日常生活を送る中で、自分に対し、自信がないので行動ができない。堂々と人と接することができない。この様な悩みを抱える人がたくさんいます。

 だからといって気持ちを切り替えて、自信を持とうと頑張って努力しても、どうしても思うようにはいきません。実は、このように自分に自信が持てない事には理由があるのです。まずは、「自信を持てない」という状態について見直してみましょう。

 

 

 

 

「自信がない」という状態には、いくつかの具体的な“症状”があります。
1 何をしても不安で、他人からの意見に怯えてしまう
2 始める前からダメだと思って、やらずに終わってしまう
3 やってみようと思った途端、不安があふれだしてストレスフルな状態になる
4 自分よりも他者のほうが優れているように見えて、比較して落ち込んでしまう
5 自分の良いところが認められず、どんなに頑張っても劣等感がぬぐえない
6 評価してもらっても、自分で自分のことが認められないため、他者からの評価を受け入れられない
7 自分を認めることができないため、行動が起こせない

 

 

 

 

「自信がない」というと漠然とした感情のようですが、こうして分析してみると、心の状態と行動(現象)が連動していることがほとんどなのです。
 逆に、「本人が努力してきた過去がある、才能がある、周囲から認められている、客観的に見てできている」という実態に関わらず、本人が「“自信を持てない”と思っている」ことです。


 実際に、「周囲から見ればできているのに、あの人は自信がない」とか、「どうしてそんなに自分を否定してしまうの?」と感じることも少なくありません。けれども、本人にしてみれば、「強烈な自己否定感」と、「それゆえに思ったとおりに行動に移せない」という二つの事柄と戦っている状態なのです。


 なぜこうした自己否定感や行動できないという状態が生じてしまうかというと、それは、「もともと本人に対して否定的な意見を植え付けた人間がいる」ということが原因です。 人は子供時代、肯定的な意見を聞かせられて育ったり、あるいは、失敗したときに優しく受け容れてもらったりしていると、その状態を記憶し、自分でも他者からしてもらった肯定的な態度を繰り返すようになります。


 けれども、子供時代にそれがなく、親や先生、周囲の人間から否定的な意見しかもらえなかった人は、大人になってからもそのときの態度を無意識に真似してしまい、自分に対して自罰を繰り返すようになるんですね。
 そして、否定された経験を軸にして、自分のことを自分でマイナス査定し、推し量ってしまうのです。

 
 

 

 誰しも、誰からも教えられたことがないことは、実行することができません。それは、「自信を持つ」という心の状態であったとしても、同じことです。自信というのは、「能力や良いところを認め、育てるという経験」がなければ、できないものなのです。
 つまり、「認められ、褒められた経験がない」ために、その方法を理解できず、与えられた否定しかできない、ということが「自信がない」という状態です。
 こうした状態のときは、過去に親や周囲の人間が自分を否定してきたように、自分の否定的なところにばかり焦点が当たっています。


 人は良いところも悪いところもあって、それが普通なのですが、あまりにも否定されて育ったために、自分の肯定的な要素を認められないということを繰り返しているのです。 だからこそ、こうした不安定で苦しい内的な状態を変えるためには、自分で自分を見る視点を変え、育て直すことが必要になってきます。