ジョーカー (映画) 2019年 アメリカ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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リブログはしてみたけど、ヤスミンさんが問う「見識」の答えがないのがツラい・・・・
それから同時公開中の、ジェーン・ドゥさんのレビューはコチラ

(複数リブログがやれない)


監督・脚本 トッド・フィリップス

キャスト

アーサー・フレック / ジョーカー  - ホアキン・フェニックス
マレー・フランクリン                 - ロバート・デ・ニーロ
ソフィー・デュモンド                    - ザジー・ビーツ
ペニー・フレック(母親)               - フランセス・コンロイ
トーマス・ウェイン                      - ブレット・カレン
ギャリティ刑事                          - ビル・キャンプ
ランドル                                  - グレン・フレシュラー
アルフレッド・ペニーワース         - ダグラス・ホッジ
ブルース・ウェイン                    - ダンテ・ペレイラ=オルソン
ゲリー(小人)

 

予告編

 

 

感想
バットマン・シリーズとしてのジョーカーを最後に観たのは2008年の「ダークナイト」以来だから、もう10年以上経っている。
今回、バットマンは出て来ない。ジョーカーが、どうしてジョーカーになったかの前日譚の位置付けか。

いきなり悪ガキどもに看板を奪われて、全速で追いかけるアーサー。

ドタ靴、目いっぱい広げたストライドで走る後ろ姿は、その後何度でも出て来て、それが彼のイメージとして固定された。
また派遣元の事務所で、靴を履こうとしている時の裸の背中。

凄まじいほどの緊張感に心がザワついた。

 

護身用だと渡された銃が、その後の彼の運命を導いて行く。
厳しいピエロの仕事の中でも、小人症のゲリーはアーサーに優しかった。この役者、ネットで調べても名前が出て来ない。

ランドルが殺された時、帰っていいと言われてもドアチェーンに手が届かず、アーサーに開けてもらった。笑うに笑えないジョーク・・・・

 

主役のホアキン・フェニックスの熱演は素晴らしかった。

とことん絞った肉体。苦悩が刻まれた顔。発作で笑う時の、苦しみながら笑うという姿に、こちらも息苦しくなった。

 

ただ、主役本人のキャラクターに依存し過ぎている感じがあって、シナリオ的にはかなりオーソドックス。
ピエロという職業、幼い頃に受けた虐待の後遺症。母親への憎悪。
確かに組み立てとしてはそれなりに成立している。

 

だが、それらはみな自分自身に起因するもの。「ダークナイト」で描かれた真正の(使い方変か?)悪に対してはいかにもドメスティックな悪。証券マンを撃った時も、行動の沸点が低すぎる。

「こうしてジョーカーはバットマンと戦う悪人になりました」というのが、何か当たり前すぎる。
こんな素晴らしい役者使うんだから、もう少しシナリオを頑張るべき。

 

ゼンゼン話は変わるが

そういう面から言うと「エヴァンゲリオン(TV版)」には想定外の経験をさせてもらった、という感覚はある(いい悪いは別にして)

 

オマケ
トーマス・ウェインを見て「ショーン・ビーンもいい年の取り方してるなぁ」なんて思っていたら・・・

「えっ!違うの?」 ブレッド・カレンだって(知らないナー)

 

 

 

 

あらすじ
財政難で荒廃が進むゴッサム・シティで、雇われのピエロとして店の宣伝をしているアーサー・フレック。
宣伝用の看板を街の悪ガキ共に奪われ、あわてて追いかけるが、路地で待ち伏せされ看板で殴り飛ばされる。壊れる看板。

そしてさんざん暴行を受ける。

 

認知症気味の母の介護をしながら暮らすアーサー。

突然笑いだす発作のため、福祉センターに定期的に通いカウンセリングを受けている。そこで処方箋をもらい薬局で買う日常。
アーサーと母親の唯一の楽しみは「マレー・フランクリン・ショー」を観ること。市井の者をゲストに迎え、軽妙な話術で盛り上げる司会のフランクリン。また、いつもアーサーに頼んで手紙を出す母は、返信がない事を嘆く。

 

派遣元の事務所で暴行を受けた件について、同僚に説明するアーサー。ランドルが彼に袋を渡す。銃が入っていた。護身用だという。
病院の小児病棟でのイベントでピエロとして慰問しているアーサーだが、持っていた銃を落とし、子供に見られてしまう。
解雇を言い渡されるアーサー。

 

ピエロ衣装のまま地下鉄に乗っていると、酔った若者三人が女性に絡む姿を見て、急に笑いだしてしまうアーサー。
ひどい暴行を受けたアーサーは、銃でその三人を撃ち殺してしまう。
殺されたのはウェイン産業の証券マン。市長候補として運動中の、ウェイン産業社長トーマス・ウェインがコメントを出した。
この事件をきっかけに、ピエロの覆面をかぶった者たちのデモや犯罪が頻発する様になる。

 

市の財政難で、アーサーが通うカウンセリングも閉鎖された。富裕層に対する反発が街に広がる。

アパート隣室の未亡人ソフィーと親しくなるアーサー。
コメディアンのショーを見せると言っていたので、それを見せるためソフィーをバーへ連れて行くアーサー。
スタンダップ・コメディアンを目指すアーサーはいつも手帳にネタを書き溜めていた。
笑いだす発作をこらえながらも短い演目をやり遂げたアーサーは、客席からの拍手を得て満足。
だがその晩、母がいつも手紙を出している相手--昔雇い主だったトーマス・ウェインへの手紙を読んでしまう。

そこにはアーサーがトーマスの隠し子であるとの記述。

 

事実を確かめにトーマスの屋敷に出向いたアーサーは、鉄格子越しにそこの息子ブルースに話しかけ、簡単なマジックを行って興味を引いた。そこに執事のアルフレッドが現れ、アーサーの話を妄想だと否定。

 

家に戻ると、救急車が来て騒ぎになっていた。証券マン殺人事件の調査で母を訪ねて来た刑事に驚き、母が倒れたのだ。

刑事の尋問を無視して救急車に乗り込むアーサー。
病院のテレビで「マレー・フランクリン・ショー」の映像をやっており、先日アーサーがバーでやったショーの映像が流れていた。

一気に世間の注目を集めるアーサー。

 

アーサーが再びトーマスの屋敷に行くと、デモの群集で騒ぎになっており、その隙に屋敷内に入るアーサー。そしてトーマスとの対面。
母親の言う事は全てデタラメだと言うウェイン。

アーサーは彼女の実子ではなく養子だと言った。

失意のままアパートに戻ったアーサーは、ふとソフィーの部屋のドアを開ける。驚いて恐怖を感じるソフィー。今まで話した事などなく、親しくしていたという思い出は全て彼の妄想だった。

 

州立病院へ行き、母親のカルテの閲覧申請を出したアーサー。

網戸越しに係員が、ダンボールから出した書類を確認。

母親が精神障害だった事、養子だったアーサーの障害は母の恋人の虐待によるもの等だと説明。
書類の写しを要求するアーサーを不審に思い、正式な手続きが必要だとけん制する係員に、渡し口から手を伸ばして書類を奪い、逃げるアーサー。改めてその内容を読み返し、泣き叫ぶアーサー。
その晩病室で、枕を使って母親を窒息死させるアーサー。

 


自宅へ、マレーの番組担当が出演交渉に訪れる。快諾するアーサー。

 

番組の収録当日。自宅に訪れたかつての同僚のランドルと小人のゲリー。元はといえばランドルが元凶。

瞬間的にランドルを殺すアーサー。

だがゲリーは味方になってくれたと言って放免。

 

ピエロのメイクをしてテレビ局に向かうアーサー。

 

途中で見張りの刑事に追われるが、デモ集団のピエロたちを利用して逃げ延びる。

 

本番前の打合せで自分の事を「ジョーカー」と紹介して欲しいと頼むアーサー。
そして放送が始まり、ジョーカーとして登場するアーサー。
司会のマレーとの掛け合いもうまくこなしていたが、次第に話が噛み合わなくなり、突然証券マン殺しが自分だと言い出すアーサー。

極力冷静にその発言に対処するマレー。

だがアーサーは、自分がバーで演じていた動画を放送したのは、笑い者にするためだったと断じる。
それに反論するマレーの額に、突然銃弾を撃ち込むアーサー。

スタジオはパニック状態に。
TVカメラの前にひと演技しようとしてうまく行かず、逮捕されるアーサー。

アーサーの起こした事件は生放送されていたため、それがデモを暴動へと凶悪化させる引き金となった。火の手が上がる街。

 

一家で映画を観に来ていたトーマス・ウェイン一家は、危険を避けて裏道に逃げたが、暴徒により両親は射殺され、息子のブルースだけが残された。

 

護送されるアーサー。だがそこへ暴徒の運転する車が突っ込み、彼を救い出す。パトカーのボンネットに上って踊り出すアーサー。

 

病院で、手錠姿のアーサー。

医師との会話の後、血の付いた足で廊下を歩くアーサー。
廊下の角を曲がり、その後反対側に走り出す。追う警備員。