MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
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ガンになるまでの日々 18 - 個室(2009年2月)

2008年11月1日 盲学校で。タイプライターで打った点字を、読み返して確認。(全盲難聴・のんたん 13歳/中1)


2009年2月


2か月もの長い入院を経て、
ガンでもないのに、
すっかり、「ガン耳年増」になった私。笑


ガンという病気について、
実感したことが、みっつあります。
最後に、それについて、
書いておこうと思います。


①ガンは、特別の病気ではない。


今や、ふたりにひとりが
ガンになる時代だそうです。
ガンになるということは、特別のことではなく、
誰にでも起こり得ることです。
50%の確率で起こるかもしれないことであれば、
元気なうちに、できる準備をしておく、
という考えは、ムダではないと思います。


たとえば、どこの病院で診てもらうとか、
おおまかな心づもりをしておくと、
ガンと診断されたときに、
混乱している状態で、
病院を選ぶ心の余裕がない、
などということが避けられるかもしれません。


病院選びの基準は、人によって変わると思います。
ちなみに、私の場合は、
「卵巣がんの年間手術実績」に注目し、
都内で手術数の多い病院を、
上位5軒くらいまで調べたように
記憶しています。


②ガンになったときが、人生の終わりではない。


これについては、
これまでに私が書いてきたことを、
お読みいただければ、
わかっていただけるかな、と思います。


G研での入院中に、たくさんの方々と、
出会うことができました。
ガンと診断されて、再発や転移が起こっても、
絶望することなく、
誰もが、淡々と治療を受けておられました。


交通事故や脳・心臓疾患では、
起こったその日に
亡くなってしまうこともありますが、
ガンの場合は、診断されたその日に
命が終わるわけではありません。


ガンとわかったときから、
治療を始めることができるし、
さらに、誤解を恐れずに言わせていただければ、
ガンは、「時間のある病気」です。
自分の周りの大切な人に、お別れを言う時間があり、
自分の物を整理したり処分したりする時間がある…。
私は、そう思っています。


③自分ひとりの殻にこもらない。


病院には、「個室」と「相部屋」があります。
私は、入院するときには、
必ず、「相部屋」を希望しています。
それはもちろん、金銭的な理由が大きいです。


が、それだけではありません。
G研に入院してみて、
「ガンになった人同士で語り合う」
ということが、いかに貴重であるか、
実感しました。
同じ病気の人と、たわいのない話をするだけで、
救われることもあるのです。


それについては、入院中のエピソードがあります。
ある日、ルームメイトが、
どこからか、噂を聞きつけてきました。


「個室に入っている人で、
 ノイローゼになった人がいるんだって。」


「へえ~っ。そんなことが?」
と、4人でしみじみ話し合いました。


その方は、ガンになって、
気持ちが落ち込んでいたそうです。
(まあ、誰でもそうだと思いますが。)
その状態で、個室に入院し、
誰とも話さない、孤独な状態が続いたことで、
精神状態がかなり後ろ向きになっていった…、
ということのようです。


「個室って、一日34000円ですよね?
 そんなに払って、わざわざ、
 ノイローゼになるわけですか?」
「そうねえ。
 それを考えると、
 4人部屋の方が、毎日楽しいし、
 まあ、この部屋じゃあ、
 ノイローゼにはならないわね。笑」
「高いお金を払って個室に行かなくても、
 相部屋で十分だよね。」


一同、うなずきます。


「うちなんてね。
 個室にはいろうかな、って言ったら、
 ダンナから、
 『すまねえな。オレの稼ぎじゃあ、
  一泊3万円は出せねえよ。』
 って言われちゃって。」


みんなで、大笑い。
病室ではいつも、こんな会話をしていました。笑
これではたしかに、
ノイローゼにはなりません。^^


長くなりましたが、これで、
「ガン病棟編」が、ようやく終わります。
退院後、私は、一ヶ月の自宅療養を経て、
職場にも復帰することができました。
その後は、定期的に、
G研の外来に通うようになります。


そして、新たな病気が始まってしまいました。
次回より、第2章が始まります。


(つづく)


「個室しか空いてないと言われて、高い差額ベッド代を支払った」…という方も多いと思います。それ、本当は、払わなくていいんですよ。詳細は以下をお読みください。
入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ① - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ③ - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと
入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ④ - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと
入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ⑤ - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと
入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ⑥ - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと
入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ⑦ - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと
入院時の個室料金を、患者からだまし取る病院 ⑧ 最終話 - MIYO'S WEBSITE-全盲難聴のんたんの育児記録と卵巣ガンで思ったこと

*このブログがきっかけとなり、入院費が60万円も安くなった方もいらっしゃいます。ミニ知識として、頭の片隅で、覚えておいてくださいね。^^


盲学校の体育の授業です。(2008年11月1日)

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