むかし、学生生活を京都で過ごしていたころ、爺くさい性格から寺めぐりが趣味だった。そのときに写経を体験し、たまにするようになった。
いま風に言うなら、行きつけのBARに顔を出す感覚で、行きつけのTERAができた。坊さんの知り合いも増え、いろいろと手ほどきも受けた。あるとき、ちょくちょく顔を出していたものだから、ある坊主に「坊主になる気ないか?」と言われ、坊主も悪くないな~って思ったこともあった。
二十数年前に、大阪の仕事場を、京都のあるお寺の花の教場として提供していた。そのご縁で、再び写経をするようになり、遊びがてら京都によく出かけていた。年をとっても、爺くさい性格は歳とともに育まれていった。
前段が長くなったが、いま取り組んでいる一つに、写経をもっと楽しく続けるための方法として考えたのが「曼荼羅絵図」という写経。般若心経と仏画を組み合わせ、それに創造力やオリジナル性という要素を加えると写経が楽しくなる。それが「仏画曼陀羅アート」である。
前回の投稿に続いて、今回は写経用紙を新しく作った。中央部分に円を描いて、それぞれの円の中に、他の円とは異なる大きさの般若心経を書いた。中心部になるに従い小さくなっていく。最終の円は直径が約20㎜、その中に小さな如来様を描いた。これは手本でもなんでもない。写経の好きな人が自由な発想で楽しんでいただくための参考本である。