こんにちは。ヒデキ・ノダです。

 

 確か、私が高校生の春休みか、夏休みだったと記憶している。というのも、甲子園とセットで大阪・阪神を旅行したからだ。その時、初めてなんばグランド花月で吉本新喜劇を見た。これが日本中を笑いの渦に巻き込む吉本かと思い、その芸風に酔い痴れた。本場の吉本を生で拝見し、そのコメディの神髄をじかに呼吸できたのは非常に意義のあることで、お笑いの聖地である関西で肌で実感できたこととなった。

 今、吉本興業が雨上がり決死隊の宮迫博之さんやロンドンブーツ12号の田村亮さんの反社会勢力との闇営業問題で揺れている。詐欺に遭われた方には本当にやるせない思いでいっぱいで、岡本社長の言動など吉本の対応に疑問符をつけることもあるかと思う。一方で、お笑い自体が世間の人に軽率に扱われてきたことも強調しておきたい。私もコメディ小説を書いてきて、上の世代の方々から批判や非難を浴びてきた。私は何も悪いことをしていないし、ただ人を笑わせて元気を与えたい一心で書いただけのはずが、思わぬ方向に行くこともあることを知った。もちろん、お笑いは誤解を生みやすい。私もコメディ小説を発表して、そこは重々理解している。ただ、今回の宮迫さんや亮さんのケースで言えば、岡本社長がおっしゃられたように「ファミリー」である一方で、部下である従業員でもある。そこの線引きが社長としては非常に難しいところで、部下を可愛がりすぎてもいけないし、かといって厳しすぎてもいけない苦渋の記者会見であったことは想像に難くない。

 無論、反社会的勢力とのつながりはいけないことかもしれない。ただ、私は過去の小説でヤクザを主人公にしたり、ギャングを登場させたりしてきている。そうしたことを考えた時、宮迫さんや亮さんをかばいたい気持ちもある。ギャラの問題をしかり。なので、契約を打ち切るというよりも、謹慎という形を取るのがベストだと思っている。

 いずれにしてもお笑いの大手である吉本興業の闇営業問題は日本に暗い影を落としたことは列記とした事実だ。今後、このお家騒動が早期に一件落着し、再び日本列島はおろか、世界中に笑いの渦が巻き起こることを期待し、結びの言葉とさせていただく。