愛国的フィギュアスケート

羽生結弦とロシア女子を中心に

羽生結弦 “Jumpの天才”

2019年12月12日 | ルール改定
目的:「フィギュアスケート競技」における選手のJump要素の評価手法・評価基準を再設定する


背景:ただリンクを行ったり来たりして、Jumpを跳んでいるだけの選手、Nathan ChenVincent Zhouのようなタイプの選手(エッジエラーがあり、回転不足が多い)が、
   グレードの高い競技会で「高いGOE評価」を得るようになり、本当に優れたJumpを跳んでいるのは誰か、という評価が分かりづらいものになってしまった。
   (評価基準があいまい、あるいは信頼性の乏しいものになってしまった)

[過去ログ] 
18/07/11 新ルールを過去の成績に当てはめると・・(男子) https://blog.goo.ne.jp/figureskate_330_43/e/ca5421440ef4018d98739f674f98aa8b
新ルールの制定と運用が、理論と現実で真逆の結果に。


Jumpの種類 [6種類]

アクセル系 エッジ系に分類されるが、6種類中、唯一、前向きに踏切るJump。男女ともSPで必ず1回、FPで必ず1回跳ばないといけない必須Jump。 
       (Jumpが得意とされている選手、あるいは上位選手でも、苦手とする選手が意外に多い。例:Nathan Chen、Vincent Zhou、Evgenia Medvedeva、Alina Zagitova)

トウ系   離氷時にトウを突き、跳躍する。

エッジ系  トウを突かず、エッジを使い離氷する。


重要:「フィギュアスケート競技」は採点競技であり、「より速く(Citius)、より高く(Altius)、より強く(Fortius)」というオリンピックのモットーや、アスリートの記録、絶対評価とは相容れない。
     体重別の階級制競技でも無いため、各選手の体格に応じたJump評価が必要になってくる。もちろん、Jumpのデータ・数値は選手の身体能力の目安にはなる。
     小柄な選手が、身長比で高いJump、幅のあるJumpを跳んだ際、大柄な選手が同程度に跳んだ際の印象と同等評価になり得る。もちろん、優れたボディバランス、美しいボディフォルムは潜在的に大きくPCSに寄与する。


 図表       ([4A],3A,2A)
          アクセル系
      

            ・

     トウ系         エッジ系
    (4Lz,4F,4T)        (4Lo,4S)


  上記の3系統の「Jump能力・出来栄え」を 10段階評価 で格付けし、「三角形△」の面積で評価する。
 この面積が大きい選手ほど“バランスの取れた優れたJumper”となる。

 (トウ系で「4Lz」が跳べないなら「4F」の評価、「4F」が跳べないなら「4T」の評価となる。全て跳べない場合、評価を抑えたトウ系の「3回転Jump」の評価となる)
 上記の3系統のJumpの内、先に挙げられた(左にある方)が 難易度が高いとされる [基礎点が高い] Jumpである。


 この分かりやすい図表を実際の得点に反映させるには、(大胆なことを提案すれば)、現行の4回転Jumpの基礎点の序列を変えないといけない。
 [4Loを二段引き上げ、4Lzと同等に。4Fは現行よりさらに一段下げ、4Aは大幅に上げる]

現状
 「4Lz」は、基礎点および最大加点が(「4A」を除けば) 最も高いため、Sr./Jr.、男/女 を問わず、試行数の多いJumpとなっている。また、実際に成功例は多い。
 「4Lo」は、その難易度と リスクとリターン の効率が悪いため、競技会で試行される4回転Jumpとしては、最も少ないものとなっている。成功例は、ごくわずかである。
 「4F」は、「4Lz」ほどではないが、試行数はそれなりにある。ただし、エッジエラー[!] 無しで、継続的に実行している選手は、宇野昌磨 以外にいないといえよう。
 「4A」は、試行自体がごくわずかであり、成功例は未だない。試行数を増やすために、現行ルールから基礎点を大幅に引き上げる必要性がある。
  [「4Lz」の基礎点が11.50点ならば、「4A」は15.00点以上の価値がある(+3.50)。最大加点+7.50、合計最大 22.50点 😍]
 

具体例
   旧ルール 新ルール  改革案
4A  15.00   12.50   15.00  [4A - 4Lz] 旧ルールで 1.40点差、新ルールで 1.00点差(😒)、改革案で 3.50点差。
4Lz  13.60   11.50   11.50  旧ルール下ですら誰も試行しなかったのに、新ルール下で-0.40下がった「4A」を誰が試行するというのだろうか?!
4F  12.30   11.00   10.50
4Lo  12.00   10.50   11.50
4S   10.50   9.70    9.70
4T  10.30   9.50    9.50 
3A  8.50   8.00    8.00 

3A未満の他のJumpは、従来の序列とする。
 

  いかがでしょうか。極めて現実的で、現状に即した改革だとは思いませんか? 

 ちなみに、羽生結弦の三角形△の面積は、「アクセル系」が上に突き抜ける形の、綺麗な『二等辺三角形』を描くことになるしょう。😃