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トスカーナ料理には豆が欠かせない。イタリア料理と聞いて誰でもすぐ思いつくパスタは実はトスカーナのメイン食材ではなく、パンと豆と狩猟肉が伝統料理なのである。だから全然華やかさはなく、素朴な山料理だ。
で、この豆、日本語では確か白インゲンとかいう名前だったと思ったが"cannnellini"と言う。レストラン、義実家などではよく食べていたけど自分で煮たことはなかった。
なぜなら、
おっそろしく時間がかかるから。
乾燥した豆を買ってきたらまずよく洗って、一晩中（8時間）水につけなければいけない。その後水を変えて90分煮る。
こういう、”食べたいと思ってもすぐには食べられない”食材はどうも面倒臭くて今まで手を出さなかった。それが、この軟禁生活で初めて作る気になり、やってみた。何も難しいことはない、要は時間がかかるだけで放置すればいい料理なので簡単である。
軟禁生活になったとはいえ私の生活はあまり普段と変わらない、それどころか余計に忙しい。それなのに新しい料理にいろいろチャレンジしているんだから、必要なのは時間じゃなくてやる気だけだったということになる。
一念発起して煮た豆で言うのもなんだが、
私、別に豆が好きじゃない。
やってみたかった、ただそれだけ。
でもうちの連れ合いはさすがにトスカーナ人で豆が好きなので普段のメニューにも取り入れていきたい。
昨日は授業がキャンセルになったりして時間ができたので、久しぶりに日本とイタリアの友達と長電話をしてしまった。一人と2時間以上話していたので、午後中話していたことになる。あっという間の2時間だった。早く本当に会える日が来るといいな・・
電話で、「さすがに2ヶ月もこの狭い家に二人でいると、もちろん相手が嫌じゃないんだけど、自分の思い通りに時間が使えないのがストレスになるんだよね・・自分一人だったら食事も簡単なものしか作らないし。」
と愚痴ったら
「彼のおかげで健康的な生活ができてるんだから感謝しなきゃだよー」と窘められた。
そうだよね、その通り。
そんな連れ合いも月曜日から出勤が始まる。そしてホッとしている、私である。