【引用】
AIで材料開発(日経エレクトロニクス)

(イラスト:笹沼 真人)

【概要】
特許
日本では化合物特許は実際に合成して見せなければ取得できないが、アメリカでは計算しただけで取得できる。
日本の素材メーカーにとっては脅威。

MI受託サービス
日立製作所やMI-6はMI受託サービスを開始した。
顧客はデータを提供し、サービス提供者は最適な予測モデルを構築して、逆問題を解いたり実験条件を提案する。

MIの課題
最大の課題はデータが足りないこと。
→実験結果の写真を全層畳み込みニューラルネットワークを使って細部の特徴を分類してMIで利用可能なデータに変換する。

AI技術の使い分け
まずは十分なデータ量の有無で分けられる。
ディープラーニングは特徴量(記述子)を自動抽出できる優れた技術だがデータが大量に必要。
データが少ない場合は、高精度な予測モデルを構築するよりも、所望の特性を備えた材料を見つけるまでの検討数を減らすためにベイズ最適化を利用する方法もある。
記述子の多少によっても適切なAI技術が変わってくる。

記述子の選択
何を記述子とするかによって結果が左右される。
従来の知見を活かすことが近道の場合もあるが、実は重要と考えられていた因子が重要でない場合もある。
従来考えられていなかった因子が重要なこともある。
当初はやや多めに記述子を選んでおき、モデル最適化と同時に記述子の
最適化もするのがいい。

ベイズ最適化
当初はデータ量が少ない場合、暫定的なモデルを立てて実験数を増やしてモデルの精度を上げていく。
その過程で、平均値+不確実性の幅の値が最も大きい領域に、求めたい特性の最大値が含まれている可能性が高くなる。
次の実験ではこの可能性が高い領域を調べる。
これを繰り返すことで少ない実験回数で所望の結果を得ることができる。
ベイズ最適化を使えば、実験数は数分の1に削減できる。