フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

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宝石観察用の偏光ルーペ

2020-11-22 10:00:00 | 宝石

偏光顕微鏡もどき・・・のルーペ

 鑑定書なしの宝石、原石ルースがけっこうあるのでそれを偏光グラスで見てみようと、偏光ガラスプレートを作ってみました。最初に2mmのガラスプレートを用意して、縁はガラス切りで切りっぱなしの状態で危険なので、ダイヤモンドヤスリで研磨します。

 強く削ると角が欠けてしまうので、軟らかくソフトに何度も研磨し滑らかにします。

 ヤスリの目が粗かったためか、縁が欠けてしまっています。中砥仕上砥の砥石で砥ぐことにします。

だいぶ滑らかになったような・・・

 ガラスプレートに偏光シートを貼り付けます。

 二枚のシートの偏光方向を平行にすると光を透過し、直角にすると遮断します。しっかり偏光されています。

 偏光顕微鏡の構造は観察する対象物に下から光を当てて、その前後に偏光板を設置します。ライトボックスの上に作った偏光板を1枚のせて、その上にコの字型のルーペを置いてその上にもう一枚の偏光板をのせます。観察する宝石をルーペの枠の中に置きます。

 

 偏光板の偏光方向を直角にして下からの光を遮断し、石の偏光作用で光った宝石を観察します。偏光作用の無いガラスなどでは、対象物が光らず見えません。
 少なくともガラス玉w…ではないようです。

 サファイアとルビーです。石の置く方向を90度変えて観察してみます。光の強さが部分的に少し変わります。石が結晶していて偏光作用があるようです。
 サファイアとルビーは全く同じ鉱物で、含まれる不純物の違いで青と赤の異なる発色をします。両方とも「へき開」はないのですが、やはり結晶方向には割れやすいです。その方向にわずかな隙間があればより大きな偏光がみられるのでしょうが、サファイアもルビーもへき開度がほとんどないので、虹色に輝くようには見えません。へき開度が完全な、例えばダイヤモンドなどは、偏光フィルターを通して見ると石が虹色に輝いて見えるのでしょう。

天然のレッドスピネルです。

 カットされていないレッドスピネル、一方向の偏光ではあまり光が透過していないようなのに、2方向クロスの偏光では、鮮やかな深紅の透過光が見られます。

合成のブルーグリーンスピネルです。

 一方向の偏光ではガラス玉のように見えますが、2枚の偏光フィルターの間に置くと緑の蛍光に輝いて見えます。合成の石なので不純物やヒビなど無くて、大変きれいです。

 左の写真、これは天然のブルーサファイアです。きれいな石なので合成のようにも見えますが、ルーペで確認してみるとヒビや不純物、気泡などがあって、天然のサファイアですね。右の写真、左のサファイアと下はグリーントルマリンです。(気泡があるのは、含侵があるということなのですが、天然の石に染料の含侵があるということだと思います。)

 偏光フィルターを通して見ます。

 石を斜めに置くと光の透過量が、まったく変わりますね。明らかに偏光しています。光が偏光されるからといって本物のサファイア、トルマリンとは言えないかもしれませんが、少なくとも結晶構造は持っているということですね。たぶん本物ですね。安く手に入れた石ばかりなので、本物かどうかそればかりが気になってw…

 10ctある大玉の合成ルビーです。大きすぎてちょっと上品さには欠けますが、かなり赤い色をしています。

 石を縦、横に置いて見え方を比べてみます。光は透過して赤紫の蛍光ですね。

続いて、石を斜めに置いてみます。

 偏向して暗く見えます。しっかり結晶していますね。色も写真では赤紫色に見えますが、実際はもっと赤いピジョンブラッドです。オーバルファセットカットされているので、前面から入った光が内部で全反射されて入射した面に戻ってきます。

 手作りの偏光顕微鏡(ルーペ)、なかなか優れものですねw…

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