今回は演奏会の感想でなく、別の話題を。
昨日の記事に引き続き(その記事はこちら)、好きなピアニスト、チョ・ソンジンの演奏動画である。
動画はこちら。
2020年6月28日、スイスのソルスベルク音楽祭での公演で、ソル・ガベッタ(チェロ)との共演である。
曲目は、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番と、アンコールでメンデルスゾーンの無言歌op.109。
動画のコメント欄で、誰かが以下のようにトラック分けしてくれている。
Ludwig van Beethoven (1770–1827)
Sonata No.3 in A Major for Violoncello and Piano, op.69 (1808)
I. Allegro ma non tanto 0:21
II. Scherzo. Allegro molto-Trio 12:05
III. Adagio cantabile 17:14 - Allegro vivace 18:40
Encore: Felix Mendelssohn (1809–1847)
Lied ohne Worte(Song Without Words) in D Major for Violoncello and Piano, op.109 (1845) 26:11
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番。
良い演奏だが、昨日の記事の演奏ほどの感銘はないか(昨日の記事はこちら)。
前回のピアノ三重奏曲第4番がベートーヴェン前期作品なのに対し、今回のチェロ・ソナタ第3番はベートーヴェン中期作品。
第1楽章の展開部など、もう少しどっしりした力感がほしい(ロストロポーヴィチ盤におけるリヒテルや、ケラス盤におけるアレクサンドル・メルニコフのような)。
ソル・ガベッタのチェロも同様に、やや重みに欠ける印象。
チョ・ソンジンは、2009年浜コン優勝時にベートーヴェン中期作品である「熱情」ソナタ第1楽章や「皇帝」協奏曲を弾いたが、それらは気力の充実した力強い名演だった。
彼なら、やれるはず。
今後の彼のベートーヴェンへの取り組みに注目したい。
なお、今回の演奏は良い点もたくさんあって、速いパッセージの驚くべき軽やかさ、滑らかさは相変わらずトップクラスだし、また内声の扱いもところどころ工夫され、洗練されたピアノに幾度となく耳を奪われた。
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