コズミックフロント☆NEXT「宇宙は美しい!ハッブル宇宙望遠鏡の30年」NHKBS11/19放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

感想
有名なこの宇宙望遠鏡。運用を始めてはや30年とはびっくり。

要するにその分自分も歳取ってるわけだけど・・・
初期トラブルの事は知らなかったが、それを何とかしてしまう技術力は大したもの。
それからも数年単位でのテコ入れ。そして最後のテコ入れで国を動かしたのが、少女の募金からだというのにも心動かされる。
画像処理テクニックの賜物でもあるのだろうが、本当に美しい。
ハッブルの画像により、天文を目指した者も多数居るのだろう。
この録画も、消せないなー(トホホ)


内容
ハッブルは、天文学者だけでなく一般の人も魅了している。
専門の美術チームによって、科学的で美しい天体画像となる。
それは宇宙を旅するかのよう。
地上から見る宇宙は大気の影響を受ける。

宇宙で天体観測をすれば、全く違うものとなる。
最初の挑戦はホロ苦いものだった。

File1
史上初の宇宙望遠鏡は、最悪の失敗作だった

製作が始まったのは1980年。

NASAが構想を始めてから20年目のこと。
主鏡の直径2.4m。全体は大型バスほど。
1990/4/24にスペースシャトル「ディスカバリー」号で打ち上げられた(地上600キロ)
名が冠されたエドウィン・ハッブルは、宇宙に銀河系以外の銀河がある事を初めて見つけた学者。
打ち上げ一ケ月後に送られた画像に、皆裏切られた。

地上から観測したものと大差ない。
原因は、鏡を製造する時の僅かな変形で焦点を結べなくなっていた事だと突き止められた。
 

第一回サービスミッション(1993.12.2)
宇宙飛行士による最新のカメラへの交換(初めての経験)
20日後に送られた映像(5000万光年先のM100銀河)
驚くべき鮮明さ。


大朝由美子准教授。埼玉大 天文学教室
ハッブルに心奪われた人生。星の誕生を中心に研究。
印象に深いのはシューメーカ・レヴィ第9彗星の、木星への衝突。
1994年7月にハッブルがとらえた。


本領を発揮し始めたハッブル。
1995年 M16わし星雲(7000光年)


衝撃的だったのは北斗七星の一角の暗部観測。10日間の観測(100時間の露出)で160億光年かなたを映した。
1996年  ハッブル・ディープフィールド


File2
大躍進の20年 

進化するハッブル宇宙望遠鏡。性能はさらに飛躍。

第二回サービスミッション(1997/2)
より高感度の観測装置に入れ替え、今まで以上に暗い天体を捉えられる様になった。
近赤外線カメラのグレードアップ。土星の多彩な映像。
打ち上げから10年。過酷な宇宙環境のため、位置制御のジャイロスコープが次々に故障。天体に望遠鏡を向けられなくなった。

第三回サービスミッション(1999/12)
ジャイロスコープは最新のものに替えられ、コンピューターも入れ替えて処理速度は20倍になった。
2000年 M87銀河の中心。ジェットの吹き出し。


第四回サービスミッション(2002/3)
グレードアップは続く。新型の太陽電池パネル。

カメラも最新となり感度10倍。
2003年 らせん星雲。星の終焉。
2004年 キャッツアイ星雲
2005年 かに星雲
遠い宇宙の観測には大きな意味がある。

遠くを観測することで過去が分かる。
 

修理を重ねて来たが運用20年を迎えた時の2008年、NASAによりハッブルの廃棄が告げられた。
故障続き。飛行士による手作業での部品交換。人命を危険に晒し、費用も一千億以上かかる。

File3
ハッブルを襲った最大の危機 救ったのは子供たち


米オハイオ州スター小学校。校名の関係もあり、理科の授業でハッブルの映像を多用。子供たちにとってハッブルはヒーロー。
当時小5のケリー・スタウズマイヤーが、ハッブルの廃棄を知って募金を始めた。集まったのは約10万円だがTV、新聞で全米に伝わり、議会まで動かした。

第五回サービスミッション(2009/5/11)アトランティス号
修理は予想外に困難だった。7年放置された結果、外板のネジが外れない。担当のジョン・グランズファルドは落ち込んだ(ここまで来てネジが回らない)
ネジ頭を潰さないよう細心の注意を払い、何とか外せた。
最新鋭のカメラが取り付けられた。

科学はデータのためだけではなく、ロマンや発見のためでもある。
謎の探求は人類全ての想い。それをハッブルが叶えてくれる。
スペースシャトルは2011年に引退したため、五回目が最後のミッション。
性能披露のため、毎年一枚ハッブルの記念映像が公開された。

2010年 ミスティック・マウンテン(7500光年)


2011年 Arp 273銀河(3億光年)
2013年 馬頭星雲(1500光年)


2016年 NGC 7635バブル星雲(8000光年)
2018年 干潟星雲(4000光年)

30周年記念画像
大マゼラン雲の星形成領域(16.3万光年)


30年、140万回以上観測した画像の中で、最も神秘に満ちた美しさがある。

最後の修理から既に10年以上。

小故障は地上からの指示で復活させ、奇跡の観測を続けている。