アルバム『 Atom Heart Mother (原子心母) 』 リリースに伴って,1970年9月26日ペンシルバニア州フィラデルフィアのエレクトリック・ファクトリー公演を皮切りに,10月25日マサチューセッツ州はボストンのボストン・ティー・パーティー公演まで行われた北米ツアーを終了したピンク・フロイドは,1970年11月06日オランダはアムステルダムのコンセルトヘボウ公演から欧州・北欧ツアーを開始します.
 本CDは,この欧州ツアーの中盤,スイスはモントルーで行われた 「 SUPER POP '70 VII 」(別称:モントルー・ジャズ・フェスティバル)に 2日間連続で出演した際の初日公演(11月21日)の 2種類の録音(Recorder 2:地元ラジオ局:RTS収録によるモノラルSBD,Recorder 3:オーディエンス録音)を収録し Sigamレーベルよりリリースされた 『 Montreux 1970 Day 1 Recorder 2 & 3 : New Transfer (Sigma 235) 』 です.
 因みに 2日目は 『 Too Early For A Gig (No Label) 』 としてリリースされています.

 「 SUPER POP '70 VII 」 出演時のピンク・フロイドの演奏は,両日とも EMI によって正式にレコーディングされ,後に デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)のインタヴューも収録されたアセテート盤も製作されたものの,演奏内容に不満を抱いたメンバーの意向で結局リリースは中止になったという曰く付きの日であり,後述する ヴィクター(Victor)なる人物が録音した音源がネット上に公開された際には,あまりの高音質に,正式にレコーディングされたものが流出したのではないかとの噂まで流れました.
 そしてそのオーディエンス音源を使用して Sigmaレーベルが2010年夏に 『 Victor's Montreux (Sigma 60) 』 をリリース.
 その後,2010年11月21日に今は無きファン主宰レーベルである HRV(Harvested Records) レーベルから 『 Too Late For Mind Expanding (HRV CDR 036) 』 がリリースされ,その音源を使用して LIGHTHOUSE がギフト・アイテムとして本商品にも付属している 『 Too Late For Mind Expanding (Gift CDR) 』を,その直後にプレス化された 『 Too Late For Mind Expanding (No Label) 』 をリリース.

 HRVレーベルがリリースした 『 Too Late For Mind Expanding (HRV CDR 036) 』 は,上述の ヴィクター(Victor)のオーディエンス録音(Recorder 1)に,メーカー情報にある Recorder 2,3 を補填したものですが,今回 Sigmaレーベルは,Recorder 2,3 を各々1枚のディスクに収録し 『 Montreux 1970 Day 1 Recorder 2 & 3 : New Transfer (Sigma 235) 』 としてリリース.
 正直,この日の商品は 『 Too Late For Mind Expanding (No Label) 』 で打ち止めと思っていただけに少々驚きです.

 メーカー情報では
 『1970年11月21日、スイス・モントルー。ピンク・フロイドの非公式音源ファンにとってこの日の録音はヴィクターなる人物が当日の会場で実況録音した超高音質AUD録音が有名です。
 西ドイツ製の可搬型デッキUHER 4200に、その形状から" クジラ "として親しまれた名機Sennheiser MD-421マイクを接続してレコーディングされたその高解像サウンドは当Sigmaレーベルから2010年12月に『VICTOR'S MONTREUX (Sigma 60)』としてプレス音盤化され、一躍70年フロイド非公式音源のトップ録音として大きな話題を呼びました。

 その後、このヴィクター録音が抱えていたピッチの狂いやキュルノイズのリペア、果てはテープ劣化が目立っていた「Cymbaline」の冒頭2分間に約140箇所ものドロップをひとつひとつ丹念に処理する事で、耳にした誰もが大きな手応えを感じる究極のレストア版ソースがフロイド音源サイト" Harvested "から公開され、これが『TOO LATE FOR MIND EXPANDING (No-Label)』として2011年2月にプレス音盤化。ただでさえDATで録った様な最高音質のヴィクター原音に最高の品質を備えさせる事に成功したこの驚異的なアッパー盤は、2019年現在でも70年11月21日・モントルー初日のフラッグシップ・タイトルとなっています。

 そんな稀代の傑出盤『TOO LATE FOR MIND EXPANDING』ですが、Harvestedがヴィクター録音からこのアッパー・ソースを制作する際、当然ながらその補填素材として同日の別録音を使用していた訳です。特にヴィクター録音がテープチェンジ等によって抱えていた幾つかのシーン欠落については、その補填に見合うだけの音質も備えていなければどれだけ完璧にデジタル結合させてもその区間だけ音質差による違和感が生じてしまいます。しかし『TOO LATE FOR MIND EXPANDING』をお持ちの方は改めて確かめて戴きたいのですが、あれを聴いて補填部分の音質差による違和感を感じた事があるでしょうか? ...そう、どのシーンを聴いてもパーフェクトに音が揃った一気通貫サウンドしか出てこないため、むしろ補填されていた箇所がどこなのか思い浮かばない方が多い筈です。

 今回このSigma最新作でスポットが当てられたのは、そんな極星のヴィクター録音を本体に負けない秀逸サウンドで力強くバックアップしたRecorder 2と3です。『TOO LATE FOR MIND EXPANDING』アルバムが絶対的定番となっている現在、この2つの同日録音はその存在すら歴史の波に消えつつありますが、何故これに今再びスポットが当てられたのか、その鍵となる特徴と概要をそれぞれ簡単に書き出しておきましょう。

 ************ 
 【Recorder 2】 :
 ジュネーブに本局がある放送局RTS(* RADIO TELEVISION SUISSE)の収録による、放送されなかったオフ・エアのモノラルSBD録音。
 フランスのアナウンサーによる冒頭のバンド紹介部分を除き、元来ステレオ収録だったものがモノラルにダウンミックスされているのが特徴です(※ 恐らくですが、RTSがまだ局としてステレオ業務放送に対応していなかった為のダウンミックスかと思われます。
 英国BBC Radio 1も1971年にようやくステレオ業務放送を開始している時代です)。このRecorder 2は既発盤『THE GOOD... THE BAD (fa 033)』(ディスク1)によってその存在が広く知られましたが、ソース登場時は翌22日・モントルー2日目の音源と信じられていました。しかし2010年にヴィクター録音が登場した事により、現在では全て21日・モントルー初日の演奏であると判明しています。
 音質秀逸な放送用SBDです。

 【Recorder 3】 :
 ヴィクター録音とは別の同日AUD録音ソース。
 『THE GOOD... THE BAD (FA 033)』のディスク2でおなじみのソース。元はリール・テープで、録音機材は日本のAKAI製ステレオ・レコーダーが使われており、ステージから約6メートル離れた会場中央に高さ約70センチのスタンドを設置、これに2つのAKAI製モノラル・マイクを挿して録音した事が判っています。
 録音した人物がセミプロのレコーディング・エンジニアだった事もあり、その音質は明らかに素人が録ったものではない事が伺える抜群の音質と音像を誇ります。残念ながら4曲分しか陽の目を見ていないので存在感が薄く、主に補填用に使うサブ・ソースの位置付けでしか認識されていませんが、その全体像はヴィクター録音に迫るほどのクオリティを持っており、決して無視出来ない高音質録音です。


 ※
 ちなみに【Recorder 1】は、前述の『VICTOR'S MONTREUX (Sigma 60)』(Victor録音。Interstellar Overdriveは2日目)、『SMOKING BLUESS (Funny Boot Records, FBR 001/002)』の3曲(Embryo、Just Another Twelve Bar、More Blues)です。
************

...以上、ヴィクター録音が異常なほどの高音質を誇っている為に存在感が希薄になっているのですが、何しろアレをバックアップしていたソースですからどちらも隅に置けない高音質録音であった理由がお分かりになると思います。
 これらRecorder 2と3に注目して現代の最新機材と音響ソフトでリマスターし、ネット公開によってそのサウンドの存在意義を改めて世に問い掛けたのが、フロイド音源ファンお馴染みのNeonknight氏です。テープ・トランスファーは2016年8月に行っていた様ですが、彼は甲乙付け難いその両サウンドに惚れ込んでその後3年間も念入りに補正とリマスター作業を行うというHarvestedもビックリの音像調整を敢行。
 その結果両ディスクとも各Recorder史上最強の仕上がりが実現し、満を持した新しいサウンドの息吹きでRecorder 2と3が甦ったのです。

 特にRecorder 2については既発盤『THE GOOD... THE BAD』に使用したリール現物から新たにテープ転送した上でレストアとリマスターを試みており(※ つまりCDの収録音をイコライズ再調整したのではなく、マスターに残る生原音をゼロから精査し直している)、Recorder 3についてもまずデッキのアジマス調整をした上でリマスターするという念の入れ様です。
 あまり聞き慣れないオーディオ用語ですが、アジマスの調整とは左右の出力が同位相になるよう再生ヘッド角を調整する事で、これによって再生ヘッドは出力が最大値となり正しい音像を結びます。前述の通りRecorder 3はモノラル・マイク2本で収録していますので、これにより正しく像を結んだ真のRecorder 3原音力が放たれる訳です。わざわざこの調整をしているという事はこれまでのRecorder 3が正しく音の像を結んでいない事に気付いているからで、そこにはこの両録音がヴィクター録音と肩を並べるほど優れた音を秘め、正しく調整すればそれを放てる実力を持っているという確信が読み取れるでしょう。

 例えばディスク1で聴けるRecorder 2。
 ここで驚かされるのはキリッと鋭利な音の立ち上がりです。精査されたRecorder 2原音の解像度が増して中音域の向上感が出ているのを「Astronomy Domine」の冒頭から実感されると思いますが、中盤のか細く消えては浮上してくるシーンも左右チャンネルに更なる拡がりをお感じになる筈です。
 「Fat Old Sun」では歌声の伸びが増して鮮やかになり、バックで鳴っているオルガン、そしてシンバル打音の煌きが一層の明瞭感を発揮し、実際に当日のスピーカーから出ていたであろうリアルな生音の響きと鼓動を御愉しみ戴けるでしょう。また旧Recorder 2に比べてベースの音も+1ほど明瞭さがアップしている印象もあり、特に8:11から9:51付近まで展開するオルガンとリズム隊によるアンサンブルはリール原音から新しくトランスファーされた音の違いが判り易く出ています。
 「Cymbaline」では歌詞と音楽が歩み寄る姿が更に濃密なサウンドで放たれ、歌が一段落してアンサンブルがグッと出てくるシーンに顕著だった音像のアンバランスさも可能な限りまろやかになっており、その音像の安定感にもニンマリ頷かれる筈です。中盤の足音シーンも透明感が向上してハイヒールの移動音に奥行きと動きの変化が色濃く出ている為、終盤へ聴き進むほどそのサウンド・ドラマに惹き込まれてゆくのです。
 「Green Is the Colour」のギターの艶、流動感溢れるアンサンブルの滑らかさも特筆され、その品位溢れるリマスター・サウンドが「Careful With That Axe, Eugene」で徐々に聴き手に迫ってくる様子も、ヴィクター録音とは違う真新しい知の戦慄を覚えるに違いありません。

 ディスク2はRecorder 3の登場です。
 僅か4曲分しか無いもののそのサウンドはヴィクター・ソースに肉迫するほどの高音質AUD録音となっており、今回のテープ転送にあたって正しくアジマス調整された原音の威力も存分に感じられるディスクとなっています。
 その成果は「Atom Heart Mother」から炸裂し、非公式音源ファンが恐らく最も好むであろう透明な至近距離音+程好い臨場感という理想のAUDサウンドが耳元で展開します。中~高音域の拡がりにも注目で、これは5:11からギルモアのガイドボーカルで暫く進行する区間を聴くと分かり易いのですが、透明感と奥行きがこれまでのRecorder 3より増しているのも実感出来るでしょう。ドラムの打音も幾分エッジが増して鮮明になっており、コーダに至る過程で聴ける15:21~の踊る様なタムの連打など、メイスンがこの曲で担っていた楽曲の躍動感が非常に掴み易くなっています。
 「The Embryo」は楽曲中盤、ブルージーな展開部でフックを多用するベースとオルガンの対比がますます際立つ音像で登場、後に「Echoes」に転用される事になる鳴き声の区間も音像が正しくチューニングされた事で音色の威力とスケール感が増しており、当日実際に耳に届いたであろう質の高いドキュメンタリーな響きが御愉しみ戴けるでしょう。
 「Careful With That Axe, Eugene」もその圧倒的な原音再現力が聴きモノで、音という言語手段によって物語と時間を構築してゆくプロセスが素晴らしいリマスターによって甦っています。残念ながらスクリーム後に約2分30秒ほど進んだ辺りで録音はブツ切れている(※ 恐らくテープの残量切れ)のですが、それもまたRecorder 3をありのままの姿で伝え切るという心憎い" 狙い "となっているのが判るのです。

 実際にショウを観た方の話では、この時のモントルー会場は高さ僅か30センチ程度の低いステージだった様ですが、言い換えればこれは設置されたステージ上のスピーカーの位置も低かった筈で、音が目線の高さで直接ぶつかってくる事を意味します。会場中央に高さ70センチの位置でマイクを2本置き収録したRecorder 3が何故これだけダイレクトに直撃音を拾えたのか、それは恐らくこれが理由でしょう。
 一方のRecorder 2も演奏音が近いのは勿論、ここでは場内の残響や空間性を考慮した放送局が選びそうな安定感抜群の音像が極上のモノ・サウンドで甦っており、その業務用に録られたサウンド・ビジョンに強く魅了される筈です。

 確かにヴィクター・ソースは他よりも突き抜けた傑出録音ではありますが、それ単体では決して完璧ではありません。あれをパーフェクトにしていた同日サブ・ソースの威力と魅力を知る事もまたこの70年モントルー初日のフロイドを更に深く理解する有効な鍵となり、レコーダー違いによるフロイド・サウンドのコレクションを最良の音質で充たしてくれるでしょう。サブ・ソースならではの、しかしもうサブ・ソースとは位置付けられない資質を備えた70年モントルーのアナザー・サウンドを今週末、是非御堪能戴きたいと思います。あの時代に失われた音楽と聴衆による一体性を別の視点で補完出来る、魅惑のSigma最新作です!!』



Montreux 1970 Day 1 Recorder 2 & 3 : New Transfer (Sigma 235)
 
 Live At Super Pop 70 VII,Casino de Montreux Montreux, SWITZERLAND 21st November 1970

  Disc 1
  [Recorder 2 : RTS Radio Broadcast,Off-Air Recording]
   1. Announcer - Astronomy Domine
   2. Fat Old Sun
   3. Cymbaline
   4. Green Is the Colour
   5. Careful With That Axe, Eugene
   6. Set the Controls for the Heart of the Sun
   TOTAL TIME (63:25)

  Disc 2
  [Recorder 3 : Audience Recording]
   1. Atom Heart Mother
   2. The Embryo
   3. Green Is the Colour
   4. Careful With That Axe, Eugene
   TOTAL TIME (41:58)

 Careful With That Axe, Eugene [Disc 1, Track 5]
 
 The Embryo [Disc 2, Track 2]
 
 Green Is the Colour [Disc 2, Track 3]
 

 本商品のリリース初週に限り,2009年にネットに登場した奇跡の超高音質ソース「Victor's Montreux」(Recorder 1) をメインに使用し,今は無きファン主宰レーベル: Harvested が 造りあげたモントルー初日の大傑作タイトル 『 Too Late For Mind Expanding (Special Bonus 2CDR) 』 が,付属しています.

 因みにメーカー情報内にも記載されていますが,このボーナス・アイテムは過去商品 『 Too Late For Mind Expanding (No Label) 』 としてリリースされ完売しています.

 メーカー情報では
 『ファン主幹のフロイド専門レーベル「ハーヴェステッド」が発表した最新超高音質アイテムを収録。
 2009年末にtorrentサイトに公開され、世界中のフロイド・コレクターを唖然とさせた「ヴィクター」なるテーパーが録音したとされる1970年モントルー・ジャズ・フェスティバルの初日11月21日のライブ音源を収録。
 当初、11月22日(モントルー2日目)の新音源と言うことでインターネットで紹介され、そのクオリティの高さにフロイド・ファンの間で、ちょっとしたパニックを巻き起こした程の最高グレード・アイテムでしたが、後のネット上のマニアの検証で、ラストトラックのInterstellar Overdriveを除いては、全て11月21日のモントルー初日公演のテイクということが判明しました。(テーパーは2晩ともリールデッキでショウを録音していたとのことですが、後に再生装置が壊れてしまい、その全てをトランスファー出来ず、結果として、それぞれのトラックの公演日が曖昧になってしまっていたようです。)
 熱心なフロイド・マニアの探究の結果、1995年に登場した定番音源「Smoking Blues」のEmbryo, Just Another Twelve Bar, More Bluesはこのヴィクター・テイクのコピー・ヴァージョンであったことが判明(実際は、ヴィクター版のほうが音が良く、収録時間も長いため「Smoking Blues」は若干、世代を経たテープコピーをマスターに使用したと思われます。)、また長らく翌日22日テイクと信じられてきた「The Good… The Bad」は実は初日音源だったことが判明したりと、このヴィクター音源の登場は、頑なに信じられてきたモントルー70年音源の通説を根底から覆す非常に重要な発掘でありました。

 2010年に入り、オリジナルの「ヴィクター音源」はピッチおよびノイズ補正を施したタイトル「Victor's Montreux」がSigmaからリリースされ、フロイド・ファン必携の1枚として好評を得るに至りました。しかし、2010年末、突如、「ハーヴェステッド」が本テイクの最終決定版「Too Late For Mind Expanding」を発表、世界中のマニアを再び唖然とさせました。
 2009年末発表された「ヴィクター音源」は、現代DATで録音されたかのような超高品質なサウンドなのですが、幾多のピッチやノイズの問題を孕んでおり、リールテープの特性か、特にFat Old Sun, Atom Heart Mother, A Saucerful Of Secretsなどは曲中からどんどんスピードが下がってしまうという問題がありました。
 「Too Late For Mind Expanding」では、それらは先にリリースされたSigma盤「Victor's Montreux」同様に、全ての曲ごとにしっかりとピッチ補正がされています。「Victor's Montreux」はピッチとノイズ補正のみで、純粋に「ヴィクター音源」をあるがままの状態でお聞かせすることを主眼に作成されましたが、今回のハーヴェステッド版「Too Late For Mind Expanding」は、複数のカット部分を別音源から補填することで、より完成度の高い、その名の通り「11月21日」の決定版を作り上げています。非常に長い時間と高度な技術でリストアを試みており、キュルっとした感じでスタートしていたFat Old Sunの冒頭、テープ劣化によりつっかかるような再生だったCymbalineの冒頭2分(正確には140箇所のドロップをひとつひとつ丹念に処理)、Atom Heart Motherの6:27のキュルノイズの補填、A Saucerful Of Secretsの中間部のカットを別のショウから補填しています。
 更に素晴らしいのは原音で欠落していたGreen Is The Colour 3:20以降のエンディング、Careful With That Axe, Eugene丸ごと、そして Set The Controls For The Heart Of The Sunの冒頭30秒で、この部分は同日別音源の「The Good… The Bad」から見事に補填しており、流石にこの部分は音質は落ちるものの、それでも十分に聴ける音質ですので、無理無く一気にこの日のライブを聴くことができます。全体の音の印象やラウド感、スケール共に更にアップグレードしており、あれだけ頻繁にあったLRチャネルの不安定な感じも全く問題なくなっており、見事なトリートメントを通過した、正に文字通りの「Definitive Version」を楽しむことができます。
 本当に気が遠くなるほどの作業を通して歓声されたテイクであり、しかも、これほどまでに完璧な音質と形態で聴けるのですからファンにとっては究極の「モントルー音源」と言えるでしょう。「初日の決定版」というコンセプトで作成されたものですので、ヴィクター音源の中から唯一の翌日テイクInterstellar Overdriveは故意に未収ですが(「Victor's Montreux」には収録されています。)ここまで完成度の高いフロイド・ライブ盤というのも滅多に無いと断言できる程の力作・出来栄えであり、ファンは絶対必聴です。収録時間は2時間14分。ヴィクター音源のダイレクト版「Victor's Montreux」所有のコレクターにこそ、この違いと完成度を満喫し、楽しんで頂きたい、フロイド・ライブCDにおける頂点の一枚。聴けば聴く程凄い・・・このクラスの音源は絶対にプレスCDで所有したい!という、多くのコレクターの皆様の声にお応えして、話題の超々高品質音源が待望のプレス盤タイトルにて緊急入荷!!貴方のフロイド・コレクションの中で、永遠の光を放つであろう、決定版中の決定版音源タイトル。

 ★beatleg誌 vol.129(2011年4月号)のレビュー要訳です。ご参考まで。
  Floydが1970年のMontreux Jazz Festivalに出演した2日間の記録は、Uher 4200とSennheiser MD-421を使用して、Victorなる人物によって素晴らしいレコーディングが行われたのだが、その音源が2009年にtorrentサイトを通じて広くシェアされたことはすでにご存知の通り。その音源を使用したタイトル『Victor's Montreux(Sigma 60)』が、Sigmaからリリースされ、大変な人気盤となったことも記憶に新しい。その後、Vector音源から初日分のみを抽出した徹底的なレストア作業がファン主宰のHarvestedレーベルによって行われ、昨年暮れについに『Too Late For Mind Expanding』というタイトルでリリースされた。このレストア作業には大変な労力が費やされており、一小節単位でのピッチ修正や140箇所にも及ぶdrop-outsの修正が行われている。またカット箇所は当日の別音源からリミックスされている。サウンドボードに匹敵する極上のレコーディングと彼らの編集技術をじっくりと堪能してみてほしいと思う。

 ★2010年末にHarvestedが発表した「Victor's Montreux」(Recorder 1)をメインに3ソース混合で造りあげたモントルー初日の大傑作タイトル「TOO LATE FOR MIND EXPANDING」が、新作初週のみのボーナスで登場!サウンドボードに匹敵する驚異的音質と緻密に編集された内容は今聴いても圧巻。

 ★2010年代のフロイド音源では、「神秘」を含む71年箱根新ソースと、このモントルー「Victor音源」が最高だったのではないでしょうか。』

Too Late For Mind Expanding (Special Bonus 2CDR)
 cinnamonの音楽ときどき競馬予想-PF Too Late For Mind Expanding
 Live At Altes Casino,Montreux,SWITZERLAND 21st November 1970
 [Repitched & Restored: Ultimate edition!!]

  Disc 1
   1. Astronomy Domine
   2. Fat Old Sun
   3. Cymbaline
   4. Atom Heart Mother
   5. The Embryo

  Disc 2
   1. Green Is The Colour
   2. Careful With That Axe, Eugene
   3. Set The Controls For The Heart Of The Sun
   4. A Saucerful Of Secrets
   5. Just Another 12 Bar Blues
   6. More Blues

 A Saucerful Of Secrets
 
 Just Another 12 Bar Blues
 

[参考]

原子心母
(紙ジャケット仕様)
(完全生産限定盤)



原子心母
(完全生産限定盤)
[Analog]



Ummagumma
ウマグマ




1970
 September
  12 Fete de L'Humanite,Grand Scene,Bois de Vincennes,Paris,FRANCE
      ⇒ [Filmed, Not Broadcast]
  26 The Electric Factory,Philadelphia,PA,USA
  27 Fillmore East,Manhattan,New York City,NY,USA
      ⇒ [Two Shows]
 
 October
  01 Memorial Coliseum,Portland,OR,USA
  02 The Gymnasium,Gonzaga University,Spokane,WA,USA
      ⇒ [Rescheduled To 4 October]
  02 Moore Theater,Seattle,WA,USA
  03 Moore Theater,Seattle,WA,USA
  04 Open House,Seattle,WA,USA
      ⇒ [Rescheduled To 2 & 3 October]
  04 The Gymnasium,Gonzaga University,Spokane,WA,USA
  06 Central Washington University,Ellensburg,WA,USA
  07 Gardens Arena,Vancouver,B.C.,CANADA
  08 Jubilee Auditorium,Calgary,AB,CANADA
  09 Sales Pavilion Annex,Edmonton,AB,CANADA
  10 The Gardens,Edmonton,Alberta,CANADA
      ⇒ [Rescheduled To 9 October]
  10 Centennial Auditorium,SK,CANADA
  11 Centre of the Arts,Regina,SK,CANADA
  13 Centennial Concert Hall,Winnipeg,MB,CANADA
  15 Terrace Ballroom,Salt Lake City,UT,USA
  16 Pepperland Auditorium,San Rafael,CA,USA
  17 Pepperland Auditorium,San Rafael,CA,USA
  18 Intercollegiate Baseball Facility,University of California,San Diego,CA,USA
  21 Fillmore West,San Francisco,CA,USA
  23 Civic Auditorium,Santa Monica,CA,USA
  25 Boston Tea Party,Boston,MA,USA
  31 Black Magic & Rock & Roll,Cincinnati Gardens,Cincinnati,OH,USA
      ⇒ [Cancelled]
 
 November
  06 Concertgebouw,Amsterdam,The NETHERLANDS
  07 Grote Zaal,De Doelen,Rotterdam,The NETHERLANDS
  11 Konserthuset,Gothenburg,SWEDEN
  12 Falkoner Teater,Copenhagen,DENMARK
      ⇒ [Two Shows]
  13 Vejlby Risskov Hallen,Arhus,DENMARK
  14 Ernst-Merck Halle,Hamburg,GERMANY
  19 Civic Arena,Pittsburgh,PA,USA
      ⇒ [Rescheduled To Syria Mosque]
  21 Super Pop '70 VII,Casino de Montreaux,Altes Casino,Montreux,SWITZERLAND
  22 Super Pop '70 VII,Casino de Montreaux,Altes Casino,Montreux,SWITZERLAND
  23 Grosser Konzerthaussaal,Wiener Konzerthaus,Vienna,AUSTRIA
      ⇒ [Rescheduled To 29 November]
  25 Friedrich Ebert Halle,Ludwigshafen,GERMANY
  26 Killesberg Halle 14,Stuttgart,GERMANY
  27 Neidersachsenhalle,Hannover,GERMANY
  28 Saarlandhalle,Saarbrucken,GERMANY
  29 Grosser Konzerthaussaal,Wiener Konzerthaus,Vienna,AUSTRIA
      ⇒ [Cancelled]
  29 Circus Krone,Munich,GERMANY
 
 December
  05 ORTF TV Studios,Buttes Chaumont,Paris,FRANCE
      ⇒ [Volumes,ORTF2,Broadcast 27 May 1971]
  11 Big Apple,Regent Theatre,Brighton,UK
  12 The Roundhouse Public House,Dagenham,UK
  18 Town Hall,Birmingham,UK
  20 Colston Hall,Bristol,UK
  21 Free Trade Hall,Manchester,UK
  22 City (Oval) Hall,Sheffield,UK
 
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In Germany 1970 - 1971 (Sigma 71)
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Victor's Montreux (Sigma 60)
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Corrosion (Siréne-235)
 









#2019-12-04