人間ドック学会の検査表の見方を参照に、健康診断の主な検査値の基準範囲を見ていきましょう。

▼身体計測

BMI値

[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出し、肥満度を判定します。BMI25kg/m2を超えると生活習慣病のリスクが2倍以上になるとされています。

  要注意 基準範囲 要注意
体格指数
(BMI)
18.4以下
(低体重)
18.5~24.9 25.0以上
(肥満)

(単位 kg/m2
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

▼血圧検査

血圧

心臓が収縮したときの血圧が収縮期血圧で、上の血圧と呼ばれることもあります。一方、心臓が拡張しているときの血圧が拡張期血圧で、下の血圧と呼ばれることもあります。血圧は、食塩の過剰摂取・肥満・飲酒・運動不足・ストレス・遺伝的体質などにより上昇する場合と、甲状腺や副腎などの病気により上昇する場合があります。

  基準範囲 要注意 異常
血圧 収縮期血圧 129以下 130~159 160以上
拡張期血圧 84以下 85~99 100以上

(単位 mm Hg ミリメートルマーキュリー)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

▼血液検査(糖代謝)

糖(グルコース)は生体に最も重要なエネルギー源です。通常、血液中の糖(グルコース)の濃度(血糖値)はインスリンというホルモンなどの働きにより一定の範囲に保たれています。血糖値の高い状態を放置すると、脳卒中や心臓病(脳・心血管疾患)や網膜症、腎臓病などを引き起こします。

血糖値(FPG)

インスリンの分泌量が減少したり、インスリンの働きが低下したりすると血糖値が高くなります。その原因として、遺伝や食べ過ぎ・運動不足・ストレスなど生活習慣の乱れや加齢などが考えられています。血糖値は通常、食後に一時的に上昇し、食間や夜間は正常域に保たれます。空腹時血糖値(FPG)は食事から10時間以上あけて測定します。

基準範囲 要注意 異常
99以下 100~125 126以上

(単位 mg/dL)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

HbA1c

ヘモグロビンにグルコースが結合した糖化ヘモグロビンが血液中に占める割合を示します。血糖値が高い状態が続くと増加します。過去2ヵ月前の平均血糖値が反映されます。

基準範囲 要注意 異常
5.5以下 5.6~6.4 6.5以上

(単位 %)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

▼血液検査(脂質)

血液中に含まれる脂質には、コレステロールや中性脂肪などがあります。コレステロールは、細胞膜の成分になったり、ホルモンやビタミンD、胆汁酸の原料となったりします。コレステロールは肝臓で合成されるものと食事から摂取されるものがあります。血液中ではリポたんぱく(lipoprotein)として存在しています。

HDLコレステロール

体内で不要となったコレステロールを回収して肝臓に運ぶのがHDL(high density lipoprotein)で、これに含まれるのがHDLコレステロールです。善玉コレステロールとして知られています。喫煙や運動不足のほか、栄養不足・体力の消耗が激しい状態でも低下します。

異常 要注意 基準範囲
34以下 35~39 40以上

(単位 mg/dL)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

LDLコレステロール

肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶのがLDL(low density lipoprotein)で、この中に含まれるのがLDLコレステロールです。血液中のLDLコレステロールが増えると血管壁に蓄積し、動脈硬化の原因となるため、悪玉コレステロールとも呼ばれています。肝臓での合成増加、食事からの過剰な脂質摂取、ホルモンバランスの変化などにより、血液中のLDLコレステロールが増加します。

異常 基準範囲 要注意 異常
59以下 60~119以下 120~179 180以上

(単位 mg/dL)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

中性脂肪(トリグリセリド、TG)

食品中の脂質や体脂肪の大部分を占めています。中性脂肪は重要なエネルギー源ですが、摂りすぎると体脂肪として蓄えられて肥満につながります。メタボリックシンドロームの状態では値が高くなります。

異常 基準範囲 要注意 異常
29以下 30~149 150~499 500以上

(単位 mg/dL)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

Non-HDLコレステロール

総コレステロールからHDLコレステロールを引いた「差」で、HDLコレステロール以外のすべてのコレステロールを表します。この数値は、動脈硬化などのリスク指標と考えられています。

異常 基準範囲 要注意 異常
89以下 90~149 150~209 210以上

(単位 mg/dL)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

▼血液検査(尿酸代謝)

細胞の核に存在する「核酸」やエネルギーの原料となるプリン体が代謝されて、尿酸となります。プリン体には、肝臓で合成されるものと、食事から摂取されるものがあります。プリン体はすべての生物の細胞に含まれており、一般的に細胞の数が多い食品に多く含まれています。

尿酸値(UA)

尿酸は体内では7.0mg/dLを超えると結晶化しやすくなり、関節内に沈着して関節炎を引き起こすことがあります(痛風発作・腎機能障害・尿路結石など)。また、血清尿酸値が高くなると生活習慣病のリスクが高くなることが知られています。

要注意 基準範囲 要注意 異常
2.0以下 2.1~7.0 7.1~8.9 9.0以上

(単位 mg/dL)
※将来、脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲

▼血液検査(肝機能)

肝臓が健全に働いているかどうかは、肝機能を調べる血液検査で分かります。肝機能を調べる血液検査項目はたくさんありますが、健康診断を含めて、もっとも広く行われている基本の検査はALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPなどです。

AST(GOT)、ALT(GPT)

肝細胞で作られるアミノ酸の合成や分解にかかわる酵素です。肝細胞に障害が起こっている場合、検査値が高くなります。AST(GOT)は肝臓のほか、骨格筋や心筋、腎臓、赤血球などにも存在しているため、これらの臓器に障害が起こった場合も上昇することがあります。一方、ALT(GPT)は肝臓、腎臓、心筋などに存在していますが、肝臓の病気をよく反映する数値と考えられています。

  基準範囲 要注意 異常
AST 30以下 31~50 51以上
ALT 30以下 31~50 51以上

(単位 U/L ユニットパーリットル)

γ-GTP

γ-GTPは、抗酸化物質グルタチオンを分解する酵素です。グルタチオンは活性酸素を消去したり異物を解毒したり生体に好ましい働きがあります。肝臓のほか、腎臓、膵臓などにも存在していますが、血液検査におけるγ-GTP値の変化は、主に肝臓に起因すると考えられています。アルコールや薬剤の影響を受けます。また、肝・胆道の病気でも上昇します。

総たんぱく

血液中に含まれているすべてのたんぱく質の量を表します。主にアルブミンとγ-グロブリンで構成されています。高値の場合は主にγ-グロブリンが増加しており、低値の場合はアルブミンが減少していると考えられます。

異常 要注意 基準範囲 要注意 異常
6.1以下 6.2~6.4 6.5~7.9 8.0~8.3 8.4以上

(単位 g/dL)

アルブミン

血液中に最も多く含まれているたんぱく質です。肝臓で合成されるため、肝機能の評価に用いられます。そのほか、腎臓の機能が低下した場合や低栄養状態でも減少します。

基準範囲 要注意 異常
3.9以上 3.7~3.8 3.6以下

(単位 g/dL)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼腎機能検査

腎臓の働きは、血液から老廃物や塩分などをろ過して尿として排泄することです。老廃物などのろ過は、腎臓の糸球体で行われます。
腎臓の機能は、「老廃物を濾過する力」で評価します。

クレアチニン(Cr)

筋肉に含まれているたんぱく質の老廃物です。筋肉量に比例するため、女性に比べ男性は高くなります。クレアチニンは腎臓でろ過されて尿として体の外に排出されます。しかし、腎機能が低下すると体外に尿として排出される量が減少し、血液中のクレアチニンが増加します。つまり、腎機能が低下すると数値が上昇します。

  基準範囲 要注意 異常
男性 1.00以下 1.01~1.29 1.3以上
女性 0.70以下 0.71~0.99 1.0以上

(単位 g/dL)

eGFR(推定糸球体ろ過量、estimated glomerular filtration rate)

糸球体が老廃物を尿へ排出する能力を反映します。クレアチニン値は筋肉量に影響を受けるため、血液中のクレアチニン値を年齢、性別で補正して算出された値です。クレアチニン値とは逆に、腎機能が低下すると値が低下します。

基準範囲 要注意 異常
60.0以上 45.0~59.9 44.9以下

(単位 mL/分/1.73m2による)

▼尿検査

腎臓病は無症状のことがほとんどなので、尿検査は非常に重要な情報を与えてくれます。
健診で行われる尿検査では、尿たんぱく、尿潜血、尿糖などがわかります。それぞれ蛋白質、赤血球、糖分を検出しますが、これらは体に必要なものですので、通常尿に出てくることはありません。なんらかの問題があったときに尿から検出されることになります。

尿たんぱく

慢性腎臓病を早期発見するためには、検診時の尿検査が欠かせません。腎機能が低下すると尿中にたんぱく質が多く排出されますが、運動時・発熱時など一時的で病的意義のない良性のものと、病的なものがあります。

基準値 要注意 異常
陰性(-) (+)(±) (+2以上)

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▼呼吸機能検査

WHO(世界保健機関)では、生活習慣病や慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含め、生活習慣の改善により予防可能な疾患をまとめてNCDs(非感染性疾患)として位置づけています。呼吸機能検査では、息を吸う力や吐く力などを調べます。

肺活量

ゆっくりと呼吸して、息を最後まで吐き切ったところから、胸いっぱい息を吸い込んだところまでの、空気を吸える量のことです。性別、年齢、身長から算出された予測肺活量に対して何%かを調べます。肺が硬くなっていたり、胸が変形していたり、肺の容積が小さくなっている場合に低下します。

基準範囲 異常
80.0以上 79.9以下

(単位 %)

1秒率

息を胸いっぱいに吸い込んでから勢いよく吐き出したとき、最初の1秒間に吐き出せた空気の割合です。低下している場合、気道が狭くなっていることが考えられます。

基準範囲 異常
70.0以上 69.9以下

(単位 %)

▼眼科検査

視力

裸眼視力またはコンタクトレンズや眼鏡を使用した矯正視力を測定します。視力計を用いて片目ずつ行います。眼の病気がないのに裸眼視力が0.7未満の場合は近視・乱視が考えられます。

基準範囲 要注意 異常
1.0以上 0.7~0.9 0.6以下

▼聴力検査

聴力

左右それぞれの耳に対し、1000Hz(低音域)と4000Hz(高音域)について、30dB以下の音が聞こえるかを調べます。加齢とともに高音域の音から徐々に聴力が低下します。
年齢とともに4000Hzの聴力は低下しますので、高齢者では40dB程度聞こえれば異常なしと判定されることもあります。

  基準範囲 要注意 異常
1000HZ 30dB以下 35dB 40dB以上
4000HZ 30dB以下 35dB 40dB以上

(単位 dB デシベル)

 

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