【12月11日 AFP】世界初の完全電動商用機の試験飛行が10日、カナダのバンクーバーで行われた。航空機による大気汚染の問題を将来、解消するものと期待されている。

 

米シアトル(Seattle)を拠点に航空機用の電動モーターを開発している「マグ二クス(magniX)」の最高責任者、ローイ・ガンザルスキー(Roei Ganzarski)氏は「この試験飛行により完全に電動化された航空機の商用化が可能だということが示された」と述べた。

 この電動商用機についてマグ二クスは、バンクーバーとスキーリゾートのウィスラー(Whistler)や周辺の島々、沿岸部の居住地域をつなぐサービスを年間50万人に提供している航空会社「ハーバー・エア(Harbour Air)」と提携した。

 ガンザルスキー氏は報道陣に対し、この技術により航空会社は大幅なコスト削減が可能になるとし、「電気飛行機時代が始まった」と述べた。

 この電気飛行機の本体は、製造から62年が経過しているデハビランド・カナダ(De Havilland Canada)製のDHC-2ビーバー(DHC-2 Beaver)という水上機で、電動モーターが組み込まれている。操縦はハーバー・エアの創業者グレッグ・マクドゥガル(Greg McDougall)氏が担当した。

 マクドゥガル氏は「操縦はビーバーを飛ばすのとほとんど変わらなかったが、これは電気でパワーアップしたビーバーだ。だからややスピードを制御しながら操縦していた」とコメントした。

 バンクーバー国際空港(Vancouver International Airport)に近いフレーザー川(Fraser River)沿いで日の出後すぐに行われた試験飛行には、約100人の見物人が訪れた。現場にいたAFPの記者によると、飛行は15分間以内に終了したという。

 今後も電気飛行機の信頼性と安全性の確認のため試験飛行が続けられる。加えて電動モーターは、規制当局の承認と認可を受ける必要がある。

 バッテリーに関する課題もある。ガンザルスキー氏によると、試験飛行を行った型の航空機はリチウムバッテリーで160キロしか飛行できないという。(c)AFP/Alia DHARSSI

 エアバス社も、電動飛行機を開発中で2019年の飛行機小に出品している。ただ、完全な電動ではなく、ハイブリッドエンジンだとか。

動力が完全に電動化された近距離移動用の電気飛行機、欧州航空機大手エアバスのハイブリッド小型機が、今年のパリ国際航空ショーをにぎわせている。写真は16日、航空ショーの会場で撮影された、イスラエルのスタートアップ企業、エビエーションの「アリス」(2019年 ロイター/Pascal Rossignol)

 

ボーイング、電動有人試験機の初飛行試験を完了

 

バージニア州マナサス発,  2019年1月23日 - ボーイングは、昨日、電動有人試験機の初飛行試験を成功。マナサス(バージニア州)で実施された飛行試験では、電動垂直離着陸機(eVTOL)が垂直離陸し、そのままの状態で空中に浮揚し、垂直着陸。そのほか、機体の自律機能と地上制御システムの性能も確認したとのこと。

今回、飛行試験を行った電動垂直離着陸機は、ボーイングの子会社であるオーロラ・フライト・サイエンシズにより設計・開発され、その航続距離は最長で80.47キロメートルになります。都市間における空の革新的な移動手段を提唱するボーイングの新しい部署、ボーイング・ネクスト(Boeing NeXt)は、オーロラ社を活用して、まったく新しいオンデマンド型の空の輸送手段を実現しようとしています。そして、その安全性と信頼性を確立するために、引き続き電動垂直離着陸機の飛行試験を実施していきます。

今後の飛行試験では、垂直離陸から前進飛行への移行、さらには固定翼を使った前進飛行が含まれます。この移行段階は、高スピードの垂直離着陸機にとって技術的に最も重要な関門となります。