夕方 6時過ぎ。

学童も ガラ―ンとなって数人の子がお迎えを待つ時間。

宿題の残りを片付けたり 漫画を読んだり。

小さい学年の子に最近人気は 

指導員さんとクイズをすること。

普段は忙しい指導員さんを 独り占めできる

ちょっと特別感があるのでしょうか。

背中に寄っかかってるのは

男前で みんなのリーダー的なHちゃん。

大人には ほとんど頼らず集団生活を過ごせる実力がある。

つまりは 甘えることがほとんどないひと。

 

「そらまめさんに、クイズだすよ!」

 

うん、どんとこいだ。

 

「えーっと、

海の世界クイズ。」

 

ふんふん。

 

「ふかい うみのそこで ちいさな おててが おいでおいで。

なーんだ。」

 

なんだろうね?

 

「海の底で・・・。」

 

一緒に考えてる Hちゃん。

 

「海の   底。 海藻生えてる?」

 

うん。生えてるかもねぇ。

 

「暗い?」

 

ええ?どうして? どうしてそう思うの?

 

「だって、江ノ島水族館行って

深海コーナー見たんだもの。

くらーくて、きもーーーーいの。」

 

新江ノ島水族館は深海コーナーは呼び物のひとつですが

たしかに、女の子には ちょっと受けないかもしれませんねえ。

Hちゃんは 背中からずりずりと 前に回って

ワタシの膝の間に潜り込んできました。

 

「オバケ・・・かな。

タイタニック号で沈んじゃった女の子の

オバケかな?」

 

こないだ、TVでやってたね、タイタニック。

 

「うん。あたし、もう、箱根の船乗らないの。」

 

真剣です。

さらに膝の間にぎゅーっとはまり込みます。

Hちゃんの 頭の中では

暗い水の中に揺らめく海藻の間から

白くて小さな手が ひらひら振られているところが見えるんでしょう。

半分笑いながら でも 不安そうに

 

「怖くなってきちゃった。」

 

大丈夫だよ。海の底は遠いから。

 

「そっか。遠いよね。

でも、海の世界のクイズはやめて

お菓子のクイズにするね。」

 

それがいいかも。( *´艸`)

 

 

 

クイズの短い文章から

深海をイメージして 最近見た映画のシーンをそこに投影して

一瞬のうちに 自分を怖がらせるほどの空想を築き上げる

すばらしいな、と思いました。

 

 

「一本 芯の通った 丸顔三兄弟 だーれだ?」

 

お団子ー!

 

「あたりー!」

 

 

 

昔話や 絵本で ちょっと謎めいた要素があると

それは ちいさいひとは理解できないから 

やらないと、言われてしまうけれど

Hちゃんとの クイズで なるほどなあ。って思いました。

わからないことは わからなくてもいいんだ。

わからないからこそ、

自分の記憶の断片を紡いで 心動かす瞬間に結びついていく。

不思議だったり 楽しかったり 不安だったり 面白かったり

心の振れ方は様々でも その時間は

退屈などでではなくて 

むしろ生き生きとしたものになるのではないかな。

 

これからも、臆することなく

不思議で 面白いと思うお届も

どしどし やったるでー!と思ったことだよ。

 

 

そんでもって、

わかんないけど、わかんなくていい!と、思ってる

漫画が 映画化されたので

イメージの飛翔を楽しむべく 出かけてくるくる~。

雨だけどー。

 

ひゃほー。

 

 

 

ちなみに、

クイズの答え、

大人の皆さんなら わかったでしょ?

ふふふふふ。