「G線上のあなたと私」第6回感想 | 感想亭備忘録

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年齢も血液型も星座も同じですけど、ほんと私たち全然違いますね。

 

このセリフは衝撃です。

也映子(波瑠)の「誰にも気にかけてもらえない私」という弱音に対する真於(桜井ユキ)の痛烈な一撃です。

 

おそらく也映子も自分の発言が甘えだとわかっているはずです。愚痴だと自覚しているはずです。それでもそれを言わずにはいられなかった彼女に、斟酌なく正論を突き刺す真於の、その一切の甘えを許さない姿勢に彼女の生きてきた人生の壮絶さとそこから来るストイックさが伺い知れます。

 

あの心理状態であのセリフを聞けば自棄になっても仕方がないところをそうはならずに踏ん張れる也映子の地味な強さにも驚かされました。なんだかみんなに頑張ってほしいと思ってしまいますね。

 

偶然の立ち聞きや偶然の遭遇が頻発する典型的な恋愛ドラマな部分があるのにそれほど拒否反応が出ないのは、登場人物たちの思考が、「だれを選ぶべきか」「誰を好きなのか」ではなく「自分がどうあるべきなのか」「自分はどうありたいのか」という方向にベクトルが向いているからなのかなぁとちょっと思いました。

 

次回ぐらいに理人(中川大志)も也映子も自分の気持ちに気が付きそうですね。そこで物語がどの方向に転がるのか。「自分の内面を確立する」方向に話が向かうのか、「好きな人が誰かとイチャイチャしてて悲しい」的な安易な恋愛ものに流れるのか、興味深いところです。