思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Williams' Favourite

2020-04-05 15:02:08 | 毛針/Flies

Williams' Favouriteは「A Dictionary of Trout Flies」の著者A. Courtney Williamsの父君がDysynni川を釣った時に初めて使ったとありますので、正確には判りませんが19世紀末に巻かれた毛針の様です。「A Dictionary」で著者は家族びいきの点は割り引いても英国のみならず、フランス、ベルギー、ドイツ、オーストリア、チェコスロバキアでも良く釣れ、数多くの鱒、シートラウト、グレイリングを掛け、川のみならず湖でも効果があるとしております。

タイイングは極めてシンプル。ブラックコックをハックルとテイルに使いボディはブラックシルクとシルバーワイヤー或いはティンセルでリブを付けるもの。

釣りに行けない暇に任せて、ブラインドアイの鉤にWilliams' Favouriteを巻いてみました。使ったのはフロロカーボンの1号に鉤、そして上のレシピの材料。ハックルは昔の英国のブラックコックハックル(写真では赤っぽくなってますがブラックであります) 。ブラックのコックハックル は遺伝のためか、レッド、ジンジャー、バジャーの様な硬いファイバーを持つものは極めて少なく、ドライフライのハックルとしては透明感が素晴らしいものの、水面に高く浮くという機能面では満足のいく品質のものはまずありません。染めたコックハックル は硬さは申し分ないのでしょうが、透明感が決定的にありません。ただ、このWilliams' Favouriteの様なウェットフライに使うならこの遺伝的な柔らかさは欠点にはなりません。
この毛針、絶大な効果を誇るSaltounとはスターリングのウィングの有るか無いかだけ。それだけでも釣れる感じがとてもします。

「A Dictionary」で著者は、昔Yorkshireに居た時、Swale川と他でワンシーズン、一週間に6日、一日数時間釣りをしたが、記録を見ると釣った魚の内、85%はPartridge & Orange、Snipe & Purpe、Williams' Favouriteで釣ったとしております。三つの毛針で一番魚をかけたのはPartridge & Orangeで特にシーズン前半は効果的だったとの事。尚、Partrige & Orangeは3本鉤仕掛けの場合センタードロッパーとして使うのが効果的というので、Williams' FavouriteはBob Fly(トップドロッパー)、Snipe & Purpeはリードフライとして使われたのでしょうか。。。

左からWilliams' Favourite、Snipe & Purple、Partridge & Orange。

さて、テグスと一体化した毛針の先端には輪を付けておりますが、これはドロッパーとして使うのに便利でもあります。

リーダー側の糸を摘んで毛針側の輪に通し、

こうなった形から引っ張ると、

絡みにくいドロッパーになります。ただ上下に動いてしまうので、リーダーの結び目の上にこの様な形でつけると使い勝手の良いウェットフライリーダーとなります。
養沢では3本鉤のウェットフライ釣りは出来ませんが、他の川で早く趣の有るウェットフライ釣りをしたいものです。

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