合格発表に向けて

ドキドキの1ヶ月半が始まりましたね!

 

 

自己採点の結果が

私のもとにも続々と届いていますが…

今日お伝えしたいことは

『不合格』と『未合格』の違いです。

 

 

社会福祉士試験の合格率は

だいたい25〜30%です。

 

 

10人中3人が合格する試験

 

 

という言葉を聞いたときに

あなたはどんな印象を持ちますか?

 

 

「10人中7人は落ちゃうんだ…」

 

 

試験に対する不安が拭えない方は

こう思っている人の割合が

高いのではないでしょうか?

 

 

先日、脳科学者の

中野信子さんの講演会に

行ってきたんですけどね。

 

 

そこで

セロトニン

(感情や気分、精神の安定に影響を与える物質)

の話がありまして。

 

 

これは遺伝で決まっているそうで、

説明すると長くなるので、

ざっくりお伝えしますね。

 

 

日本には

セロトニンを体内で合成する機能が比較的低い人

(悲観的、慎重に物事を考える傾向がある人)

が65%ぐらいいるんですって。

 

 

アメリカには18%しかいないらしいので、

3倍ぐらい違うんですね。

 

 

「○○できなかったらどうしよう」

「万が一のために○○しておこう」

 

 

こういう考え方は、

日本の防災への取り組みや

食べ物の保存技術など

役に立っていることもたくさんあります。

 

 

でもその一方で、

「10人中3人が合格する試験です」と聞くと

「私は合格しないほうの7人かもしれない」

って考える人が多かったりするんですね。

 

 

たくさんの情報が飛び交う現代、

広告戦略ってうまいじゃないですか?

 

 

受験生の皆さん!

社会福祉士は難関資格なので

Aの教材を使って、Bの講座に通学して、

10人中3人しか受からない狭き門を

一緒に突破しましょう!」

 

 

みたいなお誘いが、

皆さんのところにもきっと

届いていると思います。

 

 

私たちは知らないうちに

不安な気持ちをツンツンつつかれて、

あなたがもっと頑張らないと

他の人が合格しちゃうよーっていう

ある種の刷り込みをされているんです。

 

 

なんでそんな思考になるかというと

経験のせいなんですね。

 

 

皆さんが頭の中で

イメージしやすい受験生って、

おそらく入学試験だと思います。

 

 

幼稚園受験から始まり、

小学校受験、中学校受験、

高校受験、大学受験…

 

 

このうち1つないし2つぐらいは

経験された方が多いと思うのですが、

入学試験と

社会福祉士試験って

構造が全然違うんですよ。

 

 

学校には定員があるので、

入試を受ける学生は

得点順にずらっと並べられて、

あるラインで

合格者と不合格者の線引きをされます。

 

 

例えば定員が100人だったとして

100番ギリギリで合格通知を手にした学生と

101番目で不合格だった学生には

ほとんど実力差がないと思います。

非常にシビアな世界です。

 

 

だから

模試の合格可能性判定に意味があるし、

受験生Aさんの猛烈な頑張りが

受験生Bさんの結果に影響を与えることもあります。

 

 

一方の

社会福祉士試験はどうかというと

運転免許制度に近いと思います。

 

 

決して少なくない科目の単位取得と、

4週間の実習+α(実務経験など)で

土台ができあがった人だけが

社会福祉士の受験資格を得ることができます。

 

 

頑張って養成課程を修了して

受験資格を得た時点で、

一定の基準をクリアした人たちなんです。

 

 

全く運転の基礎がない人が

路上研修に出てたらこわいでしょ?

 

 

「あなたは路上に出ても大丈夫」って

お墨付きをもらってるのが

社会福祉士試験の受験生なんですよ。

 

 

そんなみなさんが受ける

社会福祉士試験ですが、

合格基準点はあっても合格定員はありません。

 

 

合格基準点がなんで変動するかというと

受けた年によって

合格難易度に差が出ないようにするためですね。

 

 

試験問題を作るのも受けるもの

コンピューターではなく人間なので

毎年、全く同じ難易度に揃えることは不可能です。

 

 

だから実際に受けた人たちの

得点分布を見て

「今年の合格点はここにしよう」と

設定することで、

調整されているんです。

 

 

入学試験みたいに

受験生をずらっと並べて

「1万何番目までに入ったらセーフで

その後ろの人はアウトね」って

合格する人数を区切っているわけではありません。

 

 

これが何を意味するかというと

他の受験生の努力は

あなたが受け取る結果には

ほぼ無関係です。

 

 

「毎年、頭のいい人や

猛勉強している人ばっかり受かるんです…。

自分みたいな勉強が苦手なタイプは

何回受けてもダメなんです…」

 

 

ちーがーうーかーらー!!!

 

 

あなた自身が

試験当日までに

今年の合格基準を上回る

準備をして臨んだかどうか。

 

 

それが結果になって

合格発表の日に返ってくるだけです。

 

 

グサッとくるかもしれませんが

心当たり、ありますよね?

 


 『不合格』という言葉は、

「相手が強かったから結果的に自分が負けた」

という意味も込めて使われます。

 

 

でも社会福祉士試験に関しては

社会福祉士になる準備ができた人は

『既合格』

もう少し強化ポイントが残っている人は

『未合格』

そう分けたほうが現実に近いと思っています。

運転免許もそうでしょ?

 

 

自分の能力を否定する意味で

「また不合格だー」と言うのは

もうやめませんか?

 

 

あなたには合格できる力があります。

だから受験資格を得られたんです。

 

 

私は、あなたがこの先の未来に

社会福祉士登録証を

受け取ることを信じています。

 

 

自己採点の結果、

『未合格』がわかったあなたへ。

 

 

落ち込む必要はありません。

1年先に向けて

「合格準備」をしていきましょう!

 

 

ちなみに

「こわいから自己採点できません…」

というメッセージもいただきますが

それに関しては

 

 

知らん。

 

 

としか言いようがありません。

 

 

自分の補強すべきポイントに

目を向けないというのは、

 

 

「急いでる時には

スピード違反や信号無視ぐらい

しちゃうかもしれないけど、

ずっと教習所通ってんだから

そろそろ免許くれてもよくない?」

 

 

みたいな話です。

なんて恐ろしい!!!

 

 

そんな人が国家資格を持って

相談援助の現場に立つイメージは持てないので

優しい言葉をかけてほしいのなら

私ではなく、

「国家試験って難しくて大変でしょー」

ってねぎらってくれる

家族かお友達にでもお願いしてくださいね。

 

 

私は講師のお役目もいただいてますけど

現場実践をするソーシャルワーカーでもあるので、

「受験生はお客様で、私はサービス業のスタッフ」

という意識ではおりません。

 

 

プロらしく、自己研鑽を続ける方の

サポートをさせていただきます。

 

 

まずは自己採点の結果を受け止めて

前に進みましょうね。