(赤坂アカ 「かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」 を読んで) | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

今回は演奏会の感想ではなく、別の話題を。

皆様は、漫画を読まれるでしょうか?

読者登録させていただいている皆様のブログから察するに、直木賞候補作や本格派ミステリー、歴史小説などを読まれる方が多く、漫画はあまり読まれないのではないでしょうか。

かく言う私も普段あまり漫画を読まないのですが、最近とある漫画にハマってしまいました。

「かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜」というタイトルの、いわゆるラブコメ漫画、あるいは恋愛ギャグ漫画です。

 

 

ラブコメ漫画なんて「のだめカンタービレ」くらいしか読んだことのない私が、なぜこんなことになったのか。

元はと言えば、アメブロが悪いのです。

ブログを書こうとしてアメーバのホームページに行くと、オススメの漫画がいくつか掲載され、試し読みできるようになっています。

恋愛頭脳戦って何だろう、とついクリックして開いてしまったのが運の尽き。

すっかりハマって一気に全巻読んでしまう羽目になりました。

 

 

秀知院学園という日本有数の名門高校に通う2人のお話です。

裕福でない家庭に育つも人一倍努力し名門校に特待生で入学、学年1位の成績を誇る生徒会長、白銀御行。

名家の令嬢であり、成績も優秀で学年2位、かつ芸事・音楽・武芸にも秀でた多才な生徒副会長、四宮かぐや。

2人とも全生徒のあこがれの的で、お似合いのカップルだと噂されています。

ただ、実際には、両想いではあるのですが、付き合うには至っていません。

2人ともモテる割に恋愛経験がなく、またプライドが高い割に臆病なので、告白することができないのです。

いかに相手のほうから告白させるか、天才2人が持ち前の頭脳を駆使して画策しあう、というのがストーリーの大筋です。

 

 

2人ともさすが天才だけあって、あらゆることを瞬時に判断し頭脳戦を繰り広げるのですが、なかなかうまくいきません。

お互い譲らぬ天才同士だから、ということもありますが、どちらかというと、こと恋愛となると2人とも作戦の方向性がどこかズレている、という点が大きいです。

普通に映画に誘えばいいのに、相手から誘わせようと入念に下準備をするなど、いつもやり方が回りくどい。

回りくどすぎて、いつも作戦失敗しています。

その「お可愛い」失敗ぶりに思わず笑ってしまう、何とも楽しいギャグ漫画です。

ギャグのネタも、とんでもなくアホなのですが(注:褒めてます)、その実とても細かいところまで伏線が張られ、手が込んでいて読者を飽きさせません(「竹取物語」にちなんだ風流な小ネタも多く見られます)。

 

 

そしてこの漫画、9割方はギャグなのですが、残り1割はドキドキのロマンティックな展開が待っています。

詳しくは書きませんが、特に第5巻の花火大会のシーン、第14巻の文化祭終盤のシーン、第15巻のクリスマスイブのシーンが白眉。

読んでいて胸が苦しくなり、過呼吸になってしまいそうなくらい好きなシーンです。

普段はあんなに失敗ばかりでダメダメな2人なのに、いざとなったらとてつもなく格好いい&可愛い。

そのギャップにやられてしまいます。

さらには、そのダメダメな「日常」も、実はかけがえのないものなのだと気づかされます。

青春ってイイですね。

 

 

この漫画、まだ完結しておらず、来月(2019年9月)には第16巻の発売が予定されています。

2人はどうなるのか、今後の展開はまだ分かりませんが、私としてはただ一つ。

ハラハラドキドキの展開でなくとも良い、独創的な発想も求めない、贅沢は言わない、どれだけ陳腐なストーリーでも構わないので、2人が幸福に結ばれてほしい。

ただそれだけを願ってしまいます。

フィクション、それもギャグ漫画に対して、我ながら何とも滑稽です。

私は、「椿姫」「トリスタンとイゾルデ」「ラ・ボエーム」のような感動的な悲劇ももちろん大好きなのですが、それにも増して「フィガロの結婚」「マイスタージンガー」「ばらの騎士」のような、色々わちゃわちゃするけれど最後には丸く収まって若い2人が結ばれる、そんな喜劇がどうしようもなく好きなのです。

世間のごちゃごちゃなんて、若い2人にとっては取るに足りないこと。

若さとは、一つの絶頂であり、最高の特権ですね。

 

 

また、来月(2019年9月)には実写映画も公開予定となっています。

白銀御行の役を平野紫耀が、四宮かぐやの役を橋本環奈が演じているそうです。

とても気になりますが、観に行かないかもしれません。

私の場合、「デスノート」のように原作が好きだとその映画化はしっくりこないことが多いからです(すみませんウソです、いい歳してこんな映画を観に行くのが恥ずかしいだけです)。

 

 

なお、この漫画に興味を持たれた方がもしおられましたら、こちらの記事もぜひご参照下さい。

私よりも詳しい方の記事ですし、内容にも大いに共感できます。

 

 


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