MIYO'S WEBSITE - 全盲難聴のんたんの記録と卵巣ガン、そして旅日記。

超未熟児で生まれた後遺症で、全盲難聴(盲ろう)となったのんたん、双子の妹あみちゃんと共に楽しく生きる家族のお話です。
子どもたちは24歳になり、毎日元気に楽しく暮らしています。
卵巣ガンになって思ったことも、少しずつ書き始めました。
ベトナム日記は、
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ベトナム家族旅行:
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小学生だったころの子どもたちの育児日記は、こちらです。
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ガンになるまでの日々 21 - なにかの力(2014年6月)

2008年11月1日 パソコン実習。パソコンの音に、興味津々。(全盲難聴・のんたん 13歳/中1)


2014年6月


いつのまにか、G研に行かなくなって、
気がつけば、手術をした日から、
6年の年月が過ぎていました。
いえ、その少し前に、
G研に、予約の電話はかけてみたのです。


夫から、
「通院をやめたのはよくない。
 やっぱり心配だから、
 ちゃんと検査に通った方がいいよ。
 G研を退院するときに、
 『卵巣嚢腫の人は卵巣がんになりやすいから、
  定期的に見ていきましょう。』
 って言われたわけだし。」
と言われ、
またG研に行くことにしました。
ところが、予約の電話をかけてみたら、
断られました…。(苦笑)


電話に出た方から、
「今、なにか異常があるわけではないですね?
 手術から5年以上経過しているので、
 ドクターに確認したところ、
 もういらっしゃらなくてよいそうです。」
と言われてしまったのです。
G研のガン患者は、
通常、5年をひとくぎりとして、
「卒業」となります。


ええと…。
私はもともとガンではなかったので、
「5年で卒業」
には、あてはまらないのですが。(苦笑)


私の場合、
「ガンになりやすいから、
 今後も観察していく。」
という状況なのですから、
本当は、ずっと、通わなければならなかったのです。


けれど、主治医が何度か変わり、
そういう事情を覚えている方も、
もういらっしゃらなかったのです。
それに、通院をやめてしまったのは、
私の方です。
まあ、しかたありません…。


ってことで、
「G研は卒業」
になってしまいました。


お腹のでっぱりは、あいかわらずです。
っていうか、少しずつ、
大きくなっているようでした。
気になっていましたが、
病院に行っても、どうせ、
「ほおっておいていいんです。」
と言われるだけでしょうから、
どうにもなりません。


G研で手術した時、
子どもたちは中1でした。
それから6年。
この年の春、長女は大学に入学し、
長男は、視覚障害者のための施設(S園)に
入所しました。
それまでの、子育てと仕事に追われた日々が
一変し、ようやく、時間に余裕ができました。


そのタイミングで、
あの記事をネットで見つけたのは、
偶然とはいえ、
ほんとうに、なにかの力で、
動かされていたようにも感じます。


それは、医学関係の記事でした。
当時は、お腹のでっぱりが、
しだいに大きくなっていくことが、
気になっていました。
ほんとうに、手立てはないのか…。


ダメモトで調べてみたところ、
一件だけ、「腹壁瘢痕ヘルニア」について、
症状や治療法を解説した記事が
見つかったのです。
そこには、以下のようなことが、
書いてありました。


・腹壁から、臓器または組織の一部が脱出した状態である。
・開腹手術をした人の一割に起こる。
・自然治癒することは、ほとんどない。
・飛び出した腸が圧迫され血流の障害などを引き起こした(かんとん:嵌頓)場合には、痛みを感じることが多く、腸管がはまり込んだ場合には腸閉塞や腹膜炎になる。
・発症より時間が経過している場合は腸管壊死・穿孔の危険もあり、緊急手術が必要になる。
・患者の選択肢は、「何もしない」「縫合」「メッシュ」のみっつ。
・「何もしない」人が多いが、まれに嵌頓を起こす危険がある。
・「縫合」した場合、50%が再発する。

・「メッシュ」による手術は、再発しにくい。
・ヘルニアと診断されたら、なるべく早期の手術治療が望ましい。


デニムのパンツを想像してみてください。
長年着用して、膝が抜けた場合、
裂けた部分を糸で縫っても、
すぐにまた、同じところが裂けてしまいます。
「縫合したヘルニア」が再発しやすいというのは、
それに近い状態だと思います。


デニムが裂けた場合、
普通は、「充て布」を使って、
裏側から補強しますよね…。


それと同じように、
手術で、「メッシュ」という素材を、
腹壁の内側に入れ、補強すれば、
再発が起こりにくくなるわけです。
これは、最近行われるようになった手術です。


その、「メッシュを使ったヘルニア手術」を、
日本で初めて行ったのが、H医師です。
私が見つけた医療記事は、
その「H医師」という方を取材したものでした。


H医師が勤務しておられる病院を調べてみると、
私の自宅からは比較的近く、
通えない距離ではありません。


「この先生に、お願いしてみよう。」
と、思いました。
子どもたちは、もう、手を離れていました。
今なら、長男を気にすることなく、
いつでも入院し、手術できます。
そのタイミングで、H医師と出会えたのです。


(つづく)


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