ネオリベの狙いは貧困層を貧困にしておくこと。それで彼らをただの金づるとする。 | ずるずると道・郷・話を愛でる

ずるずると道・郷・話を愛でる

房総半島から栃木県北部を中心として、
街と街を結ぶ県道・国道・峠道を巡回しながら、
持続可能で成長する日本の未来の為に成すべき事を考えます。
日々の個人的な興味について書くこともあります。

菅政権の支持率が高くなっているという。そういえば、このブログでも先日書いた動画の中でも、名誉教授をなのるネトウヨ老人が安倍安倍いって大丈夫ですか、と周りが心配しても全く聞く耳を持たない始末である。どこかに、憲法改正すればそれで万事解決ということを言っていた文芸評論家もいたような。できもしてないことでぬか喜びするのはさすがに、人生の先輩といえども尊敬の対象にはならないだろう。

 

 

最近、竹中平蔵がネオリベの王道としてのベーシックインカムを訴えている。すなわち、すべての社会保障を廃止するという話を盛んに喧伝している。すなわち、7万円を国民全員に毎月配る、その代わりに年金、生活保護などを廃止するというものだ。社会保障はこれだけでない。いろいろな補助金やら国民健康保険なども含まれる可能性がある。ネオリベの王道であるところの、政府の国民に対する支出を最小限にし、政商に有利になるようなビジネスだけにカネを回すという、竹中平蔵の弟子筋である高橋洋一の政策工房がやっているようなことを政府が進めるというのが、ネオリベ、新自由主義の考え方である。

 

自由主義であれば、本当に政府が何の世話もなく、弱肉強食で強いものが相鳥の世界を目指す。ただし、既存の規制などの存在を明確に否定しないため、それによる歯止めはある。それに対して、新自由主義は、「ネオ」の部分が規制すら緩和するということまで含める。要するに、慣習的に自由の行き過ぎを抑制している必要な規制すらも、政府にカネの力で圧力をかけることで、解体し、商人の有利なような状況を作り出すというものである。よりずる賢い弱肉強食な世界をイメージしているのである。

 

そのような「新自由主義」の観点で竹中平蔵はこんなことをぶち上げているのだ。しかもこのタイミングで言っているのは、安倍政権が行った「10万円給付」とわざとイメージをかぶらせて「いいことのイメージを植え付ける」という作戦なのである。「10万円給付」は別に社会保障の廃止を伴っておらず全く性質の異なることであろう。ベーシックインカムという言葉を前面に打ち出している関係で、世間的にベーシックインカムといえば、竹中平蔵方式のものだというイメージが一気に流布したと思われる。

 

この社会保障を廃止して、たった月7万で安くあげようというのが真の狙いであり、貧困層が貧困から抜けられるはずもない。これと同時上げられている、デービッドアトキンソンの「最低賃金上昇」と中小企業の大幅淘汰という、日本の技術力のコアエンジンを破壊するという、アメリカが日本を恐れている心がいまだにドライブを聞かせているかのような提案と合わせると、分厚い中間層の復活を回避させることと技術力の消失で、日本を国力のない三等国に貶める結果しか考えられない。これを運命とか言って受け入れていると、一部のカネの余裕のあるもの以外は、その日暮らしの生活になってしまい、文化を醸成する余裕もなくなる。維新創設者の橋下徹が文楽や狂言を全く理解できなかったように、拝金的な考え方に染まって、社会をさらに脆弱にしてしまうのである。ただの殺伐とした何の影響力もない島国になってしまうのだ。価値観は、周辺国の薄っぺらいものに貶められるのだ。

 

何も考えないで現状を受けれることはすでに、衰退と退廃の道を無修正に驀進することと同意であることを改めて認識せねばならないだろう。