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両親から生を受けて産まれてきた私達。
そして両親が思いを込めて命名した名前をもらい、人としてのスタートをきる。死を迎えるその日まで使い続ける名前。
漢字として私自身が自分の名前を認識できたのは何歳の時だったのだろう?・・・記憶にない。(笑)


人が死を迎えると、仏教の場合、戒名とか法名を菩提寺の住職からいただくのだが、その意味は、お釈迦様の教えを守る約束の証しで仏教徒になるというもの。
お戒名がないと葬儀を営むことができないで、仏の道を進むには必需品なのだ。

我が家は代々仏教徒で、菩提寺は曹洞宗のお寺さまだった。
7年前、入院中だった父が急変し亡くなった時は、急だった上にそうした基礎知識が全くなかったので、親戚のお世話になりながら夢中で葬儀の準備を始めた。
最初にやらなければならなかったのは葬儀屋さんを決めて、枕経をあげていただく為に菩提寺を訪ねた。

その時の記憶は鮮明に覚えている。
ご住職も代が変わり息子さんになっていて、その時、初めてお会いした。3.11震災の直後で、ご住職のご家族も原発事故による放射能汚染を逃れ他県に自主避難されていて、ご住職一人が寺に残り多忙なお務めをなさっていたのだった。

直ぐに先代のご住職との関係を少しお話すると、先代からお話はお聞きしていたとの事で安心した。
とりあえず枕経をあげていただくお願いをしたのだが、戒名を決めないと進めないとなり、父の人柄や好きだったことについてのモニタリングがあった。
軒号のお話しもされたがチンプンカンプン・・・。

そして戒名料の提示があり、読経料込々でお布施として本葬が始まる前に祭壇に準備するそうだ。それ以外にお車代の確認し寺を出たのだった。

母の場合、ずっと自宅でいっしょに暮らすことができ、同時に、母の死期を悟ることができていた。父の時と大きな違いがここである。
その為に心の準備もできていたし、葬儀の段取りもイメージできていたので、慌てることがなく、菩提寺を訪ねても住職と心置きなく生前中の母のお話しもでき、翌日のお通夜が始まる直前、控室で母の戒名の説明をいただいた。

踊りが好きで花も一生懸命作り楽しんでいた母にぴったりの戒名で、亡き父の名前も一文字入っていて、迷わずに父とも再会できるだろう。これで母はお釈迦様の導きを受けて成仏できると安心できた。

人の世は俗名、仏の世は戒名で過ごすのですね。