【93〜96日目】中国にて奇祭「爬坡祭り」に参加!犬を食べ闘牛を観戦して祭りのすごさを体感した!

僕は、困っていた。

手がかりは3つだけ。

①凱里市香炉山

②爬坡祭り

③7月31日

インターネットもなく、

言葉も通じない中で、

この祭りに強烈に興味を抱いたのだ。

 

中国の人から伝え聞いた。

なんだかよくわからないがおもしろい祭りがあるという。

観光地化されていない祭りだ。

中国旅のクライマックスにふさわしいと思い参加を決めた。

移動はベトナム国境の河口からまる2日。

泣いても笑っても

7月31日がラストチャンス。

なんとしてでも辿り着かねばならない。

 

 

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僕にとって祭りとはこうである。

コミュニティにおいて、
どういう時にテンションが上がるか
エモいと感じるかを考える。
最も重要な瞬間である。
祭りの差し色とはなんなのか。
地域で最も大事にしているものを知ることでもある。

 

 

 

2018年7月29〜30日

中国雲南省河口→貴州省凱里市香炉山

河口から昆明昆明から貴陽。

鉄道移動は長い。

丸一日かけて、貴州省の中心である貴陽という街に着いた。

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駅前の人5人くらいに香炉山への行き方を聞いたが、わかる者はいなかった。

とりあえずバスターミナルにいけというのでバスに飛び乗る。

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途中通過した大学に巨大で奇妙なマスコットがあった。

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バスターミナルに着いてみると、果たして香炉山に行くバスはなかった。

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しかし、貴重な地図を発見した。

どうやら香炉山がある凱里市までは電車が通っているらしい。

基本的に中国はバスより電車が圧倒的に安いので、貴陽駅まで戻ることにする。
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電車に飛び乗り、

ついに凱里市までついた。

果たして香炉山という山は

どこに存在するのか。

いろんな人に聞いたところ、

バスはないというので、

タクシーに飛び乗る。

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徐々に景色は美しくなってきた。

山の緑は青々として、木造の綺麗な家が立ち並ぶミャオ族のエリアだ。

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タクシーにのること30分。

タクシードライバーは叫ぶ。

あれが香炉山だ!!!

なんだあれは。

オーストラリアのエアーズロック

ベネズエラのロライマ山

などを思い浮かべる一枚岩。

その山は予想外に堂々と神々しく映った。

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祭り前日の午後15時。

周辺では着々と明日の祭りに向けて準備が進められていた。

タクシーは80元と高かったが、祭りの準備含めて観察できたのはかなりの収穫であった。

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そして、なんと恐ろしいことに、

周辺の村では全ての家で犬を殺していた!!!

こんなに一斉に犬を食べる祭りは世界を見てもなかなかないであろう。

一緒に生活してきた大事な仲間を1年で最も神聖な祭りにおいてどんな気持ちで食らうのだろうか。

(※写真は撮りましたが画像省略します)

出店準備は着々と進む。

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円形の広場があった。

ここではおそらく闘牛が開かれるのであろう。

赤い横断幕には、スポンサーかなんかの名前が書かれていた。

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ステージが設置された。

歌手やダンサーでも呼ぶんだろうか。

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妙に雰囲気のあるトイレ。

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出店準備をしている人に、麺を食べさせてもらった。

うどんとラーメンを混ぜ込んだかのような料理はとても美味かった。

しかし、辛かったので腹は壊した。

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外国人がよっぽど珍しかったらしく、タダで豆腐料理とかも食わせてくれた。

田舎の中国人は優しい。

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香炉山に登ることにした。

山に登るとは、俯瞰的に周辺の土地を観るということでもある。

登山道からの景色はとても美しい。

周辺の村々では、農耕が盛んだと知る。

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祭りが行われるメインロードは一本道。

明日にはどういうふうに変化するか楽しみだ。

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はてさて、一枚岩の麓まで登った。

頂上まではどうやらいけないようだ。

途中の崖に寄り添うように建てられた社に登り、手を合わせて引き返した。

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香炉山の麓の宿に泊まった。

宿の部屋の床には血みたいなものがたくさんついててヤバかった。

風呂はシャワーが出なくて貯め水。

しかも茶色に濁っていた。

新しい水ありませんかということで、青い桶の溜め水を用意してもらった。

床はカナブンだらけ。

カナブンと風呂は初めてだ。

けど僕はこの宿を選んで良かった。

宿泊客は僕1人。

隣には宿のオーナーの家族が寝てた。

どこまでも土地の暮らしに近い宿であった。

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爆竹が鳴りまくって明日の祭りの盛り上がりを予告する。

さあ楽しみだと思って寝る。

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2018年7月31日

爬坡祭り当日 

朝8:00ごろ。

市場を散歩していると、昨日の犬が鍋になっていた。 

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市にも徐々に人が集まる。

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犬と一緒にヤギも食べるところもあるらしい。

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闘牛場では牛が足慣らし。

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球を投げて、金に当てたらもらえるという射的だ。

一攫千金を狙う中国人らしい考え方と思った。

しかし、流石に屋台側が儲かる仕組みになっていることは誰でも知っている。

野球経験者でもなければ挑戦はしたくない。

あんま人がいなかった。

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これもかけの一種だろうか。

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午前10:00ごろ。 

徐々に祭りは賑わい出す。 

少数民族の衣装を纏うミャオ族も現れる。

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犬の鍋をありがたくいただいた。

やはり流石に貴重な食品なのか、どの店も40元で販売していた。

味はアヒルの肉に近い感じで、骨も少なく食べやすくなっていた。

色々な部位が混じっているのをタレにつけて白ご飯と一緒に食べるのが主流。

個人的にはタレをつけなくても塩気があってそのままでも美味しかった。

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闘牛場も準備は着々と進む。

牛にはスプレーで順番に名前と番号が書かれていく。

右の腹に名前、左の腹に番号という感じだった。

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猿のお面をかぶった子供が、

お面を自慢してきた(笑)

一応写真でも撮ったるかと思って撮っておいた。

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 さて、12:00ごろ。

ようやく闘牛が始まった!!!

審判の男がかっこよかった。

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牛と牛は激しくぶつかり合った。

ルールはなんとなく見ていてわかった。

要は日本の相撲とかなり似ている。

寄り切りするか、タイムアップで引き分けかが多かった。

寄り切りといってもきちんとした土俵があるわけでなく、

押しまくったら勝ち的な感じだった。

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観客もぎゅうぎゅうで、この祭りの見所の中心となっていた。

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14:00ごろ。

近くでは有名歌手によるショーが行われたり、ダンスが行われたりしていた。

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この時間帯が、祭りの来場者数も最高であった。

爆竹は鳴りまくり、とてつもなく賑やかになった。

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16:00ごろ。

そろそろ帰るモードの人も多くなってきた。

僕も次を目指すことにする。

しかし、この祭りの来場者数は2万人もいるらしく、

駐車場にたどり着くには山を1時間ほど歩かなければならない。

規模感が違うと思った。

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もはや渋滞しすぎて交通機関がストップしていたので、

合計20kmくらいの道のりを凱里駅まで歩くことにする。

いい機会なので、歩くことについて歩きながら考えてみた。

僕は足の裏で物事を記憶するのだろうか。

歩いていた時の情景とか考えていたことは結構覚えている。

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考えたことをまとめるとこうであった。

僕はあまり課題を解決しようと思ってない。

中国を見たらわかる。

課題なんて山ほどあって解決しようなんて思ってたら

人生いくら時間があってもきりがない。

むしろ僕がいなくても技術の革新などが解決してくれる。

それならば、発想を変えて心に残るものを作りたい。

これが原点ですとか、

今まで生きてきた中で最も感動したとか、

そういうことを言ってくれるようなものをつくりたい。

そうすることで、自分の生きる意味が見出せると思った。

凱里の街並が見えてきた。

かなり迷ったが、21:00には駅にたどり着いた。
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もう広州への電車がないと思って、宿泊先を探した。

しかし、ここで衝撃な事実を知る。

凱里市の全てのホテルは外国人を泊めないらしい!!!

とても理不尽だったので、警察に話したが無理だった。

やむなくよくわからない場所行きの寝台列車を予約し、

野宿を免れた。

 

こんな風に、中国では毎日必ず理不尽なことがおこるものだ。

これも人口が多すぎることが大きな要因で、

始皇帝のような恐ろしい君主が生まれる理由もわかった。

・鉄道切符を買う列が長すぎて時間切れで買えない。

・バスが利用停止中で文字が読めず乗ろうとしたら影で笑われる。

寝台列車は夜中じゅう子供が騒いでいて寝られない。

・英語がわかるにも関わらずわざと中国語で話してくる。

・道を尋ねても無視される。

・お札は汚いのを渡してくる一方で綺麗じゃないと受け取ってくれない。

などさまざまな場面に遭遇してきた。

その度に、大きすぎる国の苦悩を感じた。

 

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ここまで旅をしてきて、

もう中国では見るものはないと思って一時帰国を決めた。

20000:1の状態で、中国の祭りに参加できたのは非常に大きかった。

これ以上中国の祭りに参加したとて、学びは変わらないと思った。

 

とにかく自分は人の集合が作りたくて、

それには建築とデザインが大きな力を握っていて、

自分もそれに向いていると仮説が立ったので、

だから日本に帰って少し勉強してから、

視点をクリアにして旅を再開したい。

 

<祭りがあった香炉山はここ>

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