リハビリ病院での不満点をあげたら実にきりがないのだが、これらは事前情報の収集を怠った私にも非があった。よってネガティブな視点で見ることはなるべく控えたい。

私は生来とても腸が悪くて幼少時から事あるごとに腹下しを起こしていた。そして大人になってからは食物繊維などを積極的に摂らずにいたので、いつの間にか便秘を引き起こしやすい体質になってしまっていた。

流石にこれは不味いと悟った私は、その解決方法をあれこれと試行錯誤して一つの決断へと至ることになる。それがヨーグルトを食べることだ。それからというもの、毎日の食卓にはヨーグルトが常に欠かせない人間となった。

病院の精密検査の結果、糖尿病といった未知なる持病の発見で、私の食生活は一変することになる。当時はいつでも血糖値が200近くあって、血糖値を下げるためにインスリン注射による治療方法がすぐに始められた。

砂糖類が混入する食べ物は一切禁止となっていた。病院で出されるものは食事制限が敷かれて、食事の献立は一般の患者さんとは明確な区別がなされていた。

なにより困ったのがあのヨーグルトだった。ヨーグルトには市販品に砂糖類が添加されているものが実に多い。無添加もあるが病院内の入手方法では困難だった。私の献立にはヨーグルトが消えてしまったのだ。

ヨーグルトを食べなくなった効果は私にはてきめんであった。1週間後にはそれは見事なまでの便秘となって、排泄したいが出せない苦しみと闘っていたからだ。

病院側には便秘になってしまった経緯を説明してみたが、病院側の回答は便秘が特にひどい場合には肛門から下剤を入れてもらうといった、処置法のみであった。

それからは毎日がつらい便秘との戦いだった。トイレにいる時間が次第に30分、1時間と長くなっていって、排泄できない苦しみが脳梗塞よりも我が身を苦しめた。

これらが日常的になり体力は消耗して弱っていくのが見て取れた。私は耐えかねて家族のメールに愚痴をいうと、返信でマグネシウムの薬が便秘にはいいから、病院で言えば出してもらえるよ、と教えてくれた。

半信半疑で病院でそのことを伝えてみると、翌日からはマグネシウムの薬が出された。やがて便秘の問題はこうして解消された。このときに病院は知らないで黙っていると、問題はいつまで経っても解決されることはない場所だと知ることができた。