最近ハマってます、薬丸岳さん。
少年犯罪についての話を結構書かれていて、いつも考えさせられながら、グイグイ惹かれて読んでます。
主人公・桧山は保育園に通う娘を育てるシングルファーザー。
愛する妻は4年前、家に押し入ってきた男たちに殺されたのだ。
犯人は13歳の中学生3人だった。
法律では、犯行を認めていても「逮捕」ではなく「補導」となる。
つまり、罰せられないのだ。
妻の首を切り裂いておいて、それが犯罪にならないなんて。
何も罰することもできず、それどころか少年法に守られた少年たちのことを知ることもできない。
悲しみと怒りにもみくちゃにされた桧山だったが、
コーヒーショップを経営しながら小さな娘を育てる大変さの中、
少しずつ日常を取り戻していた。
そんなある日、刑事が桧山を訪ねてきた。
あの事件の犯人である少年Bが、桧山のコーヒーショップ近くの公園で殺されたというのだ。
妻の事件当時、桧山が「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」と言っていたこともあり、
桧山が疑いの対象になっていることは明らかだった。
なぜ少年Bは殺されたのか、しかもわざわざ桧山の近くで。
少年Bは更生していなかったのか?
少年Aと少年Cはどうしているのか。
桧山は少年たちが更生施設でどんな生活を送っていたのか、どんな風に考えていたのか。
少年たちのことを調べ始めた桧山だったが、
少年Bの恋人たちに犯人と疑われて殴られたり、
少年Cが殺されかける現場にいたり、少年Aが殺されたりと、
様々なことが次々と起こる。
やがて桧山は、妻の事件の真相にたどり着くが……
というお話。
子供が事件を起こしたら更生させるよう助けないといけないことも分かる。
でも、それだけでは被害者は浮かばれないし、被害者の家族は救われない。
そして、もしかしたら事件を起こした本人も苦しみ続けるのかもしれない。
少年法は、必要な法律かもしれないけど、まだまだ改善していかないといけないんじゃいかなぁ。
実際のところはケースバイケースだから、ひとつに決めづらいところはあるんだろうけど。