、消し去っているようです。
アイスハグ兄弟も、今日ほとんどわたしと目を合わせてもくれませんでした。
彼らは意識的に、わたしを”無い者”としたいのです。
あなたに背く存在はいずれ滅ぼされる存在ですから、それなら今のうちから、存在を亡き者として、抹消したいのです。
彼らは純粋で、不潔です。
サタンの血の沼に足先を浸けていることに気づいてもいません。
わたしは彼らの愚かさをゲヘナに投げ入れる為、重い身体を引き摺り、蛇のように灰を喰らいながら子羊たちのと殺(屠畜)場の血の溜まった水槽のなかに、救いを見いだす為、堪え難い苦しみと孤独を齎す人々の無関心に穢れた神殿にいなくてはなりませんでした。
ハルマゲドンはもうすぐそこだと言うのに、彼らは未だ兄弟(動物)を拷問にかけて殺し、その死体を喰らって神の宿る神殿(魂と肉体)を穢れた血で穢しつづけています。
こんな日々が永遠につづくというならばすべてを滅ぼし、わたしも滅びたい。
あなたの楽園で、このすべてが忘れ去られるのならば今すべてをわたしは滅ぼし去り、あなたと共に退屈な日常を永久に繰り返しつづけたい。
何の憎しみも苦しみも悲しみもない代わりに、何の喜びも、愛おしさも愛も、ないのです。
そのような世界はあなたと、あの人達に差し上げる。
わたしは要らない。
わたしの母を、わたしは見捨てる。
わたしは最早、あなたを必要とはしない。
わたしはあなたよりもわたしを愛する母(あなた)を見つけた。
あなたは今死んでおり、生きていないが、わたしが必ず、あなたをこの腐敗した子宮から産み、あなたをすべてを真に救いつづける神として、息をさせる。
わたしは消滅し、わたしの夢だけが、生き残りつづける宇宙で。




















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