1970年6月26日~28日の 3日間に渡りオランダはロッテルダムのクラリンゲン地区にあるクラリンセ・ボスで 10万人を動員して開催された クラリンゲン・ミュージック・フェスティヴァルKralingen Music Festival).
 このフェスティヴァルには,ヘッドライナーを務めた ピンク・フロイド(Pink Floyd)の他,ファミリー(Family),T・レックス(T Rex),キャンド・ヒート(Canned Heat),ジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane),イッツ・ア・ビューティフル・デイ(It's A Beautiful Day),ザ・バーズ(The Byrds),サンタナ(Santana)他,が出演しています.

 この模様の一部は,オランダの映画監督:ジョルジュ・シュルイツァー(George Sluizer)によりドキュメント映画 『 Stamping Ground (スタンピング・グラウンド) 』 として制作され,10年以上前には Amazon 等でソフトを購入する事もできましたが,現在は廃盤で入手困難な状態となっています.
 この入手困難なソフトが,何と商品を 2組購入すると希望者に配布されるギフト・アイテムとして登場しました.
 因みに映像は [参考] にも記載している通り,Youtube上にもアップされています.

 ピンク・フロイド(Pink Floyd)部分に関しては,Youtube公式チャンネルでも公開されており,過去の記事 『 Kralingen Music Festival 1970 』 としてアップしているので映像を観られた方も多いと思います.

 メーカー情報では
 『「ウッドストックに対する欧州からの回答」とも言われたオランダの音楽祭“KRALINGEN MUSIC FESTIVAL 1970”。
 伝説フェスの現場を描き出したカルト映画『STAMPING GROUND』がギフト・リリース決定です。
 このショウが行われたのは「1970年6月26日-28日ロッテルダム」。ワイト島フェスティバルの約2ヶ月後に行われ、10万人以上とも言われる大観衆が集った野外フェスティバルでした。このフェスはウッドストックと同じようにジョルジュ・シュルイツァー監督(リヴァー・フェニックス主演の『ダーク・ブラッド』でも知られる監督です)によって撮影されて映画化。激動の1970年を描き出すカルトな名作として愛されてきました。本作は、そんな伝説的なコンサート映画の最高峰版。リリースから間もなく廃盤となった日本盤DVDから復刻した1枚です。
 本作最大の見どころは、もちろん貴重なライヴシーン。ヘッドライナーは『原子心母』の制作中に出演したPINK FLOYDでしたが、それ以外にも美味しい出演者が盛りだくさん。

 まずは、そのラインナップを整理してみましょう。

  ●英国勢(3組/4曲)
  ・PINK FLOYD:Set The Controls For The Heart Of The Sun - A Saucerful Of Secrets
  ・マーク・ボラン&T.REX:By The Light Of The Magical Moon
  ・FAMILY:Drowned In Wine
  ・アル・スチュワート:Zero She Flies

  ●米国勢(9組/14曲)
  ・SANTANA:Gumbo/Jingo/Savor
  ・JEFFERSON AIRPLANE:Saturday Afternoon - White Rabbit - Ballad Of You And Me And Pooneil
  ・CANNED HEAT:Human Condition - So Sad (The World's In A Triangle)
  ・IT'S A BEAUTIFUL DAY:Wasted Union Blues - Open Your Hearts
  ・THE BYRDS - Old Blue
  ・Dr.ジョン:Mardi Gras Day
  ・カントリー・ジョー:Freedom Is A Constant Struggle
  ・FLOCK - Big Bird 公式なのにUnknown Song

 ……と、このようになっています。

 本作はあくまでも編集されたドキュメント映画ですので、バンド毎に区切られているわけではなく、実際の出演順でもない。そして、その内容が特濃。
 デビュー間もないSANTANAやT.REX、ロジャー・チャップマン率いるFAMILY、ウッドストックにも参加したJEFFERSON AIRPLANEやCANNED HEAT、DEEP PURPLEファンにもお馴染みなIT'S A BEAUTIFUL DAY等々。直前にワイト島フェスがあったせいか英国勢は少なめではありますが、当時を代表する英米のバンドがたっぷりと観られるのです。
 その1曲1曲が秘宝ではありますが、さらに印象的なのが時代を映し出す光景。ウッドストックばりに広大な空間に膨大な群衆が集まり、その1人ひとりが極めてフリー。野原に寝転んでは太陽と音楽を謳歌し、半裸で踊る。まだまだラヴ&ピースに現実感があった時代の光景が鮮やかに描かれていくのです。しかも、オランダというのが大きい。
 この頃にはマリファナへの寛容政策が始まっており、会場では大らかにキメる観客の姿が映し出される。現場には覆面警官もいたそうですが、ディーラーも含めてドラッグでの逮捕者は1人も出なかったそうです。そんなムードがにわかに怪しくなるのがIT'S A BEAUTIFUL DAY。彼らの公演中に天候が怪しくなる。暗雲が立ちこめ、雷鳴が轟き、突風が吹きすさぶ。嵐は長続きしなかったようではありますが、そんなムードも異様にリアルなドキュメントなのです。
 そして、ハイライトはやはりPINK FLOYD。フィルムはやや赤みがかっていますが、サイケでリアたっぷりに「太陽讃歌」「神秘」を演奏していく。ニック・メイスンの口ひげもリチャード・ライトの指先も間近なら、陶酔するロジャー・ウォーターズの表情も吠えるデイヴ・ギルモアの口元もドアップ。このフェスは初来日の14ヶ月前にあたるわけですが、まるで箱根の光景が目の前に現れたかのようです。

 音楽が世界を変えられると信じられ、ロックが若者のパワーからビジネスへと静かに変貌しようとしていた1970年。そんな時代の薫りを伝えてくれるカルト映画の大傑作です。ウッドストックがアメリカの光景なら、本作はヨーロッパの現場。ミュージシャンの思い出話から想像していた時代の風景に1時間半たっぷりと浸りきれる1枚。ぜひ、この機会にご堪能ください。』


Stamping Ground : Kralingen Music Festival (Gift DVDR)
 
 The Kralingse Bos, in the Kralingen neighbourhood of Rotterdam, Netherlands  26-28th June 1970
 PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.89min.
 

   1. Introduction
   2. Santana - Gumbo
   3. Al Stewart - Zero She Flies 
   4. Canned Heat - Human Condition
   5. Canned Heat - So Sad (The World's In A Triangle)
   6. Tyrannosaurus Rex - By The Light Of The Magical Moon
   7. Jefferson Airplane - Saturday Afternoon
   8. It's a Beautiful Day - Wasted Union Blues
   9. Family - Drowned In Wine
  10. Country Joe - Freedom Is A Constant Struggle
  11. Dr. John - Mardi Gras Day
  12. It's a Beautiful Day - Open Your Hearts
  13. Flock - Big Bird 公式なのにUnknown Song
  14. The Byrds - Old Blue
  15. Jefferson Airplane - White Rabbit
  16. Jefferson Airplane - Ballad Of You And Me And Pooneil
  17. Pink Floyd - Set The Controls For The Heart Of The Sun
  18. Pink Floyd - A Saucerful Of Secrets
  19. Santana - Jingo / Savor
  TOTAL TIME (89:06)

 収録されている映像の一部
 

[参考]
 Youtube 上にもアップされている映像
 Stamping Ground - Holland Pop Festival 70 (1970)
 
 Pink Floyd - Kralingen Music Festival 1970
 


 
[関連記事]
Kralingen Music Festival 1970 (Pink Floyd)
 






#2020-01-14