先日(8月7日)、夕方からの会議のため東京へ出張しました。一日出張が認められた私は、早朝の新幹線で上京し、上野東京ラインで上野まで行きました。
上野公園の美術館/博物館ではいつも何がしかの魅力的な展覧会をやっています。
上野の森をブラブラすると、上野が日本の芸術の中心であることが実感されます。
この日、行ったのは東京藝術大学美術館です。途中、奏楽堂前を通ります。
そして美術館です。
この日私が行ったのは8月3日に開催されたばかりの「円山応挙から近代京都美術画壇へ」という、円山派・四条派の作品を集めた展覧会です。
行き当たりばったりだったので、前売り券等は買ってなく、上野駅構内にあるエキュートのチケット売り場で当日券を買っていきました。美術館で並ぶ必要がありませんから。
美術館に着いたのは9時45分頃で、開館直前でしたが、あまりにも暑い日だったせいか、開館待ちの人はそう多くありませんでした。美術館の係員は「今日は暑い日ですから。」と言って、9時50分に入口のドアを開けてくれました。ただし、展示室に入ることができたのは10時からでした。それでも、暑い館外で待つよりはよほど快適でした。
この展覧会では123点が前期と後期に分けて展示され、私が行った時には約半分の62点が展示されていました。開催間もない頃だったせいか、入場者はそれ程多くありませんでしたが、正午頃からは目に見えて増えてきました。東京の人か遠方からの人かはわかりませんが・・・
円山応挙は写生画で名をなしのですが、中でも、「写生図鑑」はまさに「図鑑」でした。昆虫図鑑も描いてくれればよかったのに(笑)。
「江口君図」のような美人画も描いていて、上村松園の美人画にもつながっているようです。
圧巻は何と言っても展示室入って最初のコーナーにある「松に孔雀図」です。金地に墨一色で描かれたこの図ですが、光によって松葉は緑に、幹は茶系の色に、孔雀の羽は青色にすら見えます。近寄ってじっと見ると、確かにグラデーションはあるものの、モノトーンです。
この絵が描かれた時代の採光は基本的に自然光ですので、それをも計算に入れた、見事な技術だと思いました。これが、応挙が亡くなるわずか3か月前に描かれたというのも驚嘆です。
もちろん、この展覧会では円山応挙の作品だけが展示されているわけではありません。
東京、福井、愛知、滋賀、京都、奈良等々から結集した与謝蕪村、呉春、長沢芦雪、山元春挙、上村松園といった、円山・四条派から連なる近世、近代の画家の作品が満載です。
この展覧会の前期は9月1日までで、9月3日からは後期になり、9月29日まで開催されています。機会があれば後期も行きたいのですが、その頃には他会場で別の展覧会もありそうです。
東京藝術大学美術館の後は11月2日から12月15日まで京都国立近代美術館で開催されます。
※9月1日追記:
今朝のEテレ、日曜美術館のアートシーンで、7月に行ったマリアノ・フォルチュニ展とともに紹介されました。これから入場者が増えることは間違いなさそうです。奇しくも前期は今日まで。明後日から後期です。
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