花の棺/殺意のまつり

山村美紗「花の棺」 「殺意のまつり」

 

ベストセラーであるが故に語られず、忘れられてしまう作家がいる。“女王”とも称された著者の作品も、今や絶版となって手に入らないものが少なくない。

「花の棺」はテレビドラマ化もされたキャサリンシリーズの第1作。アメリカ副大統領の娘が来日の折に生け花を学ぼうとし、各流派が争う中で殺人事件が起こる。さまざまな利権を巡る各流派間の駆け引きと殺人事件を巡る謎に引き込まれる。トリックも緻密。

「殺意のまつり」は短編集。表題作の、短い中にどんでん返しが詰まった構成には舌を巻く。

多作で作品の質にばらつきがある作家ではあるものの、これらは和製ミステリーの名作として再評価され、古典の仲間入りをする日も近いかもしれない。

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