第37回 日本刻字展を振り返って(その2)-特別企画

平成30年もあっという間に半分すぎてしまいましたが、
次年度を見据え、年頭に開催された日本刻字展の特別企画を振り返ってみます。

毎年、上野の東京都美術館で開催されている ”日本刻字展” は全国から約1000点の作品が集まる、刻字最大の展覧会です。
今年から会期が1月に変更となり、会場も広くなったこともあり、特別企画を併催することになりました。

テーマは ”立体的に彫る”
刻字の今後の発展を模索する企画です。

 

このテーマに臨むにあたり、事前に希望者をつのり、研修会が行われました。
参加者は思い思いの ”妙” を書して板に貼り、周りを荒彫りしたものを持参します。

そして立体書道の先生から説明をうけ、凸の表面も立体的に彫っていきます。

各自で持ち帰り最後まで仕上げて、それを今回の特別企画展に展示することになりました。

第37回日本刻字展の特別企画の展示室はこんな感じです。

 

 

ビデオ冒頭が

今回賛助出品していただいた 彫刻家 籠瀬露風先生 の ”富嶽三十六景神奈川沖波裏” をモチーフとした
レリーフ作品とそこから発展させた立体作品 ”絆富士”

続いて
立体書道会 秋山青桃先生の ”妙” と ”崖(地図記号)”
書稿から平板の刻字 そして立体まで の過程の作品

中盤の黒っぽい作品群が中国作家の刻字作品

そして、先だっての講習会参加者の”妙”完成作品

と並びました。

おなじ字でも、こんなに色々な作品が出て来るのは、とても面白いですね!
結構海外の方達にも興味をもっていただけました。

因みに、私の作品はこれです。

線の交差部分に前後の関係を表現するので、立体的には見えるけれど、
擦れの部分の彫り方などこれまでとは違ったやり方なので、かなり消化不良といった感じです。

次回の研修会では、より立体感を体験するため、針金に粘土をつけて作品をつくる試みをするようです。

平面に書かれた字を立体にする、ちょっと難しいところもありますが、立体的な感覚を身に付けるという意味では、
とても良い体験になるのではと期待してます。

 

こちらは、今回の日本刻字展について毎日新聞の ”書の世界” に掲載された記事の抜粋です。

”第37回 日本刻字展 は「現代の書」の一分野である刻字の現況を見渡す格好の機会となっている。
刻字が「刻し」「彩色」する過程を有するために、形も色も奔放な表現が理論上は可能となるので、
世界的には中国や韓国を含めかなり奇妙な作品が横行している。
ところが、「自書自刻」を標ぼうして、刻字の世界をけん引した日本では、とても落ちつた世界が展開しているのだった。
落ち着きと深い精神性にほっとさせられる。
この成熟への歩みがなぜ生まれたのか?興味は尽きない。”

私たちが目指す ”刻字” の神髄を的確に評価していただいていて、嬉しく思いました。

まさにど真ん中直球、このような作品を作り出していくことが、私の目標です。

 

 

 

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