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八ヶ岳・硫黄岳~オーレン小屋でテント泊#2 まるで山上の岬!

八ヶ岳・硫黄岳の山頂(山上の岬?)

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オーレン小屋でテント泊、2日目は爆裂火口がある硫黄岳に登ります。

硫黄岳の山頂に到着すると、切れ落ちた断崖絶壁が馬蹄形に細く長く続き……周囲の景色は青く海のように映り……

まるで山上の岬のような光景が広がっていました!

山上の砂浜といえば日向山が有名ですが、山の上にこんな海の岬みたいな場所があったなんて……

思いがけない景色に出会えました。

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2日目のスケジュール

2日目は硫黄岳に登り、その日のうちにテントを撤収して帰る予定です。

小屋から硫黄岳までの往復は2時間20分。ゆっくり歩いても4時間あれば行って帰ってこれるでしょう。

山頂付近で1時間ほど休憩をとっても5時間です。7時頃に出発すれば、12時頃に戻ってこれるはず。

あとはテントを撤収して下山するだけです。

登山コース/標準コースタイム

【2日目】
オーレン小屋→夏沢峠→硫黄岳:1時間20分
硫黄岳→赤岩の頭→オーレン小屋:1時間
オーレン小屋→夏沢鉱泉→桜平:1時間

オーレン小屋~夏沢峠~硫黄岳

起床

オーレン小屋のテント場(上段)

翌朝6時頃に起床。天気は曇り気味です。

夜は寒過ぎてなかなか眠れませんでした。T氏もY氏も今までのテント泊で一番寒かったようです。

その後も、硫黄岳やオーレン小屋の話をするたびに「あの日は寒かったなー!」という言葉が必ずでてくるほどです。

私自身はもっと寒かった経験もあり、そのときに「寝袋あったか!吐息暖房!」という技を身に付けました。(笑)

出発

軽く朝食を済ませ、支度を整えて7時過ぎに出発します。

持って行く物は水、食料、応急用品、レインウエアとヘッドライトも忘れずに。

小屋の先に続く登山道を登って行きます。オーレン小屋からは天狗岳へも1時間40分ほどで登れます。

上の写真の分岐を左へ進むと天狗岳方面です。硫黄岳へは直進し夏沢峠を目指します。

次に来るときは天狗岳へも登ってみたいですね。

石ころや倒木が多い登山道ですが、危険な場所や急な登りはありません。

登山道が崩壊しかけた場所もありましたが、金網で補強され、しっかりと整備されています。

夏沢峠

夏沢峠と硫黄岳

オーレン小屋から20分ほど、樹林帯を抜けると一気に景色が開けます。

ここが北八ヶ岳と南八ヶ岳を分ける夏沢峠(標高2440m)です。

正面に見える山が硫黄岳です。ここからは山頂は見えませんが、爆裂火口の断崖の一部が見えています。

夏沢峠には2軒の山小屋が建っています。右側がヒュッテ夏沢で、左側が山びこ山荘です。

ヒュッテ夏沢は定員100名。集団登山のメッカ?夏シーズンは学校団体で貸し切りになるようです。

ヒュッテ夏沢のホームページ
※2020年の営業は自粛します。

山びこ荘は定員40名のこじんまりした山小屋です。

モモンガとヤマネが住み着いていて、小屋に居ながら観察できるようです。

毎晩出てくるとか……

山びこ荘のホームページ
※2020年は6月中は営業自粛。その後はお問い合わせ下さいとのこと。

モモンガとヤマネ?

山びこ山荘

モモンガとヤマネがどんな動物なのか、よく知らなかったのですが、山びこ山荘の入口付近にあった看板に絵が描かれていました。

知らない人のために看板のアップ載せておきましょう(下の写真)。

モモンガとヤマネ

モモンガはムササビのような姿をしていますが、ムササビ=モモンガではありません。

ムササビは里に生息する生き物ですが、モモンガは山の生き物です。

ムササビよりも小型で目がクリっとしています。

ヤマネはリスとネズミの中間のような姿で、国の天然記念物に指定されています。

モモンガもヤマネもリス科の生き物で、手の平サイズでかわいいですね。

動物好きの人なら、会いに行ってみたくなるでしょう?

登山道は夏沢ヒュッテと山びこ山荘の間を通り登っていきます。

しばらくは石ころだらけのまっすぐな道です。

樹林帯を抜けると、石ころだらけのザレた急斜面が待っています。

遮るものや掴まる場所がないので休憩する場所はありません。

落石しないように注意しながら登っていきます。

ジグザグの急傾斜を登り、どんどん高度をあげて行きます。

この辺りは高度感があり、スリリングな場所なので、一気に通過したほうが良いでしょう。

振り返ると、夏沢峠がはるか下のほうの見えますね。青い屋根はヒュッテ夏沢です。

ふーっ!

景色は抜群だけど……登りがきつくなってきました。

ジグザクの急斜面を抜けると、地面が赤茶色を帯びてきました。

硫黄岳の山頂付近も見えてきましたが……ここからが長かった。

硫黄岳のケルン

山頂に近づくと、石を積み重ねてつくられてたケルンが、一定の間隔でいくつも立っています。

登山道の左側は爆裂火口で断崖になっているため、雨や霧のときに間違って爆裂火口のほうに踏み込まないように目印になっています。

緑のロープが張られている場所にくれば、山頂はもうすぐそこです。

ここを登り切ったところが山頂でしょう。

すると……平坦で、だだっ広い場所に出ました。

おやっ? 山頂がない? と思いきや……

硫黄岳の山頂

なんと、ここが硫黄岳の山頂のようです!

広すぎて…平坦すぎて…山頂とは思えない場所でした。

硫黄岳の山頂

硫黄岳の山頂

硫黄岳(標高2760m)の山頂に到着しました。

時刻は9時過ぎ、オーレン小屋から約2時間かかりました。

硫黄岳の山頂は360度、何も遮るものがない絶景が広がっていました。

山頂に着くとすぐ、南側に八ヶ岳の主峰である赤岳、阿弥陀岳、横岳の雄姿が目の前に飛び込んできました。

素晴らしい眺めです!

しかし、もっと目を奪われたのは爆裂火口でした。

爆裂火口……山上の岬?

硫黄岳の山頂(爆裂火口)

おーっ! 何だこれは?

すごい!……これが爆裂火口か?……

火口というよりも……まるで断崖絶壁が続く岬のような光景です。

硫黄岳の山頂に爆裂火口があることは知っていましたが、まさか、山の上に岬のような風景が待ち受けているなんて……驚きです。

硫黄岳の山頂(爆裂火口)

岬の先端にはどんな風景が待っているのだろう?

はやる気持ちを抑えて、岬のほうに近づいて行きます。

硫黄岳の山頂(爆裂火口)

振り返ると……山頂の半分が吹き飛んだ爆裂火口跡が確認できます。

火口内には雪も残っていました。

岬の先端に続く道は、両側に緑のロープが張られ、細く長く続きます。

火口付近はもろく崩れるおそれがあるため、安全に歩ける場所が区切られているのです。

注意を促す看板も一定間隔で立てられています。

ここが歩いて行ける先端部です。

岬の最先端部はまだ40~50mほど先ですが、これ以上、先には立ち入らないように緑のロープが張られています。

ロープは跨いで簡単に越えられますが、この先は危険なのでやめておきましょう。

ここから覗く爆裂火口も大迫力です。

北側に見える山は、正面が天狗岳(西天狗)、東天狗です。

その後ろの山が蓼科山、3か月前に登った北横岳も見えますね。

さらにその後ろには北アルプスの山々が連なっています。

南側には横岳、赤岳へと続く登山道が続いているのが見えます。

横岳の手前には硫黄岳山荘も確認できました。

このコースを赤岳まで縦走したいという思いが湧いてきましたが……テント泊装備ではきつそうです。

山頂の避難小屋

硫黄岳の山頂の避難小屋

爆裂火口の岬から、硫黄岳の山頂付近に戻ってきました。

山頂には小さな避難小屋が建っています。入口は屈まなければ入れないほどの大きさです。

中は2~3畳ぐらいのスペースしかありませんが、天候が急変したときには、一時的に避難できる心強い場所になりそうです。

残念ながら現在は「老朽化のため立入禁止」になっていました。

硫黄岳~赤岩の頭~オーレン小屋

予定では、硫黄岳の山頂付近でしばらく休憩していくつもりでだったんですが、風が強く、ゆっくりできそうな場所はありません。

朝食は6時頃に軽く食べただけだったので、そろそろお腹も減ってきました。

この先の赤岩の頭(あかいわのかしら)方面で休憩できそうな場所を探すことにしました。

9時30頃、赤岩の頭に向かって出発します。

左側に横岳~赤岳~阿弥陀岳の雄姿を見ながら歩けるコースです。

山頂直下は急な岩場になっているので、落石に気を付けながら慎重に降りて行きます。

岩場を抜けると、硫黄岳から続く、赤岩の頭~峰の松目までの尾根が一望に見渡せました。

なかなか、気持ちのいいコースです。

赤岩の頭

赤岩の頭

9時50頃、 赤岩の頭(あかいわのかしら、2656m)の鞍部に到着。赤茶けた地面の上に白い砂利を蒔いたような平坦な場所です。

この付近にレジャーシートを敷いてしばらく休憩&食事にしました。

ここには「赤岩の頭」という標識が立っていますが、赤岩の頭の山頂はもう少し先です。

前方左に見えている山は阿弥陀岳です。

硫黄岳

こちらは、赤岩の頭の山頂からみた硫黄岳です。

硫黄岳の山頂は平坦でだだっ広い場所なのに、ここから見るとピラミッドのような三角形をしているのが不思議です。

特に右側の横岳へ続く尾根は、ほぼ直線で人工的につくられた地形のようにも見えますね。

峰の松目(八つの峰の一つ?)

峰の松目
峰の松目

こちらは、赤岩の頭の山頂から見た峰の松目(みねのまつめ、2567m)です。

八ヶ岳の縦走路からは外れ標高も高くはないので、知らない人も多いでしょう。

しかし、南八ヶ岳の八つの峰のうちの一つに数えられることもある山なのです。

日本百名山を書いた深田久弥は(八ヶ岳の名前は八つの峰からきたものではなく、多数を表したものだろうとしながらも)、峰の松目を八つの峰の一つとしてあげています。

ちなみに、深田久弥があげた八つの峰は、西岳、編笠岳、権現岳、赤岳、阿弥陀岳、横岳、硫黄岳、峰の松目です。

赤岩の頭(鞍部)からオーレン小屋に戻るコースは、峰の松目を経由すると1時間35分、直接オーレン小屋に向かへば45分です。

せっかくなので峰の松目にも寄って行きたかったのですが、「50分も余計にかかるし、展望もないらしい!」ということで却下になりました。 (^_^;)

下山~オーレン小屋

赤岩の頭で1時間ほど休憩してから下山開始。

峰の松目には寄らず、直接オーレン小屋へ戻ります。

降り口の正面に峰の松目を見ながら下って行きます。

オーレン小屋のテント場(上段)

赤岩の頭から45分ほどで、オーレン小屋まで戻ってきました。

一杯だったテント場も、半数以上のテントは撤収されていました。

今ならもっといい場所を確保できるでしょう。

もう1泊して行きたい気分はやまやまでしたが、「夜の寒さに耐えられそうもない!」ということで、すぐに却下になりました。(^_^;)

時刻はまだ11時半。あとは荷物を整理してテントを撤収するだけです。

のんびりと片付けを始め……1時間ちょっとで撤収完了。

12時40分頃、オーレン小屋を後にして帰路につきました。

[終わり]

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