ヒューストンにいたころの話です。

5月初めから経済を徐々に再開させたヒューストン、今はまた大変なことになっていますが、
5月初めは心配もありつつ、
みないろいろなものの再開に心躍らせていた感じでした。

我が家が心待ちにしていたのは、

アパートのプール

です。

公園の遊具もずっと閉鎖されている中、
運動と言えば公園の広場にいって
ボールを蹴るか、
縄跳びをするか、
アパート敷地内でお友達と鬼ごっこくらい。

鬼ごっこも子ども達が触れ合ってしまうのでちょっと不安でしたが、
誘われると断るのも難しく、
アパートの子は気をつけているし、
接触も限定的、と自分に言い聞かせていました。

鬼ごっこよりは
塩素が入りすぎのプールの方がリスクが少ないかと。子ども達ももちろん多少の接触はありますが、すぐに塩素に流されるし、
みな家で着替えるので、
更衣室で「密」のようなこともありません。

でもプールのことなどについて以前書かなかったのは、もしウイルスを日本に持ち帰ってしまったときに、こんな過ごし方をしたことを叩かれるかと思ったからです。

今のヒューストンはもう少し警戒が必要かもしれませんが、水泳教室なども感染対策を取りながら再開しているのだとか。

さて、いつも一緒にプールで遊んでくれていたのは人種ミックスの子が2人。
1人は
白人とフィリピン人のハーフで見た目は
やや浅黒いかな、くらいの子。
彼は小さい頃本当に自分がお母さんの子なのか心配して、Birth certificate 出生証明書まで確認したとか。

もう1人は
アジア系のママにジャマイカ人のパパ。
パパは一応黒人らしいですが、全く黒くなく、
Blackなんだよと言われてびっくりしました。
パパの兄弟はかなり黒い人もいるそうです。
子どもは髪はクルクルしているものの、黒人っぽさはなく、目鼻立ちがちょっとはっきりしたアジア人?という感じ。

この2人はもう4年生ですが、1年生の息子ちゃんのお兄ちゃんとしてとてもよく遊んでくれました。

日本でプールといえば、
子ども達が中心の印象ですが、
アメリカのプールは大人、というか、ほぼご老人のような方々がプールサイドの椅子を占拠して、
甲羅干しをしていることが多いです。

こういう中にやや意地悪なおばちゃんがいたりします。

ある日、私は引っ越し準備で
このお友達白人ママに息子ちゃんだけをお願いしてプールで見ててもらっていたのですが、そこで事件が勃発したようで。。

この頃子ども達がちょっとハマっていたのが、
プールサイドの植物にプールの水をあげること。
塩素入りなのであまりよくないので、
少しだけね、との形で許可していました。

で、この日も息子ちゃん達は水をあげ、
その後見てくれていたママに注意されて
やめたようです。

既にやめていたのに、
おばあちゃんが、白人ママのフィリピン人ハーフの子どもに近づき、きつい感じで水やりをやめるように言ったのだとか。

それを見ていたこの子の白人ママ、
おばあちゃんに猛抗議。
(もちろん最初は丁寧に)

もうやめている上に、
注意するなら
子どもに直接言わずに親に言うべき。
見てたら誰が親かわかってただろう、と。

そうしたら、このおばあちゃん、
親は一緒にプールに入ってずっと子どもを見るべき、
と言い出したらしく、
(このママはいつも水着で入れる態勢になってますが)
白人ママは
4年生にもなって、しかも自分が注意して、ちゃんと注意されてやめているのに、
お前にとやかく言われる筋合いはないとブチ切れ。

という事件があったよ〜
ということを後で聞いた私。
いや、我が息子お気に入りの遊びのせいで申し訳ない滝汗滝汗滝汗
と謝る私に、

いや〜あなたがいなくてよかったわよニヤニヤ
あなただったらすぐにあのおばあちゃんに謝っていただろうから〜ウインクと。

それは確実真顔

でも、彼女が引っかかったのは、
水をやっていたのは息子ちゃんを含む3人で、
声をかけられたのは自分の子だけ。

なんとなく、
人種差別?みたいな感覚を感じたのだとか。

息子ちゃんもこんがりしてますが、
一番こんがりしてるのが、このママのフィリピン人ハーフの子。

白人やアジア人といると
我が子が注意される確率が高いように感じることもあるのだとか。

この子はとてもお行儀もいい子です。
実際は問題児、ということはありません。

やっぱり、
トラブルの原因にされやすい順として、

黒人、
ヒスパニック、
その他肌が黒め、、
白人、またはアジア人、、

みたいな感覚に陥ることはあるわ〜と。

そうか、
そういうものか、と。

フィリピン人ハーフのこの子は
ヒスパニックといっても納得の見た目ですし。

このおばあちゃんにそんな意識があったのかなかったのかはわかりませんが、
白人の親でも、我が子の肌の色が違うと、モヤモヤすることはあるんだな、と。

私自身は人種差別を感じたことはない、
というか、軽く見られるのが、
自分の英語力によるものか、
人種によるものかわからないので、
人種というよりもネイティブじゃないことに起因している気がして深く考えたことはありません。

危険視はされないものの、
弱っちいと軽視されやすいアジア系。
そういえば、前に天才君ママが、
キンダー初日に
わんわん泣いているアジア系の小さい女の子がいて、
あーまた典型的なアジア系って思われる〜チーン
って思っちゃったわ〜

という話をしていたことを思い出しました。

どの人種も
人種差別
とまではいかなくても

偏見
ステレオタイプ

みたいなものとは闘っているのだと思います。

じゃあ白人に対しての偏見がないか、
といえばないことはないし、
白人特権
White privilege は言い過ぎだと個人的には思います。

肌の色による偏見がないとはいいませんが、
みんなが肌の色を意識しはじめると
それはそれで収拾がつかなくなります。
モヤモヤは残りますが、
言ってもしょうがないこと。
人に迷惑をかけない、とか
そういった基本的なことを積み重ねるしかないように思います。

一番水やりが好きだった息子ちゃんがいなくなり、
お世話してくれていたお兄ちゃん達が嫌な思いをしていないことを祈っています。