ガネー舎【スープカレーの原点に帰る】2019カレー416軒567食目
2019.12.9


■とりカリィ ¥1,150
▶︎煮卵 ¥100

誰しもいろんな料理に自分の原点があると思う。お袋の味なんていうのはその総代表みたいなものだ。我が長男は幼稚園児の頃に父、即ち長男の祖父が帝国ホテルでローストビーフなぞ食わせたものだから、その日から無類の肉好きに変貌し、二十歳を超えた今でもローストビーフと帝国ホテルに反応する。

普通のカレーライスにだって日本人的原点がある。特にマニアでもない一般人がカレーと言えば、ジャガイモ・ニンジン・玉ねぎという組合せはこれぞ日本人の発明した黄金律であって、カレールーの容器にすら普通に書いてあって、そうさ、みんなのカレーライスの原点だ。

GKにとってガネー舎はスープカレー体験の原点だ。15年以上も前、まだSNSも食べログもGoogle マップも無かった時代に、会社の先輩がスープカレー って食べたことあるかい?ないなら、行ってみようよ。と、誘われて行った。実際まだスープレーは全く認知されていなくて、ネット検索ではまだ容易に店が見つからない時代にも、その後GKは人づてに探して歩いて、でも都心では片手で数えるほどの店も見つからなかった。それほどスープカレーは珍しかった。

でも、その日、初めて訪れたガネー舎で初めて食べたスープカレーには感動した。今までカレーというのはドロドロの玉ねぎにんじんじゃがいもだったのに、その固定概念を全面的に覆された。食のダイバーシティを認めた瞬間だったかもしれない。

大きな鶏もも肉、大振りにカットされたピーマン、ニンジン、ナス、ジャガイモ。これが自分にとってのスープカレーの原点であって定義となった。
ガネー舎のスープカレーは実際スープカレーの原点、定義、お手本の一つに数えても差し支えないと思う。札幌スープカレーの元祖たるアジャンタの流れを汲むからだ。それがガネー舎という形で東京で静かに長い年月をかけて有名店となったけど、スープカレーが東京の人々に認知されるまでにはそれ相当の時間がかかったことだろう。

そして、今日はまた原点の味を確かめに来た。
とりカリィに煮卵をトッピングした。辛さは指定しないけれども、スープカレーは辛さに弱くてもしっかり辛い方が美味しくて、だから指定しなくても辛い。(辛さを弱くすることも指定できる。)

チキンのスープの旨味を最大限に引き出したシンプルな味に美味い!と心の中で叫ぶ。

鶏肉ってやはりスープカレー のお手本なのだと思う。

スープいっぱいに染み出し、なお美味い鶏もも肉の味を楽しむ。

昨今、様々に特殊な出汁や具材をウリにするスープカレーも、はたまた濃厚なスープカレーと名乗ってスープ感を失ったドロドロのスープカレーも存在する。でも、それら新しいスープカレーの皆さんにとっても、アジャンタの流れを汲むガネー舎のとりカリィって、誰もがリスペクトするのだと思う。

原点は美味しい。
楽しませて頂きました。
めでたしめでたし

ガネー舎
03-3433-0309
東京都港区新橋5-12-2 鴻盟社ビル B1F