長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『俺たちホームズ&ワトソン』

2019-12-06 | 映画レビュー(お)

 ウィル・フェレルとジョン・C・ライリーがイチャイチャしながらボケとツッコミを無限に繰り返す“俺たちシリーズ”(非公式)最新作。今回は近年、TVや映画でリメイクの続く『シャーロック・ホームズ』がネタだ。ベネディクト・カンバーバッチ×マーティン・フリーマン、ロバート・ダウニーJr.×ジュード・ロウによってしきりにBLというか、やおいというか、ブロマンス要素が強調されてきたこの古典はまさに“俺たち”シリーズに打ってつけ。かくして公開されてみれば…うわーい、ラジー賞独占しちゃったよー!

 気難しいホームズがフェレルで、ホームズラブなワトソンがライリーというのは何だか真逆なキャスティングに思えるが、裏返してみてもこの2人じゃ大差ないか(企画初期段階ではホームズがサシャ・バロン・コーエン、フェレルがワトソンだったらしい)。なぜか1人だけ大真面目に演じるレイフ・ファインズ扮するモリアーティ教授を追って各地で騒動を繰り広げる。ライリーはこの年、殺人ガンマンを好演した『ゴールデン・リバー』を掛け持ちしており、つくづく独自のキャリアだなぁ、と。フェレルと2人揃えばここぞとばかりにミュージカルラヴソングまでカマし、バカ映画にも惜しむ事なく才能を注ぎ込むシャレのわかる男である。

 2人を囲んでレベッカ・ホールやヒュー・ローリーといった演技派から、いつも通りスティーヴ・クーガンまで登場。大人子供キャラが十八番のフェレルがホームズなせいか、いつもに比べるとやや大人しめだが、何も考えずに見るには十分な口当たり。そういう手堅いだけのバカ映画はラジー賞に目つけられるんだよな!


『俺たちホームズ&ワトソン』18・米
監督 イータン・コーエン
出演 ウィル・フェレル、ジョン・C・ライリー、ケリー・マクドナルド、レベッカ・ホール、レイフ・ファインズ、ヒュー・ローリー、スティーヴ・クーガン
 

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