太ももに 黄色い色が付いてる、と思って

昨晩 風呂場でゴシゴシ洗っておいた。

今朝着替えるとき見たら

色がついていたのではなくて

ぶつけたところの 痣が消えかけていたのだった。

 

オットは痣の事を『あおたん』と言う。

痣が出来た、と言うと痛みが増すので

あおたん作った!と言うと

へへへ、と笑って済ませられる。

 

 

そんな風に 笑い飛ばしておいたから

痣が出来るほどぶつけたことを忘れていた。

 

 

ぶつけたときは 痛かった。

自分の事なのに それを忘れる。

いや、

忘れたことにする。

 

大人は

そうやって生きていく。

 

 

それを日本語で

やせ我慢と言う。

 

やせ我慢は

どこかに無理があるものだ。

 

みかん果汁の様な色の肌を

指でこすって考える。

 

忘れたことにしても

皮膚の下に しつこく滞るしみみたいに、

心に付いた折皺は なかなか、消えたりなんかしない。

暮らしの中で

うっすら ワタシをおおって

気持ちを濁らせる。

 

 

ここが(やせ)我慢のしどころと、

ももを叩いて 立ち上がる。

 

 

あおたん 消える。

もうじき消える。