目黒区待機児童0人の考察

先日ツイッターをぽちぽちしておりましたら、目黒区長がつぶやいていらっしゃいました。

 

目黒区待機児童0人達成!!

 

おおおおおおおお!?確かに改善したが、そこまでいったのか!?

どういうこっちゃー!!??ということで、分析したいと思います。

出典:目黒区ホームページ
出典:目黒区ホームページ

確かに0人になっています。

「待機児童数の定義」が重要ですね。

 

待機児童数の定義はこちらです。出典:厚生労働省HP

 

「調査日時点において、保育の必要性の認定( 2号又は3号) がされ、特定教育・保育施設(認定こども園の幼稚園機能部分及び幼稚園を除く。 以下同じ。 ) 又は特定地域型保育事業の利用の申込がされているが、利用していないものを把握すること。」

 

ただ、除外事項がたくさんあり、下記がいちばんひっかかるのではないかと思います。

 

「(注7) 他に利用可能な特定教育・保育施設又は特定地域型保育事業等があるにも関わらず、特定の保育所等を希望し、保護者の私的な理由により待機している場合には待機児童数には含めないこと。」

 

除外事項はこれ以外にもありまして、簡単に説明すると

・求職活動を停止している

・一時預かりなどを利用している場合

・企業主導型保育施設に入所している

・第一希望ではないから転園希望を出している

・特定の保育所を希望している

 

は、待機児童ではないという扱いになる。ということになります。

 

つまり、

 

目黒駅前に住んでるけど、自由が丘の保育園が開いていたら、そこに入ってね。入れないなら待機児童ではありません!

 

という意味です。目黒から自由が丘は電車で往復40分くらいかかりますよ!毎日のことです。毎日。自分の通勤プラス電車40分、保育園のシーツかえなどもろもろで滞在10分、駅からの異動で10分。合計1時間プラスです。毎日です。毎日。これを回避したら待機児童にはならないのです。

 

さて、劇的に改善した、令和2年の入所率ですが、

 

 

出典:目黒区HP
出典:目黒区HP

ですので、0歳児は106人不承諾、1歳児は212人不承諾で終わっています。(全体では不承諾466名)ただ、空き状況は下記となっています。

 

令和2年5月現在:空き状況

0歳児:44名

1歳児:46名

 

つまり、0歳106人不承諾のうち、待機児童に含めない事項に当てはまっている人がほぼ全員という話ですね。

106人全員が、どの保育園でも保育ママでもいいです!と言った瞬間に、待機児童62名となる、といったカラクリでしょう。(いろいろ制度の細かいカウント数の違いはあるとは思うので違ったら教えてください)

 

このブログでもお伝えしているように、空き状況にはかなりの地域差があり、需要と共有がマッチしていません。これを完全にマッチさせることはほぼ不可能ではあると思います。

待機児童の定義も別にいいと思います。定義ですから。

 

ただ、

 

「待機児童が0人になったやったー!」は、

現場のママの声とは違うということです。

毎日、通勤をプラス1時間のばしてママが暮らしていくのには無理があります。どんなに頑張ってもその選択できないです。

 

もちろん、ここまで数値が改善したのだから、あとは、個人の選択でどうにでもなる(無認可を選ぶとかもできるので)段階にはきたと思います。

 

 

待機児童0人やったー!の背景に、もやもやしているママが300名いて、その人たちの力になろうと、区の保育課の皆さんが頑張ってくださっていることを区の政治を担う皆さんに意識していただきたいなと思います。

 

目黒区の保活を4年見守ってきた身としては、

とりあえず、目黒区に転入しようとするひとは、中目黒方面に乱立している美しくて新しくてお高いマンションに移り住むのではなく、八雲をねらいうちするのをお勧めします。これは我々区民が選択できることですから。

 

我々区民は、保育園をこれ以上乱立させて、区の財源をむしばもうとは思っていません。ものすごい努力をしていただいて、保活の状況は改善したので、本当に感謝しています。少子化の中、必要以上に保育園の建設費、人件費などを増大させるわけにはいかないと思います。

区政を担ってくださっている方々と、我々区民と、あるべき子育ての環境を模索し続けていきたいです。

 

ご意見をツイッターにいただけると喜びます @one_opemama