天気の子 | ヤンジージャンプ・フェスティバル

ヤンジージャンプ・フェスティバル

基本はシュミ日記です。
…遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん…
  

前回の記事に引き続き、1ヶ月ほど前に観た映画の感想文。

今回は、2019年のお盆休み初日に、トイ・ストーリー4との勝手な2本立てで観た、こちらの作品です。

 

 

【あらすじ】
  大ヒット・アニメ「君の名は。」の新海誠監督が再び川村元気プロデューサーとタッグを組んで贈るファンタジー長編アニメーション。天候の調和が狂っていく時代を舞台に、不思議な能力を持つ少女と出会った家出少年が運命に翻弄されながら繰り広げる愛と冒険の物語を描く。声の出演は主人公の少年少女に醍醐虎汰朗、森七菜。小栗旬、本田翼、倍賞千恵子、平泉成ら豪華キャストが脇を固める。
 天候が不順で雨が降り続く夏の東京。離島の実家を家出した高校生の森嶋帆高は、なかなかバイト先を見つけられず、東京の厳しさに打ちのめされかけていた。そんなとき、小さな編集プロダクションを経営する須賀圭介に拾われ、住み込みで働くことに。さっそく事務所で働く女子大生の夏美とともに、怪しげなオカルト雑誌のための取材を任された帆高。やがて彼は、弟とふたりで暮らす明るい少女、天野陽菜と出会う。彼女にはある不思議な能力があった。なんと彼女は、祈るだけで雨空を青空に変えることができるのだったが…。

(allcinema onlineより)

 

新海監督については、以前から名前は知ってはいたものの、これまで特に作品を観ることもなく・・・・。

圧倒的な大ヒット!な雰囲気に乗せられたこともあり、前作の『君の名は。』が初体験だったわけですが(僕の感想は→コチラ)、美しすぎる映像と、RADWIMPSによる素晴らしい音楽により、想像していた以上に心地よかったなぁ・・・・という印象。

そんな前作の大ヒットもあってか、劇場でバンバンかかっていた予告編を観る限りでは、今作でも美しい映像とRADWIMPSの音楽を心の底から堪能できる作品であることは間違いない!

・・・・と、楽しみにしつつ、劇場に足を運んだのでしたが・・・・・。

 

とにかく、すげぇものを観た!

 

というのが、観終わった瞬間の気持ち。

今作で監督が作品に込めた想いだとか、メッセージとか、全部理解できていないと思うし、この作品の結論って、近年日本全体に蔓延しているように感じる 「自分がよければ、社会がどうとか、そんなのは関係ない」 という風潮に近い気もして、ちょっぴり気持ち悪い部分もあるし、そもそも「愛さえあれば、全てがOK!」みたいな展開もちょっと乗り切れなかったのだけれども、そんなイヤな部分も全て含めて「とにかくこれが俺の作品だ!受け止めよ!」と言わんばかりの熱量がスクリーンから感じられて、ただただ圧倒。そして感動・・・。

ストーリーがどうとか、映像がどうとか言う前に、まずはその勢いにすっかり打ち負かされたのでした。

 

で、今作の映像も本当に美しくて、特に背景は「ん?これは実写か?」と思うほどでしたが、あれは全部が描かれたものだったのかなぁ。

パンフレットに掲載されたインタビューで監督は「2020年のオリンピックを前に、変わりゆく東京の姿を残しておきたかった」と話していますが、ここまで丁寧に描き込まれている映像であればその役割も充分に果たせることでしょう。

前作に引き続き、とにかく素晴らしい映像の美しさを堪能することができました。

 

そうそう、前作に引き続きといえば、今作もRADWIMPSによる音楽が素晴らしかった!

『君の名は。』では、ところどころ音楽が一人歩きしていたような部分があって、良くも悪くもRADWIMPSのPVでも観ているような気持ちになった場面があったりもしたのですが、今作ではそれは皆無!

音楽が映像とストーリーを引き立てて、一方で映像とストーリーが楽曲の良さを引き立てる・・・という、完璧なコンビネーション。

今作では制作の初期の段階から音楽制作に関わって、前作以上に深く、緊密な関係を築いていたようですが、まさにそれが功を奏したのではないでしょうか。

次回作でもぜひこのタッグでの作品が観られることを、心から願うばかりです。

 

 

さて、鑑賞を終えて劇場から出て、空を見上げると、そこには夏空。

まるで作品とシンクロした気分。

 

 

これから先は、夏空を見るたびにこの映画のことを思い出すこともあるのかもなぁとしみじみ。

そんなこんな、心に深く印象が刻まれた作品でした。

(2019年8月9日 横浜ブルク13にて鑑賞)