「この世は舞台、人はみな役者だ」No.2

シェイクスピア

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当ブログ「ランキングBEST10」の現在TOPに選出されている記事がこれ→「この世は舞台、人はみな役者だ」ウィリアム・シェイクスピア そこで今回は、このNo.1の記事の『つづき』を書きたいと思います。

最も偉大な劇作家といわれるウィリアム・シェイクスピア。そのシェイクスピアが残した類まれな言葉は数多ありますが、上記リンクで紹介したセリフの他にも大変興味深いものがあります。では、その中から2つピックアップしていきます。

「私はこの世界をこの世界として考えているだけだ。ここでは、各人が一役を演じ、私は悲しい役を演ずる舞台なのだ」
〖ヴェニスの商人〗一幕一場アントニオ

「消えろ、消えろ、つかの間の蝋燭(いのち)。人生は歩く影にすぎず、持ち時間だけ舞台を気取って歩き、わめき、やがて噂にもされなくなる、つまらない役者に過ぎない。」
〖マクベス〗五幕五場マクベス


まずは、シェイクスピアの言わんとした事を素直に探っていきたいと思います。劇の内容からそのままにセリフをたどっていくと「限られた人々が、限られ場所の中で、限られた時間だけ、それぞれの定められた役回りをこなすところにこそ、人の生きざまの縮図が見て取れる」と単純に理解して良いのではないでしょうか。つまり正しく「この世は舞台、人はみな役者だ」という訳です。

そして更にハムレットでは「産まれてこなければよかった」と悔やんだりもします。男と女に絶望し、恋人のオフィーリアに対し結婚して子供をもうけないために尼寺へ行けと連呼します。生きるべきか死ぬべきか問う「反出生主義的」なハムレットから様々な生き方があるという事を学ぶことができます。

この反出生主義(はんしゅっしょうしゅぎ、Antinatalism)とは、生まれてきたことおよび人間を生み出すことに対して否定的な意見を持つ哲学的な立場の事を言います。この「生まれてこないほうがよかった」という思想は、なんと人類2500年もの歴史を持つ考え方です。紀元前からある考え方なのです。

この反出生主義という思想やシェイクスピアからは、人生を客観的に観るという必要性をとても感じます。そして同時にまずは「人生とはこうであるという思い込み」を無くす事が必要不可欠だという事です。次に、自らの出生の秘密を探ろうとする人間の探求心の尊さも深く感じる事が出来ます。私たちは「元々どんな存在だったのだろうか?」「私達人類は迷子になってはいないだろうか?」等と、、、。

世界中がコロナ禍で閉塞感が蔓延する様な現代に生きている私たちは、今こそ『一番大切なものを失ってはいけない』と思うのです。先人たちが残して下さったものを、自分の人生に落とし込んでいくという事の重要性をとても強く感じています。何事も訓練が大事です。当然、心の訓練がまず最初にあってしかるべきなのです。

しかし、何も考えずに生きている人が多すぎると劇は必ず悲劇となります。

私達がいつまで経っても利己的にエゴを中心とした生き方を選ぶのであれば、正しくハムレットのセリフの様に「産まれてこなければよかった」となるのですから・・・。自分がどう生きるのか?どう生きたいのか?を、自分自身を客観的に観つつ今!選択していく事の大切さを、強く思う今日この頃です。

ヴィジョン / Vision
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