キルシェクリニックは相変わらず多くの脂肪吸引のご相談と施術依頼をいただいております。相談枠は全く足りておらず、施術枠についても今よりも依頼のペースが増えると枠が足りなくなるギリギリの状態です。
そんな脂肪吸引で困っていることがいくつかあり、今回はそれについて書きたいと思います。かなり大切な内容ですので、当院で脂肪吸引を検討されている患者さんにおかれましては、必ずお読みいただければと思います。

今回伝えたいことを簡潔にまとめると、
「安全な医療を提供するためにお願いしているルールを平気で破る人が増えている」
ということになります。

それでは、具体的に問題となっている内容を見ていきましょう。


・太ももの脂肪吸引後の圧迫で、3日間は外さないでほしいとお願いしているのに、トイレの際に外している人がいる
・お顔の脂肪吸引の後の圧迫で、帰り道も含めて24時間は外さないでほしいとお願いしているのに、クリニックを出た直後の帰り道から外している人がいる

キルシェクリニックの脂肪吸引が他院と比較して大きな変化が出ている理由はいくつかありますが、大きく分けると、
・吸引する脂肪の量が多いこと
・患者さんに圧迫やマッサージを頑張っていただいていること
の2点に集約されます。

圧迫やマッサージについては仕上がりにある程度は影響するものの、患者さんの命の安全には何ら影響は及ぼしません。もちろん頑張ってくれると嬉しいですが、そこまで強くお願いすることはありませんし、できていなかったとしても患者さんを責めることは一切ありません。

ですが、当院では吸引する脂肪の量を増やすために、出血量がある程度あったとしても脂肪を吸引することを優先させて施術していますので、術後の圧迫が止血のために必要で、命の安全を守るためにとても大切になっています。当院の脂肪吸引は、あくまでも術後の圧迫指示をお守りいただけることを大前提として、できるだけ患者さんのご希望に沿える細さにするべく、ギリギリまで安全マージンを削って大きな変化を出していますので、患者さんが勝手に圧迫を外すケースが出てくれば、命に関わる危険を回避するためすべての患者さんの吸引量を少なくする必要が出てきます。

ひどい方になると、ブログやTwitterなどのネット上で「圧迫を外しちゃダメだと言われてたけど、トイレしづらいから外しちゃった」「圧迫を外しちゃだめだと言われたけど、カッコ悪いから帰り道で外しちゃった」などと書いています。その中に医学的な知識を持っている医療従事者までもが含まれているということも大きな問題だと感じています。
万が一、圧迫を外すことでトラブルが発生して命に関わればアウト、ということを理解できていない軽率な行動だと大きく反省してほしいですし、こういった方は当院の考えているモニターさんの行動として不適切ですので、確認でき次第モニターをお断りして通常料金との差額をお支払いいただくつもりです。
それらの書き込みを見た次の患者さんが「圧迫は外しても大丈夫なんだ」という誤解をして勝手に外してしまう悪循環になってしまうことが、当院としては一番困り、そして怖い状況だからです。

太ももの脂肪吸引の場合には比較的強く圧迫を巻いて帰っていただいていますので、太ももの付け根まで圧迫をおろしただけで血液が一気に流れ込み、気分不良が起きる可能性があるばかりか、術後の脱水状態が回復していなかった場合には意識を失う危険性まであります。トイレでお尻を汚すことと、命の危険を天秤にかけるというのは、明らかな間違いです。

以前私が耳にした他院のケースでは、圧迫解除日に来院されず、電話にも出ていただけなかったため、自宅をご家族様に確認していただいたところ、圧迫具を膝までおろした状態でトイレで亡くなっていたそうです。ハッキリとした原因は分かりませんが、禁止されているのに勝手に圧迫をおろしたことが大きく影響したことは間違いないと思われます。
こういったニュースになっていない大きなトラブルというのは業界にいるといくらでも耳に入ってきます。

お顔の圧迫でも、年に1件あるかないかの割合ですが施術直後の患者さんから「圧迫を外して帰っていたら急激に腫れてきた」という連絡があり、焦りながら戻ってくる方がいます。クリニック前の道路に出た瞬間フェイスバンドを外しているという現場をたまたま見かけたこともあります。
当院ではどれだけ元気でも施術後2時間の安静を必須としてできるだけの止血を行っていますが、2時間あればじゅうぶんということではなく、術後に圧迫したまま帰っていいただくことを含めて患者さんの安全を担保できるギリギリのラインが最低2時間の休憩という意味になります。圧迫を外せば再出血が始まりますので一気に腫れてくることはある意味当たり前のことです。

医療は完璧なものではありません。私たちが安全のためにお願いしているルールを破られると、ときに大きなトラブルになります。脂肪吸引は命に関わり急を要する施術ではありませんので、命に関わらなかったらラッキーという言葉では済ませられません。万が一にも命にかかわらないように、細心の注意を払わなければいけない施術だということをじゅうぶんに理解してほしいですし、当院が皆さんに提供できている脂肪吸引での大きな変化は、皆さんに当院がお願いしているルールをお守りいただくことが前提となっていることも理解していただきたいです。



・施術前日からの食べ物、飲み物の制限を守っていただけない人がいる

これも命の危機に直結する、とても危険な行為です。
胃の中に物が残っていると、麻酔で眠った直後に吐いてしまい、肺炎や窒息などの命に関わる危険なトラブルが起きてしまいます。
絶飲食を守れていない場合、本来であれば施術の延期が絶対なのですが、こっそり隠して施術に臨まれる方がいます。
当院はかなりの麻酔件数がありますので、年に1-2件は眠った直後に吐いてヒヤッとすることがあります。一般病院で麻酔をしていたころと比べれば、かなり高い確率です。
当院の麻酔は一般的な美容外科と比較すると深めに落としますので、絶飲食を守れていなかった場合には、眠れば確実に吐きます。
肺炎のリスクがある場合には治療を追加しておかなければなりませんので、術後に患者さんに絶飲食について聞くと、「実は・・・」と告白されます。
隠す理由としては、予約枠確保金を流すのがもったいない、せっかく取った休みを無駄にするのがもったいない、などいろいろあるとは思いますが、「命に関わる危険性を回避する」という理由を超えるものは存在しないはずです。
絶飲食を守っていただくことは、安全に施術を行うためには絶対に必要であることを理解してください。



・他院脂肪吸引後で施術を受けた時期を偽る人がいる

キルシェクリニックでは、今年から他院脂肪吸引後1年以内の部位の相談は有料とさせていただきました。そのお金がもったいないのか、できるだけ早く施術したいからなのか、それ以外の理由があるのかは分かりませんが、今年に入って急激にこういった虚偽申告が増えている印象です。
具体的には、診察で実際に拝見している施術部位の印象と、問診票に書かれた施術時期に大きなズレを感じるケースが月に1-2件あります。細かくヒアリングしていくと明らかな矛盾点が見つかり、その点を詳しく伺うと嘘をついていたことを告白されるという流れです。
脂肪がとても硬くて脂肪吸引の施術が困難で、術後に予想外にとても硬かったことを報告したところ、「実は・・・」と告白された方もいます。
他院施術後1年以内のカウンセリング料は確かに有料としていますが、あくまで「他院で受けたけど仕上がりに満足できていないから、無料で当院の意見を聞いてクレームを入れる参考にしたい」という方を排除するための措置ですので、施術時期については正直申告でお願いしたいところです。ちなみに、当院で施術を受ける場合にはそのカウンセリング料は施術費用に充当していますので、実質的には金銭的な損もありません。
1年以内だと診察しても不確実な部分が多くはっきりしたことが言えなかったり、施術しても良い結果が得られないことが多いから施術を控えていただき、冷静な気持ちに戻って経過を見てほしいという気持ちも少なからずあります。
また、脂肪吸引の再施術自体は他院施術後6か月目から対応しているのですが、6か月の患者さんと12か月の患者さんと18か月の患者さんでは、準備する機器なども違いますので、施術時期を偽ってもご自身の仕上がりに悪影響しか出ないことも知っていただければと思います。



・集合住宅にお住まいなのに、部屋番号を書いていただけない。そもそも偽名でカウンセリングを受けようとする。

これもけっこう困った問題です。
ひどい場合には、施術申し込みの際にモニター希望の方へ身分証明書のご提出をお願いすると、「実は・・・」と住所も名前も全く違った身分証明書を出される方もいらっしゃいます。問診表にはでたらめの名前と住所を書いていたということになります。
部屋番号についても同様で、私たちを信用していただけていないから隠す方が多いのでしょうか。部屋番号の記載をお願いすると、あからさまに不機嫌な態度になる方も少なくありません。
はっきりとお伝えしておきたいのですが、そんな信用されていないクリニックに大きな施術を託すことは間違いですし、私としても信頼関係を築けない患者さんと一緒に3ヶ月のゴールまで頑張っていける自信がありません。ひとつ上に書いた問題も含め、スタートラインから嘘があると信頼関係を築くのは困難です。
当院の無料カウンセリングはあくまで当院での施術を検討していただいている方(=少なくともある程度は信用していただけている方)に向けてのものですので、当院に不安があり住所もお伝えいただけないような方は対象外だと思っています。
そもそも、患者さんのお名前や住所を確認することは医療法で定められた医療機関の義務となります。また、上の問題ともリンクするのですが、連絡先が分からないと万が一のトラブルの際に駆けつけることもできませんので、脂肪吸引という大きな施術を承っている当院としてはとても大切な問題となることをご理解ください。



これらが現在キルシェクリニックで困っている脂肪吸引にまつわる問題です。最後までお読みいただきありがとうございます。
もちろん、これらは1人たまたま遭遇した稀な問題、ということではなく、最近ではほぼ毎月遭遇するくらい複数の困った患者さんが存在している大きな問題です。

きっと、読んでいただいた後に、
「えー、こんなひどい人がいるんだ、信じられない!」
「これは大切、私は必ず守ろう!」
と思った方と、
「なんだか強く言うクリニックで嫌な感じ」
「熱すぎるクリニックでウザいなぁ」
と思った方に分かれると思います。

キルシェクリニックでは、前者のように感じた患者さんを全力で応援したいと考えています。脂肪吸引は患者さんと医師が二人三脚で仕上がりの3ヶ月目まで頑張っていくものだと当院では考えておりますので、相性も大切です。今回のブログによって後者の方は当院にはお越しいただけないかもしれませんが、それはそれで仕方ないと思っています。
それよりも私たちが大切にしなければいけないことは、一部のルールを破っている方のせいで、吸引量が減って変化が少なくなってしまい、キルシェクリニックとしての仕上がりが落ちてしまう可能性を回避することだと考えています。これ以上、平気でルールを破る人が増えてくると、今のような脂肪吸引の技術を提供することが困難になり、仕上がりの細さは間違いなく甘くなります。現在当院はその方針変換の岐路に立たされていることを知っていただけると嬉しいです。

私自身の考えとしては、脂肪のボリュームに悩まれている多くの患者さんのご期待に沿えるよう、キルシェクリニックでは継続して安全マージンをギリギリまで削っての大きな変化にチャレンジしていきたいと考えています。
しかし、これを達成し続けるには、患者さんお1人お1人が当院がお願いしているルールの必要性を理解して、良識をもった行動をしていただくことが必要です。
ご理解とご協力のほど、なにとぞよろしくお願いいたします。








2020年10月の休診日
1(木)・5(月)・6(火)・10(土)・14(水)・18(日)・19(月)・23(金)・27(火)

2020年11月の休診日
1(日)・2(月)・6(金)・11(水)・15(日)・19(木)・23(月・祝)・24(火)・28(土)













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