【概要】
ポリマーの体積弾性率とずり弾性率を予測した。
本研究ではシミュレーション結果を機械学習で予測している。
これは、条件がそろった良質な多量のデータが入手困難なため。
一見無意味にも見えるが、負荷の高い計算による探索を高速化する目的を達成できる。

データ
280個の計算された体積弾性率とずり弾性率

説明変数
・ブロック共重合体の一次構造(モノマー種と比率)
・相互作用パラメータ

目的変数
・体積弾性率
・ずり弾性率

モデル
サポートベクトル回帰

【所見】
モノマー種と比率のベクトル表現で参考になりそうな記載があった。
類似の一次構造のポリマーは類似のベクトル表現になったほうが学習効率が高いとのこと。

ポリマー1 A/B/C=50/49/1
ポリマー2 A/B=50/50
 
これを表現するには (3) がベストだった。
(2) でもよさそうだが、結果は (3) が特別に良かった。

(1) モノマー種と比率を列挙
(1, 50, 2, 49, 3, 1)
(1, 50, 2, 50, 0, 0)

(2) 100%のうち各モノマー種の比率を列挙(100次元)
(1, 1, 1, --- , 1, 1, 1, 2, 2, 2, --- , 2, 2, 2, 3)
(1, 1, 1, --- , 1, 1, 1, 2, 2, 2, --- , 2, 2, 2, 2)

(3) 100%のうち各モノマー種の比率を列挙、ただし、3種のモノマーをバイナリで表現(300次元)
(1, 0, 0, 1, 0, 0, --- , 1, 0, 0, 0, 1, 0, --- , 0, 1, 0, 0, 0, 1)
(1, 0, 0, 1, 0, 0, --- , 1, 0, 0, 0, 1, 0, --- , 0, 1, 0, 0, 1, 0)

【引用】
坂下 竜一, 小峯 拓也
東ソー研究・技術報告 = Tosoh research & technology review 62(99), 43-49, 2018